【韓国雑踏事故】手足つかみ「助けて」…目撃者の証言 「対応不十分」警察トップ謝罪(2022年11月1日)

【韓国雑踏事故】手足つかみ「助けて」…目撃者の証言 「対応不十分」警察トップ謝罪(2022年11月1日)

【韓国雑踏事故】手足つかみ「助けて」…目撃者の証言 「対応不十分」警察トップ謝罪(2022年11月1日)

 韓国・梨泰院(イテウォン)で発生した事故を巡り、新たな証言です。次々と人が倒れる直前に「押せ、押せ」という事故を誘発する声が聞こえていたといいます。さらに多くの犠牲者を出した原因として指摘されている、圧着性窒息死とは。

 尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長:「事故が発生する直前に、現場の危険を知らせる緊急通報が多数あったことを確認しました」

 日本人2人を含む156人が犠牲になった、ソウルの梨泰院で起きた雑踏事故で韓国警察庁のトップが謝罪しました。

 尹熙根警察庁長:「事故発生以前から多くの群衆が集まり、事故の危険性を知らせる緊迫した内容でした。…にもかかわらず緊急通報を処理する現場の対応は不十分だったと判断しました」

 事故から3日経った1日、新たな事実が分かってきました。

 事故当時、「押せ!押せ!」と声を上げる人物がいたようです。

 事故現場にいた人:「人ごみの中から『押さないで下さい』という声が聞こえていたのに、後ろから『おい、押せ!押せ!』と言ったんです。僕たちは後ろから『押すな』と言い続けたのに(人が)押し寄せてきたんです。だからドミノのように皆倒れたんです。僕が救助している最中にも、皆さんが(僕の)手足にしがみついてきたんです。僕は一人だから、どうすることもできなかったんです…。僕の手足を捕まえて『助けて』と…」

 韓国メディアによると、事故発生3日前、地元の警察署が混雑による事故の危険性を指摘。報告書も作成されましたが、具体的な対策が講じられることはなく、今回の惨事が引き起こされた可能性があるとのことです。

 当時、梨泰院には警察官が137人が現場に派遣されていましたが、雑踏警備に回ったのはわずか32人。

 事故当日は10万人を超える人が集まっていたとみられています。

 警察庁・凶悪犯罪捜査課長:「犯罪予防や違法取り締まりを中心に警察を配置して備えていた」

 100人近くの警察官が警戒していたのは、性犯罪や窃盗などであり、雑踏の警備は十分ではなかったようです。

 尹熙根警察庁長:「警察は今回の事件の真相を明確にし、責任を究明するために、すべての部分について例外なく強力な監察と捜査を迅速かつ厳密に進めます」

 地元メディアによると、ソウル警察庁はSNSや付近に設置された防犯カメラ52台を分析しているということです。

 現場では原因究明の動きが本格化しています。

 死者が集中したメインストリートへと続く上り坂。幅は3.2メートル、長さおよそ40メートルです。ここに上からも下からも人が流れ込んでいくなかで事故が起きたとみられています。

 韓国メディアは警察関係者の情報として、坂の中間付近のおよそ18平方メートル、わずか11畳ほどの広さに300人以上が折り重なり、死傷者が集中したと伝えています。

 また、折り重なる前から圧着性窒息死が起きたとしています。専門家は、その恐怖を語ります。

 大阪工業大学、工学部建築学科・吉村英祐教授:「肺を膨らまそうとしても、膨らまない。呼気ができない。空気が吸えないという状態がずっと続く」

 立ったまま気を失ったという証言もあった、すさまじい圧力。大阪工業大学が行った実験では1平方メートルに14人という高密度になると、1人に対して90キロから100キロの圧力が掛かっていることが分かっています。

 ただ、今回の事故は18平方メートルに300人以上。1平方メートルあたり16人以上という計算です。

 大阪工業大学、工学部建築学科・吉村英祐教授:「1人あたり、約200キロを超える。到底息もできない密度におそらくなっている。何もできない。自分の意思が全く通らないようになってしまう。一番起こりやすい所で起きてしまった」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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