「隠れ豪雪日本一」の町 積雪380cm…暖房費高騰“電気代7万円” オール電化が裏目に(2023年1月12日)

「隠れ豪雪日本一」の町 積雪380cm…暖房費高騰“電気代7万円” オール電化が裏目に(2023年1月12日)

「隠れ豪雪日本一」の町 積雪380cm…暖房費高騰“電気代7万円” オール電化が裏目に(2023年1月12日)

 今シーズンは、北海道や東北は記録的な大雪となっているが、青森県の酸ケ湯を1メートル以上、積雪量で上回る、大雪の“隠れ日本一”と呼ばれる町を取材した。また、暖房費の高騰も深刻で、北国では、夫婦2人暮らしで電気代が10万円となった人もいた。

■“積雪380センチ”自販機が凍る&埋まる

 山形県の山間部にある西川町の「志津温泉」。うず高く積もった雪の壁に囲まれた温泉街で、11日に取材した午前8時の時点での積雪は380センチだった。

 青森・酸ケ湯の250センチを、なんと1メートル以上、上回っている。

 しかし、西川町の「志津地区」は気象庁の観測地点がないため、こう呼ばれている。

 宿泊客:「隠れ日本一って聞きました」

 先月、取材した時には、宿泊客の車の上に、こんもりと雪の塊が積もっている。

 さらに、自販機は…小銭入れが完全に凍っていて入らない。入ったとしてもおつりが出ない、凍っててボタンも押せないところがある。そもそも買えたとしても取り出せないと、ものすごい状況となっていた。

 あちこちで驚きの光景が広がっていた。

■雪降るなか…“川の中”手作業で雪どかし

 志津地区の男性らが、はしごなどを積んで、雪上車に乗り込んでいく。

 道路標識の看板の真横を通っている様子などから、雪がいかに高く積もっているかがうかがえる。

 途中で雪上車を降り、雪の中を歩いていく。たどり着いた先には、川が流れていた。雪が降りしきるなか、男性たちは川の中へと入っていく。

 清水屋旅館・今野和久さん:「志津地区内で雪を溶かすために水が必要なんですけど。水の取り入れ口を点検しに行って、量を増やすような作業をしてきました」

 川の中で手作業によって雪をどかし、青いシートを設置するなどして、川の流れが途切れないようにしているという。

 川から引いた水は、温泉街の側溝に流れてきて、除雪した雪を流し込み、雪を溶かしている。

 今野さん:「年中行事って感じですね。皆、凍えながらやっていますよ」

■“雪崩”防止のため…幹線道路でも除雪

 幹線道路では、大きな重機を使って雪を除こうという作業が行われていた。

 国道脇にある防護柵の背面にたまった雪を重機ですくい、道路上に集めている。そのたまった雪を吸い上げ、ものすごい勢いで掃き出し、アーチを描くようにして道路の逆側へと飛ばしていく。

 作業員:「雪崩が発生して危ないという状況になりますので、こういった処理を定期的に行わないと危ない道路になる」

■小樽 気温上昇で…除雪作業“急ピッチ”

 10日、記録的な大雪となった北海道小樽市。11日は最高気温3.9℃。気温が上がり積もった雪は溶け、市内の観光地では足を滑らせる人の姿もみられた。

 福岡からの観光客:「きのうは相当寒くてブルブルしていたんですけど、きょうは暖かくて。(靴の中)めちゃめちゃ染み込みましたよ。歩いてて(道が)べちゃべちゃしてたんで」

 市内各地では積もった雪の除雪作業に追われ、雪捨て場となっている港では、海が堆積した雪で真っ白になっている。

 住宅街では、雪下ろしをしている人の姿が見られた。

 雪下ろしをしていた男性(83):「下に車、入ってるんですよ。(雪が)溶けて重くなって、屋根が(車の上に)落ちるんですよ」

 男性は、雪が溶けて重くなる前に、雪下ろしを終えたいと話す。

 すぐ近くでも、雪下ろし作業を行う女性の姿があった。家の屋根を見てみると、つららが溶け、水滴が落ちていて、気温の上昇により屋根からせり出す雪庇(せっぴ)は、いつ落ちてもおかしくない状況だ。

 雪下ろしをしていた女性(68):「頭に落ちてきたから大変だから。何回か落として、雪をどけたんだけど、また積もっちゃって。やっとかないと、またそれ(積雪)が酷くなるから。マイナス10℃とかになるから、これから大変だよ」

■高騰で“電気代7万円” オール電化が裏目に

 再びの寒波に備える北海道。住民の悲鳴は他にもある。

 小樽市民・主婦(30代):「5000~6000円くらいはアップしていると思います」

 アップしたのは電気料金。去年1万円程度だった電気料金が、今年は1万5000円に。

 主婦:「正直、かなり大変ですよね」

 北海道の遠軽町、5日にはマイナス23.2℃を記録した地域。

 4LDKの一軒家に住む30代の夫婦2人暮らしのお宅に届いた電気代の請求額が…。

 主婦:「オール電化なんですけど。7万6000円くらいですね」

 このお宅では、暖房器用の電気代と、それ以外の電気代の請求が分けられたオール電化用のプランを契約。合計で7万6577円の電気代となった。

 主婦:「私の住んでいる場所は、本当に冷え込みますので、トイレとか凍結したり(するので)。(電気を)使わざるを得ない。最低限の暖房なんですけど」

 去年3月、オール電化の家に引っ越し。それまで冬の電気代は高くても1万6000円程度で、ガス代を含めても6万円以内だったという。

 主婦:「電気代が高騰しているので、(オール電化なので)ある程度は想定していたけど。思った以上の金額だったので、すごくびっくりしました」

 値上げと寒さによって、予想を上回る電気代。対策として行ったのが…。

 主婦:「石油ファンヒーターを買った」

 せっかくのオール電化の家だが、電気の暖房より、灯油代のほうが安く済むとして、新たに石油ファンヒーターを購入。さらに…。

 主婦:「こたつは電気をつけずに使っています。これ以上どう対策していいか分からない」

 雪国の人たちの生活を圧迫させるのは、電気代の値上げだけではない。

■除雪料8万円 高齢者から悲鳴「貯金減る」

 今月3日、12時間の降雪量が観測史上最多となる64センチとなった北海道夕張市。道路脇の雪山は、人の背丈よりもはるかに高くなった。

 夕張市民(80代):「34年住んでいるが、こんなの初めて」

 高齢化や過疎化が進む夕張市。今回のような大雪によって、お年寄りからは、こんな悲鳴が上がっている。

 一人暮らしの女性(81):「だんだん貯金が減っていく…」

 大雪によってお金が減ってしまう原因、それが「除雪料」。

 一人暮らしの女性:「私は雪投げ(除雪)できないから、玄関の所だけ(してもらう)。足が悪いし、雪に埋まったら転んじゃうからね」

 体が悪く除雪ができないため、近所の業者に除雪を頼んでいるという。そのため…。

 一人暮らしの女性:「除雪料が(家の)前だけで(年間)6万6000円。屋根が2回ほど下ろしてもらうから8万」

 年金など、わずかな収入で暮らすお年寄りにとって、除雪費の負担が重くのしかかっている。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年1月12日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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