タクシー不足も“忍者不足”も オーバーツーリズムに揺れる京都(2023年4月29日)

タクシー不足も“忍者不足”も オーバーツーリズムに揺れる京都(2023年4月29日)

タクシー不足も“忍者不足”も オーバーツーリズムに揺れる京都(2023年4月29日)

29日、京都で忍者の修行に励んでいたのは、6人の外国人観光客です。伊賀流忍者の田中さんから、手裏剣や吹き矢など、2時間みっちり指導を受けました。

(ニュージーランドからの観光客 エリくん(12))
『楽しかった!忍者修行、気に入りました』

大盛況の忍術道場。しかし、最近、“忍者不足”に悩まされていました。

(NINJA DOJO and STORE 市川伊蔵 代表)
『コロナが始まったころに12人いたスタッフが8人に減った。田中さんの場合だと、1週間のうち6日入っている状況』

日本を訪れる外国人の数は、3月の段階で、コロナ前の7割近くまで回復。さらに、ゴールデンウィークを迎え、日本人観光客も増えています。懸念されているのが、観光客が急増したことで起きる弊害、いわゆる「オーバーツーリズム」です。

▼オーバーツーリズム1 飲食店の混雑

先ほど、忍者の修行を終えたエリくんたちは、家族6人で昼食をとる場所を探すのに一苦労。

(ニュージーランドからの観光客 シャーリーさん)
『6人が座れる席がなかったの』

京都市内の飲食店には行列ができることが多く、地元市民の中には、外食を諦めているという人もいました。

(京都市民)
『人が多いので家で作って食べています。(外食は)並ぶので、かなり時間かかるので、それだったら家に帰って食べた方がいいかなと』

▼オーバーツーリズム2 タクシー不足

京都市内では、タクシーが捕まりにくい状況も続いています。

(青山ななみ ディレクター)
『皆さん木陰で雨宿りをしながらタクシーを待ってます』

(韓国からの観光客)
『もう15分以上待っています。傘も持ってきていないんです』

28日にタクシー会社を訪ねてみると…

(オペレーター)
『ごめんなさいね。まだお車のほう、手配中なんです』
『ちょっと空車が出次第になりますので…』

1日およそ2000件ある配車依頼のうち、400件に対応できていない状況だと言います。

(オペレーター)
『11時27分にお客様から電話いただいた。今は11時55分でしょ?それでもまだ車が決まっていない』

一方、外を案内してもらうと…

(都タクシー 筒井基好 社長)
『これ車庫です。今、車たくさん余ってますでしょ?運転手さんが不足してるから』

コロナ前に、およそ400人いた運転手は、現在、300人ほどにまで減少。およそ70台のタクシーが使われないままの状態で、1台につき年20万円以上の維持費がかかっていると言います。

(都タクシー 筒井基好 社長)
『(運転手を)たくさん採用したいけど、なかなか人が集まらない。人材採用にも今までにないくらい、力とお金をかけてやっている』

タクシーだけではありません。

▼オーバーツーリズム3 バスの混雑

(青山ななみ ディレクター 28日)
『午後1時すぎの京都駅前です。バス停の前に長蛇の列ができています』

およそ120人が祇園行きのバスを待っていました。

(京都市民)
『人が多いから電車とかバスがすごく大変。ベビーカーでは乗れないです。迷惑かなって考えちゃうんで』

京都市はオーバーツーリズム対策として、バスの一日乗車券の廃止を決定。地下鉄の利用を促す取り組みを続けていますが、この状況の中で、中国からの観光客がさらに増える可能性も出てきています。

(中国からの観光客 @成田空港)
『食べ物も大好きだし、日本のすべてが好きなんです』

中国でも、きょうから5連休が始まり、のべ2億4000万人が旅行する見通しです。連休中の海外旅行に関する調査では、日本が2番目に人気の旅行先となっています。日本へ観光にきた外国人1人あたりの消費額は、コロナ前より3割ほど増加しており、さらなる“爆買い”にも期待がかかります。ポーランドから来た2人は、2週間の滞在で、1人あたり50万円使う予定だと言います。

(ポーランドからの観光客)
『緑茶だけで1万7000円分買いました。ポーランドでは日本のように美味しい緑茶を買えないんです』

プラモデルを10個購入したアメリカ人夫婦もいました。

(アメリカからの観光客)
『孫がアメリカでガンダムの話をしていて、買って帰るよと約束したんです。孫全員にガンダムを買いました』

“爆買い”への期待と、オーバーツーリズムへの不安が入り混じるゴールデンウイークになりそうです。

サタデーステーション 4月29日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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