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【報ステ】「熱意は終わった」“支援疲れ”の現実…大越が見たウクライナ国境の街(2023年2月6日)
ロシアによるウクライナ侵攻から間もなく1年。隣国のポーランドをはじめ、避難民の支援に積極的だった国も、人々も、いわゆる“支援疲れ”が出ているとも言われます。
その大きな原因が、資源をはじめとする極端な物価高という、現実の暮らしの問題でした。
大越健介キャスター:「ここはウクライナ国境、検問所のある街、ポーランド・メディカです。開戦直後、今から一年弱前になりますが、ここに取材に来ました。ここは徒歩で検問を超えてくる避難民の人たちがたくさん列を作って歩いていて、この道沿いには、ボランティア団体の人たちが設営するテントで温かいスープや身の回り品、衛生用品といったものが無償で配られていました。あれから一年近く経って、ここにはそうした跡はほとんどありません。今でも時折、歩いて国境を行き来する人はいますが、まばらです」
テント村がなくなったとはいえ、それでウクライナからの避難民がいなくなったわけではありません。
ポーランド国内では依然、約150万人の方々が避難生活を送っているとされています。
ハルキウから避難した人:「親切な人たちが、色々と助けてくれます。私は助けなしでは、ここで生きていけません」
キーウから避難した人:「先日、買い物をしていた時、ある女性がチェリーをくれました。息子が代金を払おうとしたら『渡したくて待っていた』と言われました」
しかし、ウクライナからの避難民に対する支援は今、岐路に立たされています。
ポーランド国内ではたびたび、デモが起きるようになってきました。
止まらないインフレ、エネルギー高騰などによって引き起こされた、生活のひっ迫が原因です。
ポーランド政府も、避難民に対して行ってきた様々な支援策を、資金不足などを理由に次々と打ち切っています。
ポーランド・クラクフにある避難民支援施設。ここで活動する団体は、ロシアによる本格侵攻後、草の根運動的に作られました。郵便局の一角を借りて活動しています。
スープを作って瓶に詰め、避難民に配ったり、前線の兵士に送る活動をメインに行っています。
肉は腐りやすいので、原則野菜だけです。
大越健介キャスター:「ここにいるだけで家庭的な雰囲気というか。皆さん和気あいあいと呼吸があって、ワンチームという感じですね。(Q.ぜひ召し上がってください)なんか申し訳ないけど、おいしそうだから負けちゃうよね。いただきます」
調理責任者:「当初、スープは国境で配りました。たくさんの人々に。ポーランドに逃れて来た人たちです。それが、始まりでした。(Q.“支援疲れ”を感じたことは?)考えたこともない。必要とする人がいますから」
国境を越えたところで配られるスープは、避難民支援の象徴でした。
NGO『ウクライナの人々にスープを』カシャ・ピリトウスカ代表:「2月24日で1年です。ロシアの本格侵攻から1年が経って、人々の熱意は終わりました。もはや戦争について、人は話さなくなったのです」
それでも考えているのは「できることをやる」です。
カシャ・ピリトウスカ代表:「支援活動は、1つのことの上に成り立っています。『それをやりたいか』というものです。誰もが多忙で、仕事も家庭もありますが、支援に必要なのは心です。『支援をせずにはいられない』そういうものなのです」
【広がる“支援疲れ”戦争が日常に】
◆ウクライナ・キーウにいる大越健介キャスター
“支援疲れ”など感じませんと善意で話す人もいます。しかし、ボランティア団体の幹部に話を聞くと「支援をしたくても、生活に汲々としているなかでは、そこまで手が回らない。侵攻から1年近く経って、戦争が日常となった今、以前のような動機を持つことが難しくなっている」と話しました。
その幹部に、ウクライナとロシアは政治的な妥協を考えるべきか質問をすると、「それはあり得ません。力で領土の一部を奪い取ることは、どの時代も決して許されません。私たちはこうして支援をしていますが、それは私たちにとっての戦争。これを勝ち抜くしかありません」ときっぱり言い切りました。
現実的には“支援疲れ”が目立ってきているなかで、友好国も岐路に立たされています。それは、私たち日本にも同じことが言えると思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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