【独自】訪日観光客が急増…“水際防衛の要”禁止品持ち込み阻止 「検疫探知犬」活躍【もっと知りたい!】(2022年10月27日)
今月から始まった入国緩和で今、日本を訪れる外国人観光客が急増しています。日本への禁止品の持ち込みを阻止する“水際防衛の要”を取材しました。
■訪日客が急増…“禁止品”持ち込みに懸念
東京の空の玄関口・羽田空港。ここでは昼夜を問わず、水際の攻防が繰り広げられています。
外国からの入国者の増加で懸念されるのが、禁止品の国内への持ち込みです。
農林水産省 動物検疫所 羽田空港支所・三上雅夫次長:「肉製品などを介しまして、口蹄疫(こうていえき)やアフリカ豚熱といった、悪性の家畜の伝染病が持ち込まれてしまう可能性がある」
海外では、家畜の伝染病「アフリカ豚熱」が相次いで発生。果物などに付く害虫の発生地域も拡大しているため、農水省は、肉製品や野菜、果物などの持ち込みを厳しく制限しています。
■“検疫探知犬”活躍!…マンゴー4つ発見
入国管理場では早速、荷物の返却が行われています。今回、特別に取材の許可を得たエリアです。
審査を通った入国者がやってくる手荷物受け取り場。その一画で、にらみをきかせているのが、検疫所です。
国内に持ち込めない、あるいは証明書の添付がない、肉製品や野菜・果物などを持ち込んでいないか確認します。
そこで活躍するのが、「検疫探知犬」と呼ばれるビーグル犬。肉製品や果物などの臭いを嗅ぎつけると、職員にお座りして教えるように訓練されています。
入国者の荷物をくまなく嗅ぎ回る探知犬。すると、その時、反応したのは、仕事のためフィリピンから来日した女性のスーツケース。同意を得て荷物の確認を行うと、缶詰や菓子は持ち込みが禁じられていない物が出てきましたが…。
職員:「これだけ?」
女性:「はい」
職員:「お肉とかもないですか?」
女性:「ない」
しかし、スーツケースの中からは、袋に入った4つのマンゴーが出てきました。持ち込みが禁止されているため、廃棄処分されることになりました。
フィリピンから来日した女性:「マンゴーを入れたのを忘れていました」「(Q.なぜ、マンゴーを持ってきたのか?)長く日本に住んでいる友達に頼まれました。持ち込めないことは知りませんでした」
■“2.5キロの肉”“1.5キロの食料品”発見
ビジネス目的でカンボジアから来日した女性。スーツケースからは、ラップなどにくるまれた荷物が5つ出てきました。
職員:「知らないの?」
女性:「準備して…」
職員:「あなたが詰めたんじゃないんだね?」
女性:「はい」
母親が荷物を詰めたため、中身は分からないと話す女性。一体、何が入っているのでしょうか?
職員:「これは魚かな?フィッシュ?」
女性:「牛肉」
職員:「牛肉だね。これは持ち込めない」
袋いっぱいに詰められた干した牛肉。さらに豚肉も合わせると、2.5キロにも及ぶ肉の加工品がありました。その他、生のコショウにトウガラシ、バナナやウコンなど、大量の食料品が出てきました。
空港検疫職員:「この中にコブミカンという、かんきつの葉っぱ。カレーなんかによく使う。バナナの葉っぱでくるんであるだけで、中身がメインです」
中には、香りが良いため、東南アジアの料理によく使われるコブミカンの葉もありました。
女性:「(母親が)準備したので、何が入っていたか分かりません」「(Q.どうしてこんなにたくさん詰めたか…心配してか?)多分、そうだと思います」
異国の地で生活する娘のために持たせた、これらの品々。“親心”だったとしても、持ち込みを認めるわけにはいきません。
輸入検査を受けずに、野菜や果物を持ち込んだ場合、3年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科せられることもあります。
■「嘘ついてるでしょ」禁止品2.5キロ没収
意図せず持ち込まれることが多い一方で、悪質なケースもあります。
ベトナムから入国した男性の2つのカートに山積みされた荷物を検査すると…。
職員:「これは何が入っていますか?」
男性:「薬と…化粧品もある」
職員:「開けて見せて下さい」
男性:「はい」
しかし、中を開けて見てみると…。
職員:「これ化粧品じゃない」
男性:「あ…これは…前入れて…」
職員:「化粧品だけと言ってた話が、嘘でしょって話になる」
見つかったのは、玉ねぎの一種のシャロット。ベトナムでは、炒め物の香り付けによく使われます。
さらに、東南アジアでは、メジャーなスパイスとして使われるショウガの一種、ガランガも見つかりました。
職員:「今回、持ち込めない」
男性:「ダメですか?」
職員:「ダメですよ」
男性:「分かりました」
合わせて2.5キロ分が廃棄処分されることになりました。
男性:「(Q.何を持ってきていたか?)ちょっと…」「(Q.ルール知らなかったか?)ルールはちょっと知らなかったです」
■「絶対に侵入しないように検査に臨む」
入国規制が緩和されて以降、羽田空港の検疫所で持ち込むことができない肉製品などが見つかるケースは、平均すると一日あたり68件に及びます。
3年前からは、違法な持ち込みに対して、パスポート情報を記録するなど、対応も厳格化。伝染病や病害虫を国内に侵入させないため、きょうも懸命な水際対策が行われています。
三上次長:「今、旅行者の方が増えるというなかで、監視して。疑わしい手荷物、これについては、確実に開披検査を行うという取り組みをしています。(伝染病など)絶対に侵入しないように…という思いで検査に臨んでいます」
(「グッド!モーニング」2022年10月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く