京都で高いビルOKに?古都の景観どうなる…「高さ規制」撤廃の事情とは(2023年2月9日)
高い建物をあまり見かけない古都・京都の町。今後は高いビルが建つようになるかもしれません。何が起きているのでしょうか。
山科まちづくり会議・野原孝喜代表:「京都の街、一度壊したら戻らないということを肝に銘じて考えた方が良いと思います」
京都市山科区の住民:「別に良いと思います。それでにぎやかになるなら良いのでは」
9日、京都市議会に高さ規制見直しに関する条例案が提出されました。これまでその美しい景観を壊さないよう、地域によって厳しい高さ制限が行われてきたのですが、高さ規制が見直しが検討されることになった理由とは。古都・京都の趣が失われることになるのでしょうか。
時を重ね、落ち着いた荘厳さの中にも往時のきらびやかさをうかがわせる神社仏閣や、道行くだけで時をさかのぼるような錯覚さえ感じる伝統的な街並み。この景観を守ってきたのが、2007年から実施されてきた、建物の高さを制限する京都市の「新景観政策」ですが、弊害も。
京都市内ではオフィスビルやファミリー層向けのマンションが、高さ制限のため常に不足気味。その結果、人口減少、ひいては税収減少にもつながっているというのです。この現状を変えるため、高さ制限見直しに関する条例案が提出されたのです。
一方で、京都では過去、巨大建築に対する景観論争が巻き起こっています。1990年代、およそ60メートルの京都ホテル建設計画が持ち上がった際には、京都の仏教界が反発。さらに京都市の中心に位置し、それほど高さのなかった京都京都駅が1997年、商業施設を入れた駅ビルとして高層化されましたが、計画が出された際、市民グループが白紙撤回を求める活動を展開しています。
京都駅周辺を写真で見ると、北側には低い建物しかないのが分かります。観光客に人気の昔ながらの京町家などが多く残るエリア。今回もこれらのエリアは制限が撤廃されることはありません。
一方で。規制が見直されるかもしれない場所の1つ、山科駅周辺。寺院など、観光名所に囲まれた京都駅からは5キロほど離れていて、ファミリー層向けの新たな住まいに持ってこいの場所です。しかし、中止部から離れたとはいえ、歴史的な場所であり、制限撤廃に反対の声も。
山科まちづくり会議・野原孝喜代表:「藤原鎌足や天智天皇、そういう方の非常に重要な場所が山科。そういう所に高さ無制限の建物ができるのは本当に許せない」
京都市は建物の高さ規制緩和を含む新たな都市計画を3月にも審議会に提出の予定です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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