断絶決議への“反撃”か?旧統一教会の信者らが地方自治体を相次ぎ提訴 代理人を直撃(2023年2月19日)
解散請求をめぐり旧統一教会への質問権の行使が続く中、信者や教団関係者が相次いで地方自治体を提訴していることがわかりました。
番組は先ほど、あす20日、北九州市を提訴する信者側の弁護士を取材、その背景を探りました。
▽信者らの“反撃“か 地方自治体への提訴相次ぐ
19日夕方、福岡空港を降り立った徳永信一弁護士。
Q.どういう理由で福岡に?
(教団信者らの代理人 徳永信一弁護士)「あす(20日)提訴の予定。北九州市相手に旧統一教会の信者が裁判に訴える。北九州市が12月に関係を遮断する決議をしているので、それは日本国憲法上許されないだろうと。」
あす20日、70代の信者の男性が北九州市を提訴することになっています。
北九州市議会では去年12月、「反社会的な旧統一教会に関与しないことを確認する決議」を全会一致で可決しています。“信者らの反撃”ともとれる今回の提訴。北九州市議会の鷹木議長は…
(北九州市議会 鷹木研一郎議長)「そういった権利は自由に行使されたら良いと思いますけれども、我々の出した決議に対して、我々がそれを撤回することはありませんし、なんら北九州市議会の意思は変わることはございません」
Q.政治家が関係を持っていたのは問題?
「その関わり方がそれぞれの議員によって違うと思うんです。ただ国民、県民、市民に対して誤解を生むような関わり方はすべきではなかったとは思いますし、これからもしてはならないと思っております」
(共産党 山内涼成 北九州市議)「こういう文書が…これが全議員に来てるんですよ」
実は、信者を名乗る人物が今月初め、厳しく批判をしてきた共産党を含む市議会の全議員に対し、決議の撤回を求める請願書を送ってきたといいます。請願書の紹介議員の名前は空欄になっていました。
請願とは、国や地方公共団体に対し要望を伝えることで、紹介議員が必要になります。
(共産党 荒川徹 北九州市議)「請願権は請願権でちゃんとあります。ただ、我々の議会のルールで請願に“紹介議員”となるには、その請願に賛成しなければならないという規定が明確にあるわけです。我々自ら決議をしとって、その立場があるのに賛成することはできませんので“紹介議員”にはなれませんという」
信者らの代理人弁護士は、教団と関係を断つという決議によって紹介議員が見つからず、憲法で保障された請願権が侵害されたと主張します。
(教団信者らの代理人 徳永信一弁護士)「誰も議員が接触してくれないと、関わり持たないということは憲法で保障されている請願ということが出来なくなると、それを排除するというのが北九州の議決が意味するところ。議会というのはこれは公共機関ですよ。そこが市民のうち、この宗教を信仰している人たちとは、あるいは信仰しているグループとは一切付き合いませんというようなこと、許されるわけないじゃないですか。」
こうした決議の撤回を求める提訴が全国で相次いでいます。去年12月、富山市を訴えたのは50代の信者。
(富山市を訴えた信者(50代))「これはただの宗教差別であり、宗教を理由とした村八分でしかありません。私たち家庭連合信者がこの富山市を神様の訪ねてこられるような素晴らしい市にするために、どれだけ政治に関心をもって献身的に活動してきたことか」
電話かけなど選挙支援を通じて親しくなった議員から関係を断絶されたと、決議の撤回を訴えました。
(富山市を訴えた信者(50代))「今まで親しくお付き合いしてきた議員先生の方々、やはりあの決議によって関係を持つこと自体が『ちょっとごめん』、『今ちょっと無理』と、やっぱりおっしゃられるんです。だから、それに対しては『こんな理不尽なことってある?』とそれはそう思うでしょ。こんなに頑張ってきて、こんなにこの議員のために、こんなに富山市のためにやってきたのに『何この言い方?』って。『何この扱い?』」
教団の友好団体は、富山市と同様の決議を行った大阪市と富田林市も提訴。今月14日には大阪府も提訴しています。こうした動きに教団は関係しているのでしょうか?番組の取材に教団は「関係しておりません」と回答しています。
教団と関係を断絶する決議を行い提訴された地方議会には、ある共通点があると、信者らの代理人弁護士は指摘します。
(教団信者らの代理人 徳永信一弁護士)「(議会は)逃げを打っているんでしょう。(教団と)関係があったからこそ反省して二度と関係を持ちませんとか。僕の立場から見たらそれは保身に見えるけどね。」
Q.提訴の男性は長年、自民党を支援?
「自民党 保守系の人たち。市議会議員も県議会議員も(支援してた)」
Q.なのに断絶されることが許せなかった?
「許せないでしょ」
北九州市議会に決議案を提出した共産党市議は教団側のねらいについて…
(共産党 山内涼成 北九州市議)「いろんな思惑が絡んでるのかなという思いがしますよね。なぜこの時期に出してきたのかという、こちらが勘繰るような思いもあります」
今年4月には、4年に一度の統一地方選挙を控えています。
(共産党 荒川徹 北九州市議)「(選挙で)支援を受けている人がいるとすれば、ちょっと動揺するかなという気もしますけどね。社会的に批判をされて、ある意味挽回しようというような”反撃”というのがあるのかなと思います」
徳永弁護士が代理人を務める70代の信者は、あす(20日)北九州市を提訴し、会見を行う予定です。
2月19日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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