【防衛増税】「議論が生煮え」自民党内で反対の声も 委員長一任で決着(2022年12月15日)

【防衛増税】「議論が生煮え」自民党内で反対の声も 委員長一任で決着(2022年12月15日)

【防衛増税】「議論が生煮え」自民党内で反対の声も 委員長一任で決着(2022年12月15日)

 防衛費増額の財源を巡る自民党内の議論が15日、最大のヤマ場を迎え、午後3時から始まったすべての議員が参加できる会議が午後に終わり、委員長に一任することで決着しました。

 15日朝の自民党税制調査会の幹部会合には、いつもはない人の姿がありました。松野官房長官です。

 松野博一官房長官:「おはようございます」「政府としては、我が国を巡る安全保障環境が厳しさを増しているなか、防衛力強化の内容とそのための予算と財源を一体として、年内に決める方針で取り組んでいるところ。あすまでに大綱をまとめて頂けるよう何とぞご理解ご協力をお願い申し上げます」

 与党の税制改正大綱。当初は15日にも取りまとめられることが想定されていました。

 自民党・宮沢洋一税調会長:「(Q.今週中、またはあすに取りまとめに向けて?)そうですね。小委員会でいろんな意見があると思いますけど、何とか納得して頂かなければと思います」

 ここ数日、「いろんな意見」が出ていました。

 自民党・牧原秀樹衆院議員:「きょうの段階でも〇%とか、〇年間とか数字も入っていない。それを土台にして明日決めろとか、あと数日で決めろというのは、我々としても国民に説明がつかない」

 自民党・三原じゅん子参院議員:「大事な核となるところは全部、〇%〇年となっている。それでどうやって議論をしていったらいいのかも分からない」

 午後の税制小委員会を前に、自民党の議員8人が会合を開きました。

 自民党・高鳥修一衆院議員:「まだまだ我々は議論が生煮えだと。生煮えにもひょっとしたらなっていないかもしれないですね」

 自民党・和田政宗参院議員:「有権者の方々は、防衛費の増額の必要性は分かっていても、なんで復興特別所得税に手をつけるのか」「(Q.小委員長、会長一任には反対)もちろんです。一任なんてこの状況でありえない」

 午後3時から始まった税制小委員会。

 自民党・税制調査会、塩谷立小委員長:「(防衛費)財源問題につきましては、3日続けての議論となりますが、総理の年内決定の発言を踏まえて、しっかりとした建設的な議論ができればありがたいなと思います」

 出席した議員は…。

 自民党・石破茂元幹事長:「来年に法改正を出すわけではないので、もう1年かけて中身は議論しようということ。先延ばしとは言わないが、法人税、所得税、そしてたばこ税の組み合わせ、メインは法人税という形だと思います」

 防衛費増額の財源は、法人税を軸に、たばこ税も加熱式たばこを増税します。また復興特別所得税については、税率を1%引き下げて期間を延長。そのうえで、税率1%の「防衛目的税」を新たに創設します。実施時期は「2024年以降」と、あいまいな表現にとどめています。

 自民党・宮澤博行副幹事長:「私は現時点において、増税を決めるというのはよろしいことではないと思っています。幹部の先生方も時期に関しては柔軟な表現をしてくださいましたので、無期限延期、防衛増税、無期限延期、そういったことで納得したところです」

 自民党・宮沢洋一税調会長:「要点はピン止めしてありますが、税法が書けるだけの材料が固まったわけではない。ということは、今年の通常国会に法案を出すことはできないということ。そしてそれ以外の細かなこと、詳細設計もやっていかなければならない。これは来年の税調において、詳細を決定して法案の形にしていくということを来年やらせて頂こう。こういうことを決めさせて頂きまして」

 「防衛増税」は降って湧いたように出てきた話です。

 50代:「なんか急ですよね。すごく早い。もっとちゃんと精査して決めたのって」
 30代:「子育て世帯としては、防衛費より子育て支援のほう。迅速さというか、そのあたりが今回はすごく早く決まった。その違いは何なのかなって」
 70代:「全然ないんだもん。説明が。僕らなんか年金暮らしだから、やっぱり悩むのよ。お金1円出すにしても」
 80代:「言語道断だよ、あんなの。復興税を防衛費に回すなんてとんでもない話じゃない。それで延長するんでしょ。俺も東北人だけど許せない」

 増税対象とされる加熱式たばこを吸っている人は…。

 加熱式たばこを吸っている人:「少しでも我々の煙が国防に貢献できれば。嫌煙家の方も我々に優しい目を向けてほしい」

 増税を巡っては、岸田総理が発言したとされたものが大きな批判を呼んでいました。

 自民党・茂木幹事長:「(岸田総理の発言を紹介)責任ある財源を考えるべきであり、今を生きる国民が自らの責任として、しっかりその重みを背負って対応すべきものである」

 茂木幹事長の会見は、自民党のホームページにも記載されているのですが…。「国民が自らの責任として」ではなく「我々が自らの責任として」と記されていました。14日の夜、書き換えられたのです。

 松野官房長官:「自民党の記者会見において、総理の実際の発言と異なる紹介がされたことに、きのう総理秘書官が気付き、訂正を求めたものと聞いています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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