【ブラジル大統領選】決選投票あと2日 注目争点「銃規制」…支持者同士“銃撃戦”も(2022年10月28日)
あと2日と迫ったブラジル大統領選挙の決選投票。ボルソナロ氏とルラ氏の舌戦が繰り広げられている。そんななか、争点の一つとなっているのが、銃規制の問題。最近では、ボルソナロ氏の支持者とルナ氏の支持者による銃撃戦も起きている。
■初テレビ討論会で“非難合戦”
ボルソナロ大統領:「ルラ候補は、アマゾンの自然をブラジル国民のものとは言わずに、世界と共有しようとしている」
ルラ元大統領:「コロナのパンデミック期に、あなたは国民を気に掛けなかった」
今月30日に行われる、ブラジル大統領選の決選投票まで、あと2日と迫っている。
決選投票に向けた初のテレビ討論会では、両者の熱い戦いが繰り広げられた。
発言する場所は設けられていたものの、ボルソナロ氏がカメラの前まで来てアピールするという先手を打つと、負けじとルラ氏もじりじりと前へやって来る。
すると、ボルソナロ氏も我慢できずに、ルラ氏の後に詰め寄ってくる。互いに前へ前へと出ながら相手を非難し続けた。
ルラ元大統領:「ボルソナロ大統領、あなたは嘘をつき続けている。私がこの国の統治者として戻ってくるだろう。
ボルソナロ大統領:「あなたは汚職のため金を捨てた。あなたの政権では腐敗が広がっていた」
■“銃規制問題”支持者が銃撃戦
選挙戦も終盤に入った24日、ルラ氏はサンパウロで、大勢の支持者を前に演説を行った。
ルラ元大統領:「この選挙は、民主主義と野蛮主義の闘いだ。ブラジル国民の尊厳を取り戻すための闘いだ」
加熱していく選挙戦。そんななか、今ブラジルで問題となっているのが、銃規制についてだ。
最近では、ボルソナロ氏の支持者と、ルラ氏の支持者による銃撃戦が繰り広げられた。
銃規制を巡る両者の意見は、大きく分かれている。
■「合法的登録証」登録者数“5倍に”
大統領選の争点の一つとなっている銃規制についてみていく。
ボルソナロ氏は2019年の大統領就任以来、銃規制を緩和してきた。
アメリカメディアによると、ブラジルで銃を所持するには、連邦警察を通して個人防衛のための武器所持を申請する方法と、陸軍へ「CAC」申請する2通りがあるという。
このCACとは、収集家やスポーツ射撃手、漁師が合法的に銃を購入できる登録証のことだそうで、ボルソナロ大統領は連邦警察よりもC、ACのほうが取得しやすくする大統領令を出していた。
現地NGOによると、CACの登録者は、今年の7月時点で67万3000人で、ボルソナロ政権発足前に比べておよそ5倍になったという。
■南米最大の犯罪組織 CAC使い銃入手
このCACを使って入手した銃で、事件に発展するケースもある。
現地メディアによると、今月、高校で15歳の男子生徒が銃を乱射し、同級生3人が負傷する事件が発生したといい、使用された銃は別の人物がCACを使って入手したものだったそうだ。
またロイター通信は、連邦政府職員の話として、南米最大の犯罪組織「PCC」がCACを使い銃を手に入れているという。
■“銃規制”緩和の背景 専門家は…
ボルソナロ大統領は、今回の大統領選の公約として、「銃を入手することは治安政策や命の保護に役立つ重要な要素で自衛権などを強化する」という。
一方のルラ元大統領は、「人々は何の障壁もなくCACを使い、好きな時に好きな銃を購入でき、この国はかつて経験したことのないような野蛮な方向に向かっている」として規制の強化を訴えている。
これまで現地で大統領選を取材していた東京外国語大学の舛方周一郎講師は、ブラジルが銃の規制緩和をしている背景について、「凶悪事件を防ぐには長期的に見れば教育の問題や格差の是正、貧困問題など対策が必要なのだが、長らく改善できていない現状があるので。短期的に見て、抑止力がある銃の規制の緩和に走っているという状況がある」と分析している。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年10月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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