「過去の免疫が効かない可能性も」米国で急拡大『XBB.1.5』日本でも広がる?(2023年1月11日)
アメリカの東部などでは今、新型コロナのオミクロン株の派生型『XBB.1.5』が猛威を振るい、感染の7割以上を占めています。
ニューヨーク市立大学のブルース・Y・リー教授:「ワクチンや感染で得た免疫が、この派生型には効かないかもしれません。この派生型が免疫をたやすく回避するなら、死者数や入院者数が増える恐れはあります」
アメリカで感染拡大が始まると、そのスピードは想像以上です。薬局では、風邪薬、特に子ども用の解熱剤の売り切れが相次いでいます。自主的にマスクをつけて、学校に行く子どもも現れました。
『XBB.1.5』ですが、空港での検査体制が強化されたりしていますが、時期に世界に波及するとされています。現に日本でも4例が見つかり、中国でも『XBB株』16例が確認されています。
ニューヨーク大学・多田卓哉博士研究員:「現状を見ると、新型コロナウイルスは、終息を迎えることは非常に難しい。季節性インフルエンザと同様にワクチンや治療薬を使いながら、それに合わせて我々も柔軟に対応していく必要がある」
『XBB.1.5』は、“免疫から逃れる”“感染力が強い”という2つの性質があります。感染制御学が専門の国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授によりますと、「免疫から逃れるというのは、新型コロナの感染経験や、ワクチン接種で免疫を獲得していても感染しやすい。感染力が強いというのは、少ないウイルス量でも感染する。つまり、より多くの人に感染させやすいということだ」といいます。
アメリカでは、新規感染者のうち『XBB.1.5』に感染している人の割合が、先月3日時点では推計2.3%でしたが、今月7日時点で推計27.6%。約1カ月間で12倍に増えています。
日本の全国の新規感染者数は、去年10月上旬から第8波が始まり、右肩上がりに感染者が増加しています。現在は、『BA.5』が主流とみられますが、松野官房長官は、11日の定例会見で『XBB.1.5』について、「10日時点で4件確認されている」と明らかにしました。
松本教授によりますと「アメリカで起きていることは日本でも起こり得る。2月末には『XBB.1.5』の感染が全体の2~3割まで広がる可能性がある。仮に中国でも『XBB.1.5』が、一定数発生しているとすれば、春節の大型連休で短期間のうちに中国から持ち込まれる可能性もある」 としています。さらに、「国内で『XBB.1.5』が一定数の割合を占めてくれば、第8波がさらに引き延ばされて、3月に入っても状況が落ち着かず、今よりも感染者が増える可能性もある」といいます。
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