高速も列車も…なぜ起きた?“2つの立ち往生” JR乗客に“怒り”「情報欲しかった」(2023年1月26日)

高速も列車も…なぜ起きた?“2つの立ち往生” JR乗客に“怒り”「情報欲しかった」(2023年1月26日)

高速も列車も…なぜ起きた?“2つの立ち往生” JR乗客に“怒り”「情報欲しかった」(2023年1月26日)

 雪では新名神新高速で24時間以上にわたり立ち往生が続き、JR京都線などではおよそ7000人を乗せたまま列車15本が立ち往生しました。この2つの混乱、いずれも運営側の判断や情報に遅れがあったのではと指摘されています。

 JR西日本・長谷川一明社長:「重大な運行トラブルを発生させました。心よりおわびを申し上げます」

 大雪の影響で15本の列車が立ち往生し、乗客およそ7000人が最大10時間、列車内に閉じ込められた問題。

 車内に閉じ込められた人:「不満は、色々ありますよ。『この状況で、なんで電車動かしたん?』と思いますし、『こうなること予測できへんかったん?』と」

 立ち往生した原因は、列車の進路を変えるポイント21カ所が凍結するなどして動かなくなったこと。JR西日本では、予想降雪量が10センチを超えた場合、融雪装置を使うことにしていますが、8センチの降雪を見込んでいたため、融雪装置を使う準備をしていませんでした。

 JR西日本・長谷川一明社長:「最悪の事態を想定して物事を決めていくというスタンスが、今回の対処においては結果として不十分であった」

 浮かび上がってきたのは「予想の甘さ」と「対応力不足」でした。

 車内に閉じ込められた人:「もうちょっと客に情報がほしかった。『ちょっと確認しています』『ご迷惑をお掛けします』ばかりだった」

 乗客が長時間にわたって閉じ込められた理由については…。

 JR西日本・長谷川一明社長:「降車頂くことも検討したが、様々なリスクがあるので、ポイントを何とかして早く復旧しようというところになった」

 ポイントの復旧作業を優先させた判断は適切だったのか。関西大学の安部教授は、2次災害を避けたいという考え方に理解を示す一方、避難誘導の在り方を整備する必要があると話します。

 運輸の安全に詳しい、関西大学社会安全学部・安部誠治教授:「ある時点で見切って、列車を動かすことが難しいと判断をして、リスクはあるが線路上を歩いて駅まで逃げて頂く。こういう選択はある程度しなければいけない。(乗客の)避難行為をもう少し早く決断してやるべきではなかったかと思う」

 対応力が問われているのは、JR西日本だけではありません。新名神高速道路での立ち往生は防げなかったのでしょうか。

 新名神高速道路の下り、三重県の菰野インターと滋賀県の甲賀土山インターの間で25日未明から断続的に続いていた立ち往生は、丸一日以上経った26日8時すぎに解消されました。三重県警によりますと、並行している国道が通行止めになったことで新名神高速に交通量が集中したことに加え、高速道路上でスタックする車が続出したことで立ち往生が発生したといいます。

 なぜ、高速道路上で立ち往生する事態となったのか。鈴鹿トンネル付近で立ち往生した運転手は…。

 立ち往生したトラックの運転手:「ネクスコが『iHighway』のアプリの情報を更新していなかったんですよ。実際、もう全く動かない渋滞なのに『まだ通れます』という移動表示だったんですよ」

 そもそも、いつ頃から立ち往生が始まったのか。

 トラックの運転手:「(午前)1時ぐらい」
 バスの乗客:「(午前)2時すぎくらいに立ち往生になって、ずっとバスの中にいました」

 取材では、25日午前1時から2時ごろにはすでに立ち往生は始まっていたことが判明。ただ、当該区間が通行止めになったのは午前4時ごろでした。

 亀山西ジャンクションの手前で立ち往生した運転手も“情報の遅さ”を感じたと話します。

 立ち往生したドライバー:「渋滞ということがどこにも(情報が)出ていなくて。ツイッターとか(情報を)探し出したら『3時間前から止まってます』とか書いてあったんですよ。それならそれで、教えてくれたら入ってけえへんのにとか思いながら」

 立ち往生している間にも情報は、全く入ってこなかったということです。

 運輸の安全に詳しい、関西大学社会安全学部・安部誠治教授:「鉄道会社とか高速道路会社というのは、的確に適切なタイミングでですね、確度の高いメッセージを出していく。こういうことに一層、頑張って頂く必要があるんだろうと思います」

 ネクスコ中日本は「情報の遅れ」などについて、26日午後5時時点でコメントしていません。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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