“日本一寒い町”北海道陸別 -30℃を2回観測…家中凍る「冷蔵庫が一番あたたかい」(2023年1月9日)
“日本一寒い町”と言われる北海道陸別町。1月に2度もマイナス30℃台を記録した極寒の地を緊急取材しました。
■“20年ぶり”1月に-30℃を2回観測「今年は特に寒い」
“日本一寒い町”は、北海道の女満別空港から車でおよそ1時間の所にありました。
7日午前5時すぎ、建物から外に出てみると、凍てつく寒さが広がっていました。この日、陸別の最低気温はマイナス25℃。家庭用の冷凍庫がおよそマイナス18℃なので、それよりも寒いことになります。
さらに今月は、3日と5日にマイナス30℃を観測。1月にマイナス30℃台が2回観測されるのは、20年ぶりのことです。
生卵は外に置いてわずか5時間で、釘を打てるほどカチコチに。ラーメンも、食品サンプルのように固まってしまいました。
本当に寒くなるのは2月。地元住民もすでに「今年は特に寒い」と話します。
地元住民:「1月の初めに、こんなにしばれるのは、あんまりないですよね」「天気だった次の日はしばれます」「(Q.『しばれる』とは?)凍る寒さのこと、しばれるって言うんですよ」
「しばれる」とは、普通の寒さではなく、びっくりするくらい寒いことです。
陸別町は小高い山に囲まれた盆地にあるため、海沿いの町とは異なり、雨や雪を降らせる雲が少なく強烈な放射冷却現象が生じます。冷たい空気がさらに冷やされ、“しばれる”寒さとなるのです。
強い寒気で空気が冷やされ川の水面には、「けあらし」がうっすら立ち上っていました。
■日が落ちてから“洗車” 雪国ならではの理由が…
日が落ちてから、なぜか洗車を始める人たち。そこには、雪国ならではの理由がありました。
住民:「高速道路とか塩カル(融雪剤)まいてるんで。走った時にはやっとかないと、すぐさびついちゃう」
洗った後の水は拭き取らないと凍ってしまうので、手を真っ赤にして拭き取っていました。
寒さに凍えるのは、ペットも同じです。
住民:「散歩が大好きなので来るんですけど、しばれてる時は早く玄関に向かって帰る時もあります」
元気よく走っていたイヌも、わずか3分後。抱っこをせがんで、歩かなくなってしまいました。
■「冷蔵庫が一番あたたかい」家中がカチンコチンに
10年前に東京から移住してきた秋庭智也さん(50)。元々、冬山が好きで、田舎暮らしに憧れをもっていたため、母親の故郷でもある陸別町を第二の人生を送る場所に決めました。
窓は分厚いガラスの二重窓。さらに、新聞紙を詰めて隙間風を防いでいます。玄関は分厚いガラスの特注品に買い替えるなど、家には様々な防寒対策を施してきましたが、今年の寒さには困惑しています。
秋庭さん:「年末に家を空けたんですよ。そしたら、すごく凍っちゃって、色んな所が」
室内の温度が氷点下となってしまい、風呂場からトイレまで。家の至る所が凍ってしまったのです。妻と一緒にドライヤーで水道管の氷を溶かす作業に追われました。
秋庭さん:「10年生活してますけど、一番寒いですね。しばれてます。陸別の寒さは本気出すと、これかよみたいなところはありますね」
■観光客が続々 外国人も「時間を忘れるほど面白い」
寒さも日本一となると、観光客もやってきます。
北海道内から:「寒いで有名なんで、どのくらいいくのかなと思って。寒さがささりますね」
女性は一心不乱にタオルを振り回しています。
宮城県から:「(Q.どれくらい回しているんですか?)2分くらいです」
濡れたタオルをさらに回していくと…。
宮城県から:「あ、立った!これをやりたかった。すごい、立った。(宮城県は)全然雪が降らないので、怖い思いをしてきました。寒いですね、すごい寒い」
外国人観光客の姿もありました。
韓国人留学生・オさん(25):「冬にマイナス30℃に下がる、韓国で体験したことありませんので。運が良ければ、オーロラも見られるってことで来ました」
去年、日本に留学してきた韓国人のオさん。普段は東京の学校に通っています。韓国でも体験したことがないという初めての寒さに思わず…。
オさん:「寒いですね。こっちが氷になってしまうかもしれません。鼻水も出て…・あぁ寒い」
5枚着込んで寒さ対策をしてきたといいますが、手袋は着けておらず、靴はスニーカーのため雪道を歩くのは大変です。
1時間歩いて宿泊先に到着すると、夜にはお目当ての天文台へ。陸別町は寒さのほかに、星空がきれいなことも魅力の一つ。過去には、何度もオーロラを観測しています。
オさん:「時間が過ぎるのも忘れるほど面白いです。憧れの日本に来て、私が思っていた日本だった。涙が出るほど美しかった。聞いた通り、一番寒い所。こういう所は、ちゃんと(防寒)準備して来て下さいませ」
■「しばれフェスティバル」来月開催 南国からも
この週末から町では、本格的な寒さが訪れる来月に開催予定の“しばれフェスティバル”の準備が始まっていました。
「しばれフェスティバル」・渡邊祐哉実行委員長:「台湾とか鹿児島の遠方から来てくれる人もいて。楽しんでくれるようなイベントになればいいのかなと」
(「グッド!モーニング」2023年1月9日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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