ツタンカーメンの墓 発見から100年…「世紀の大発見」もう1人の立役者“12歳の少年”(2022年11月8日)

ツタンカーメンの墓 発見から100年…「世紀の大発見」もう1人の立役者“12歳の少年”(2022年11月8日)

ツタンカーメンの墓 発見から100年…「世紀の大発見」もう1人の立役者“12歳の少年”(2022年11月8日)

 エジプトでツタンカーメンの墓が発見されてから100年を迎え、記念式典が開かれた。「世紀の大発見」とされるツタンカーメンの墓だが、その発見は偶然の産物だったという。

■ツタンカーメンの墓 発見から100年

 「黄金のマスク」が世界的に有名なツタンカーメン。3000年以上前、9歳で王に即位し、19歳で死去したとされる。

 1922年11月4日、墓が発見され、世界中が注目した。

 墓の中には、棺(ひつぎ)や黄金のマスクなど5000点を超える副葬品が眠っていて、当時の文化などを知る大きなきっかけにもなった。

 発見から100年。エジプト・ルクソールで記念式典が開かれた。

 エジプト考古最高評議会 ムスタファ・ワジリ事務局長:「ツタンカーメンの墓の発見から100周年を迎えます。イギリス大使館、アメリカ大使館、研究センターなど、ご参加の一人ひとりに感謝します」

■世紀の大発見 立役者は“12歳の少年”

 ツタンカーメンの墓の発見という世紀の大発見を成し遂げたのは、イギリスの考古学者、ハワード・カーターなのだが、実はその歴史の影に、もう1人の立役者がいたという。

 カーターは「王家の谷」で6年間にわたって発掘を続けるも、何も発見できておらず、支援者から資金援助の打ち切りを伝えられたという。

 そんなカーターを救ったのは、カーターに同行し、ロバで水がめを運んでいた12歳の少年だった。

 援助が切れる寸前の1922年11月4日、ロバから水がめが落ちそうなことに気付いた少年がひもを結び直すため、いったん水がめを地面に置いたその時、かめの底に何か硬い物がぶつかった。

 不思議に思った少年が、持っていたつるはしで地面を掘ったところ、なんと階段が現れた。これこそが、ツタンカーメンの墓の入り口だったのだ。

 支援者 アディナ・サビン氏:「ハワード・カーターとツタンカーメンの物語をもっと知りたい人にとって、この地が文化の中心であってほしいです」

■「大エジプト博物館」建設中 展示数約10万点

 世紀の大発見となったツタンカーメンの墓だが、その黄金のマスクなどは現在、引っ越し中なのだ。

 その引っ越し先が現在、建設中の「大エジプト博物館」。ギザのピラミッドから2キロに位置し、エジプト大統領府によると、展示施設が中心の博物館棟と巨大な多目的ホールやシアターなどを備えた会議棟に分かれていて、博物館棟の総面積は9万2623平方メートル。展示される文化財の数はおよそ10万点と、世界最大規模を誇る予定だ。

 ちなみに、フランスのルーブル美術館の展示面積はおよそ7万平方メートルで、展示品の数は3万6000点ということで、いかに大規模な博物館かが分かる。

 エジプトのアル・アナニ観光・考古相は、おととしの段階で「建設は90%が完成している」と話していて、文化財も続々と移されている。

 去年には全長42メートル、重さ20トンのクフ王の「太陽の船」を移送する大規模なプロジェクトも実施されていた。

■「ロゼッタ・ストーン」返還呼び掛けも

 そんななか、もう1つ進められているのが文化財返還を求める動きだ。

 2020年、アル・アナニ観光・考古相は「イギリスなどの博物館と交渉し、エジプトから持ち出された文化財を返還させることが決まっている」とAP通信の取材に答えていた。

 またロイター通信によると、1799年にエジプト北部でナポレオンの軍隊により発見され、現在イギリスの大英博物館に展示されている「ロゼッタ・ストーン」についても先月、エジプトの考古学者らが大英博物館に対し、返還するよう改めて呼び掛けを行ったという。

 大英博物館側は「政府からの正式な要請はない」と話しているというが、返還されれば大エジプト博物館の大きな目玉の一つになるとみられ、その行方が注目されている。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年11月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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