コロナ救急ひっ迫 千葉・船橋市は第5波より搬送困難80件増

コロナ救急ひっ迫 千葉・船橋市は第5波より搬送困難80件増

コロナ救急ひっ迫 千葉・船橋市は第5波より搬送困難80件増

新型コロナの感染拡大により、救急患者の搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」の件数は、過去最多となっています。救急隊に密着すると、疲弊する救急医療の現状が見えてきました。

「予告指令、救助入電中」

先月31日の朝、船橋市消防局には、次々と出動要請が入っていました。マスクと防護服の装備で飛び出す隊員たち。午前10時の時点で、救急車両は全15台中、すでに14台が出払っていました。これは、この日、実際にあった119番通報の音声です。

船橋市消防局
「119番消防です。火事ですか、救急ですか」

40代女性
「先月28日にコロナの陽性がわかってコロナの症状は落ち着いてきてるんですけど、今日、下痢がひどいのと、入浴後からめまいとふらつきがひどくて」

通報した40代の女性は、新型コロナに感染し自宅療養中でしたが、症状が悪化したため、まずは市の保健所に相談したといいます。

40代女性
「保健所の相談センターの方に電話したら、もう救急の方に連絡してくださいって」

船橋市消防局
「保健所から消防署の方でと言われたんですか?」

40代女性
「『救急車呼んでください』って言われた」

船橋市消防局
「それはいつの話なんですか?」

40代女性
「今です」

こうした自宅療養中の人からの119番通報は、オミクロン株の感染が急拡大した今年1月以降、急増しているといいます。

船橋市消防局 救急隊員
「不安になってる方も多いと思いますので、少し熱が出ると救急要請という形になってしまう」

この1か月、救急隊員はゆっくり食事をする時間もないと言います。

救急隊員
「これが一番手っ取り早いんで」

おにぎりとカップ麺をかきこむ隊員ですが・・・

「予告司令、救急入電中」

すぐに次の出動の要請がかかりました。さらに今、隊員の頭を悩ませているのが「救急搬送困難事案」の増加です。

船橋市消防局 救急隊員
「ベッドが満床でですね、なかなか病院が決まらないって事案が多いですね。まず最近ですともう10件以上、病院交渉する」

総務省消防庁のまとめでは、患者の受け入れ病院を4件以上探さないといけないなどの「救急搬送困難事案」は、先月24日からの1週間で全国で5303件にのぼり、3週連続で過去最多。船橋市でも去年8月の3週間と比べて、先月は80件増えているといいます。

船橋市消防局救急課 稲垣成寿課長補佐
「オミクロン株の急激な拡大によって、医療機関で発熱外来の患者が多くなって、一般病棟にも影響が出ているんじゃないか」

“軽症が多い”ともいわれるオミクロン株ですが、救急医療はぎりぎりの状態が続いています。(02日16:57)

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