総資産1000億円企業の親会社を“乗っ取り” 「偽情報見抜くの難しい」司法書士が警鐘

総資産1000億円企業の親会社を“乗っ取り” 「偽情報見抜くの難しい」司法書士が警鐘｜TBS NEWS DIG

1000億円相当の資産がある韓国の消費者金融を乗っ取るため、親会社の役員登記を書き換えたとして男女6人が逮捕された事件で、東京地検はきょう6人を起訴しました。その巧妙な手口とは…

捜査員に先導され歩く高齢の男。主犯格とされる会社役員の石井実成被告（72）です。石井被告ら男女6人は、きょう起訴されました。問われているのは、ある会社の“乗っ取り”。1000億円相当の資産を持つ韓国の消費者金融「三和貸付」の親会社「ユナイテッド」でした。

石井被告（供述）
「ユナイテッド社を金永殷被告（61）に60億円で売るつもりだった」

石井被告は乗っ取ったユナイテッド社を金被告に“売却”しようとしていたといいます。その巧妙な手口とは…

記者
「石井被告らは、こちらの東京法務局新宿出張所に実際には行われていない株主総会の議事録や偽の株主リストなどを提出したということです」

法務局は、こうした偽の情報をもとに登記の書き換えを認めたといいます。これが、書き換えられた会社の登記簿。ユナイテッド社の代表取締役だった山田氏は去年11月に死亡していますが、その後、代表取締役として登記されたのが「山田博」という人物。しかし、山田博被告（73）も犯行グループの一味でした。

石井被告（供述の趣旨）
「死亡した社長と同じ名字の山田被告に息子のふりをさせ、会社を相続したと登記」

司法書士は、「法務局側が偽の情報だと見抜くのは難しい」と指摘します。

杉山事務所小林拓矢司法書士
「形式上、それらしい株主総会の議事録が提出された場合にそういうことが本当にあったと思われてしまうので気付くのは難しい。いちいち1人1人呼んで審査をすることは無い」

石井被告らは、こうした審査の抜け道を見抜いて犯行に及んだのか。全容の解明は、法廷に移ります。

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