「自主隔離」物件の利用急増 濃厚接触者の“待機短縮”は・・・国会でも期間見直し論戦(2022年1月25日)

「自主隔離」物件の利用急増 濃厚接触者の“待機短縮”は・・・国会でも期間見直し論戦(2022年1月25日)

「自主隔離」物件の利用急増 濃厚接触者の“待機短縮”は・・・国会でも期間見直し論戦(2022年1月25日)

東京都の新型コロナ新規感染者は25日、1万2813人と過去最多を更新しました。大阪府でも過去最多となる8612人が感染、10人が亡くなりました。

全国でみると、過去最多を更新したのは29の都府県に上ります。新規感染者は初めて6万人を超えました。先週火曜日の約2倍です。

政府は25日夜、まん延防止等重点措置の対象に、大阪など18の道府県を加えることを正式に決定。これで、措置が適用される都道府県は、全国の7割を超える34に拡大します。

先週、「ステイホームなんて必要ない」と発言した政府分科会・尾身会長は、今後求められる対応について、こう述べました。

尾身会長:「私が申し上げた『ステイホーム』は、8割削減とか、みんな家に居て街が空っぽになるような『広範で一律の外出自粛は必要ない』と申し上げた。これから社会機能の維持をするわけで、当然、外出しなくちゃいけない人がいる。今は感染リスクが高い所は分かっているので、そういう所への外出は控えてくださいということ。知事によって8割削減じゃないけど、必要であると判断されたなら、それはぜひ協力して頂きたい」

一方、政府の対策をめぐり、専門家の間で意見が割れる場面もありました。

後藤厚生労働大臣は24日、濃厚接触者に発熱などの症状が出た場合、検査なしでも医師の判断で感染と診断できるようにする方針を示しました。あくまで、感染がさらに拡大した場合のやむを得ない措置だということですが、専門家からは、こうした声が上がっています。

尾身会長:「どんなに医療がひっ迫しても検査がひっ迫しても『一人ひとりケアをするのが医療の根本ではないか』『受診しなくていいとかは、やっぱりすべきじゃない』そんなことをすると、みんな『え?我々見放されたのか』となる。そういう意見もあった。(自宅療養の)サポートを今から考えておくのが、これからの研究課題」

感染者の増加に伴い、濃厚接触者も急増しています。都内にあるワンルームマンションでは、濃厚接触者となった人が自主隔離する目的で、部屋が貸し出されています。

この事業を展開する会社は、コロナ以前は民泊事業を手掛けていました。インバウンド需要の激減から、一時帰国者などに部屋の貸し出しを始めましたが、ここ2週間で「自主隔離に使いたい」という要望が急増したといいます。

マツリテクノロジーズ・加藤拓真さん:「ご家族で住まれていて、旦那さんが濃厚接触で『濃厚接触の濃厚接触になるかもしれない』というケースとか『自分が濃厚接触です』というケースがほとんどですね」

濃厚接触者向けに確保した50室も、すぐ入居できるのは残り3部屋ほどです。

マツリテクノロジーズ・加藤拓真さん:「(Q.次に入るとなるとこちらですか)ここはお断りというか、ご案内しない日程ですね。(Q.どうしてですか)万が一(入居者が)陽性になったら、後の日程を長めにとらないといけない。そういったところは、最初からご案内しないようにしています」

利用しているのは個人だけではありません。都内に本社を置く製造業の会社では、ベトナム人技能実習生の寮で陽性者が出たため、部屋を借りました。

自主隔離の部屋を利用する会社:「最初はホテルとか帰国者を受け入れているところとか、そういうところを片っ端からあたったんですけど、濃厚接触者を入れてくださるところが1件も見つからなくて、わらをもすがる思いで電話したところ『濃厚接触者の方、全然大丈夫です』と言ってくださって」

会社では従業員全員を濃厚接触者とみなし、10日間の休業を決めました。

自主隔離の部屋を利用する会社:「社員にも家族がいて、その命を預かっている状態。理想は10日間という自主待機が一番良いと思うんですけど、5日間で抗原検査をして大丈夫だったら出社していいとか、何かもう一段階進んだ現実に即したことを考えて頂けたらありがたい」

国会では、その濃厚接触者の待機期間をめぐり、論戦が交わされました。

立憲民主党・山井衆院議員:「このままいったら日本の社会、大混乱しますよ。これはリスクもあるんですよ。最後は政治判断にならざるをえないんですよ。この現状は放置されるんですか」

岸田総理:「『放置するのか』という質問に対しては、放置は致しません」

立憲民主党・山井衆院議員:「放置しないんだったら、濃厚接触者の待機期間は短くするということでいいですか」

岸田総理:「放置しない。検討すると申し上げております」

立憲民主党・山井衆院議員:「分かりますよ『検討」と答えたいのは。でも私たちも方向性を出してほしいと思って国会審議をしている」

岸田総理:「方向性は、短縮の方向で検討すると再三申し上げております。その方向で検討致します。一定のリスクは伴うものだというなかで、どこまで国民の皆さんの安心という観点からいって適切なのか、これを政府として政治として、しっかり判断をしたいと思っています」

立憲民主党・山井衆院議員:「今週中に結論を出して頂けませんか」

岸田総理:「国民の命、安全がかかった問題です。期限を区切って申し上げることは控えなければならない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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