自民“急転”LGBT理解増進に舵 総理秘書官“差別発言”が波紋…総理発言にも追及(2023年2月6日)

自民“急転”LGBT理解増進に舵 総理秘書官“差別発言”が波紋…総理発言にも追及(2023年2月6日)

自民“急転”LGBT理解増進に舵 総理秘書官“差別発言”が波紋…総理発言にも追及(2023年2月6日)

LGBTなど性的少数者をめぐり「隣に住んでいたら嫌だ」などと発言し、4日に急きょ更迭された、荒井勝喜前秘書官ですが、影響は、岸田総理の同性婚をめぐる発言にも及んでいます。

6日の予算委員会で、野党側は、徹底追及の構えを見せました。

立憲民主党・後藤衆院議員:「官房長官から質疑に入る前に一言あるべきでは?」

政府からの説明をめぐって折り合いがつかず、一時、野党側が退席し、抗議する展開に。その後、松野官房長官が“より丁寧な説明”をすることを条件に再開しました。

松野官房長官:「(荒井氏の)発言は、政府・岸田内閣の方針とは全く相いれるものではなく、断じて容認できるものではありません。岸田政権としては、多様性のある包摂的社会を一貫して目指しており、国民に誤解を生じさせたことは遺憾であり、おわび申し上げます」

立憲民主党・奥野衆院議員:「当事者の方々への謝罪がないです。総理の口からもなかったし、秘書官ご本人の口からもなかった」

松野官房長官:「傷つかれた方、不快な思いをされた方もいらっしゃるかと思います。おわびを申し上げますし、内閣の方針に関して誤解を生じさせたことに関しては遺憾であり、おわびを申し上げる次第であります」

追及は、総理自身の発言にも及びました。

問題とされているのは先週1日、同性婚の法制化などについて問われたこの答弁。

岸田総理:「すべての国民にとっても家族感や価値観、そして社会が変わってしまう課題」

総理の“スピーチライター”だったとされる荒井氏。野党側が追及したのは「社会が変わってしまう」という答弁は“誰の考え”だったのかという点です。

立憲民主党・奥野衆院議員:「秘書官は(答弁に)手を入れていないでよろしいですね」

松野官房長官:「荒井前秘書官は、関与していないと承知しております」

午後になっても、説明に追われた松野官房長官。

立憲民主党・山岸衆院議員:「総理答弁というのは、官邸で全秘書官を交えて議論をして、赤入れたり修正したりして作っていくと思うんですけど」

松野官房長官:「ベースに関しては法務省(が作成)。質疑応答を繰り返すなかで、その一部として、お尋ねの発言があったと」

立憲民主党・山岸衆院議員:「まさに総理のアドリブであったと。総理ご自身の問題意識を表明されたと」

法務省も“社会が変わってしまうという発言はたたき台にはなかった”と説明しました。

性的少数者を支援する団体は6日、差別発言に抗議。同性婚を認める法律づくりに直ちに着手することなどを求めました。

性的少数者を支援『マリッジ・フォー・オール・ジャパン』松中権理事:「更迭をするという、トカゲの尻尾を切って終わりでは、やっぱり自分たちとしては認められない。もし多様性を大切にするという政府なのであれば、きちんとした法整備に向けてもアクションを起こしてほしい」

こうしたなか、自民党では、LGBTへの理解を促進する法案をめぐり、急きょ動きがありました。

自民党・茂木幹事長:「我が党においても引き続き、提出に向けた準備を進めていきたい」

『LGBT理解増進法案』はもともと、2021年に“全会一致”での成立を目指す動きがありましたが、自民党内で異論が噴出し、結局提出されないままでした。

一転、前向きな姿勢”を示した形です。

突然の“方針転換”は、当事者の声に答えることができるのでしょうか。

【総理「法案進めて」背景に何が?】

◆政治部・千々岩官邸キャップに聞きます。

(Q.岸田総理はなぜ『社会が変わってしまう課題』という発言をしたのでしょうか?)

2点あると思います。岸田総理はもともと、自民党のなかでもリベラルとされる宏池会の出身で、多様性をうたってきた政治家です。

ただ、今の岸田政権を見ると、主要課題に防衛があって、少子化対策をするということで、政権として多様性に関する分野は、優先順位が高くない。これが1つの原因にあると思います。

加えて、自民党のなかからは、保守派の影がちらついて出た総理の発言ではないかという見方をする向きもあります。

(Q.自民党幹部は『LGBT理解増進法案』の準備を進めるとしています。今回の発言が影響しているのでしょうか?)

間違いないと思います。自民党は6日になって、がらっと動きを見せてきました。

もう一つポイントとなる動きは、岸田総理自らが、自民党幹部に電話をして「LGBTに関する法案をきちんと進めてほしい」と連絡しました。

取材をすると、自民党幹部サイドからも、総理周辺サイドからも同じ話が出てきます。

岸田政権としては、後ろ向きだと見られたくない、「後ろ向きではありませんよ」と発信したい意図も感じます。

岸田総理の幹部への電話と前後して飛び出したのが、公明党・山口代表の「自民党がもう少し積極的になることが、国民の全体の意識を受け止めることにつながるのではないか」という発言です。

予算委員会での厳しい議論が終わると、統一地方選がやってきます。

選挙を見据えれば、山口代表の発言も無視できないということだと思います。

LGBTに関する法案をめぐっては、8日に超党派の議連が会合を開く予定です。

自民党は2年前、保守派の猛反発もあって、法案を国会に提出できませんでした。

今回は、動かないこと自体が自民党・岸田政権にとってリスクになる局面ですので、何らかの動きが進んでいく可能性が高まっていくとみています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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