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妊婦スナイパー・戦場料理人・“アナ雪”少女 ロシア軍事侵攻で人生一変した人々(2022年12月24日)
戦時下でクリスマスを迎えるウクライナ。
首都キーウではこの時期、マイナス10度になることも。
冬が厳しさを増す中で、停電も深刻化しています。
ロシア軍によるエネルギー施設への攻撃が続き、「今後2、3週間は、1日20時間近い停電を余儀なくされる」との見通しも示されました。
この状況の中で、出産を控えている女性兵士がいます。
エフゲニアさん、32歳。
(エフゲニアさん)
『戦時下でも平和な時でも、出産は不安です。お湯を沸かしたり、料理を温めるためにガスバーナーを買いました』
首都キーウで宝飾の仕事をしていた時、突然、ロシアの軍事侵攻が始まりました。
すると…
(エフゲニアさん)
『良いニュースです。やっと自分の銃が手に入りました。これが1つ目、2つ目』
エフゲニアさんはウクライナ軍の「スナイパー」として、戦闘の最前線へ向かいました。
仲間が次々と命を落とし、自身も命の危険にさらされ続けた半年間だったと言います。
(エフゲニアさん)
『仲間と3人で5日間、前線に行った時は、激しいミサイル攻撃を受けました。その時はもうダメ、全員死ぬと思いました』
なぜ自ら戦う決断をしたのでしょうか?
(エフゲニアさん)
『私は戦争が始まる前から、弱い者を守ろうとしてきました。自分の正義を信じています』
思いがけない出会いもありました。
エフゲニアさんは最前線で出会った兵士と結婚。
式を挙げた場所は、当時、ロシア軍から奪還したばかりのハルキウです。
さらに、お腹に新しい命が宿りました。しかし…
(エフゲニアさん)
『私は自分自身とウクライナの人々に最後まで戦うと約束していたので、自責の念に駆られていました』
結局、エフゲニアさんは、妊娠2か月になるまで、夫にもそのことを打ち明けずに、戦い続けました。
現在はキーウに戻り、ウクライナ軍のサポートをしながら、来年4月の出産へ向け、準備を進めています。
(エフゲニアさん)
『多くのウクライナ兵が次の世代や子供たちのために命を捧げました。産まれてくる娘には悲しみや痛みのない明るい世界を見せてあげたいです』
現在もロシア軍との激しい攻防が続く、ウクライナ南部・ザポリージャ。
この最前線で停電との戦いを続ける料理人もいました。
ゼーニャさん、37歳です。
5月以降、軍用施設の厨房で、ウクライナ兵や住民の胃袋を支えています。
砲撃は連日続き、厨房もしばしば電力不足に。
(ゼーニャさん)
『これが“プランB”です。ガスを代用します』
首都キーウで、20軒以上の飲食店を営んでいたゼーニャさん。
侵攻前までは、ある計画があったといいます。
(ゼーニャさん)
『香川県でラーメンの調理法を学び麺作りの修業をするつもりでした』
戦場の料理人は常に不足していて、1日16時間、1人厨房に立ち続けた時期もあると言います。
(ゼーニャさん)
『いくら敵を国境まで追いやっても、そこで安全を確保する兵士たちに食事を届ける必要があります。私にはたくさんの仕事が残っているんです』
一方、ロシアの軍事侵攻を機に歌声が世界中に拡散した少女。
現在は夢と現実の間を揺れ動いていました。
12月18日、サタデーステーションが向かったのは、クリスマスシーズンを迎えた、ウクライナの隣国・ポーランド。
(青山ななみディレクター リポート)
『こちらポーランドの国立銀行なんですが、窓を見てみると、一面がウクライナ国旗になっています』
首都ワルシャワの郊外で避難生活を送るアメリアさん、8歳のもとを訪ねました。
その歌声が世界に知られるようになった、ウクライナの少女です。
ロシア軍の侵攻開始から3日。
キーウの防空壕に避難していたアメリアさんは、周りの人たちを勇気づけるために歌を披露。
ウクライナを象徴する存在になりました。
6月、アメリアさんは、ワールドカップ出場を目指していた、サッカーウクライナ代表のために国歌を独唱。
これまでに4カ国、25回のコンサートで歌声を披露しています。
(アメリアさん)
Qストレスは感じない?
『全然!コンサートが無い方がストレスだわ』
アメリアさんの大活躍について、母・リリヤさんは…
(アメリアさん)
『もちろん母親としては嬉しいです。10億人に1人くらいの幸運だと思っています。その一方で、心に穴が開き、絶え間ない痛みを毎日感じています。命を落とした一人一人を知っているわけではありませんが、毎日、涙が流れます』
ウクライナに残っている父と兄とも、離れ離れの生活が続いています。
(母・リリヤさん)
『早くみんなでクリスマスツリーを飾り付けたい』
この2日前には、首都キーウで、過去最大規模の砲撃があったばかりでした。
(アメリアさん)
『パパにすごく会いたい。お兄ちゃんと猫ちゃんにもすごく会いたい』
Qキーウに戻るのは怖くない?
『怖くない。行きたい。ウクライナのステージで、私たちの勝利を讃えて歌いたい』
(青山ななみディレクター リポート)
『ワルシャワ郊外にあります、こちらの文化施設で、今夜アメリアさんも出演するチャリティーコンサートが開催されます』
現在も、アメリアさんに歌ってほしいというオファーが各地から届き続けています。
アメリアさんが、最近、披露するようになった歌があります。
「母なるウクライナ」。作詞はアメリアさんの母親です。
(母・リリヤさん)
『娘の歌には、大人では開けられない心の扉を開ける力があると信じています。私たちがやっていることは、決して無駄にならないと信じています』
『母なるウクライナ 私の故郷
一番優しい太陽は 頭の上で輝きます
一番大きい川は 道を切り開きます
地球には美しい国がたくさんあるけれど
私はあなたが一番美しいと思います
ウクライナ 私の故郷 』
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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