列車衝突事故に憤るギリシャの市民が抗議デモ 一部暴徒化(2023年3月2日)

列車衝突事故に憤るギリシャの市民が抗議デモ 一部暴徒化(2023年3月2日)

列車衝突事故に憤るギリシャの市民が抗議デモ 一部暴徒化(2023年3月2日)

 ギリシャ中部で発生した列車同士の衝突事故の瞬間映像です。これまでに43人の死亡が確認されたこの事故。犠牲者の多くが帰省中の大学生とみられ、ギリシャ国内では抗議デモが激化しています。

 現場近くの防犯カメラの映像。列車同士の衝突の瞬間とみられます。強烈な光と立ち上る煙…。なぜ、正面衝突が起きたのか。旅客列車は本来、画面奥に向かって右側の線路を走るはずでした。ところがこの映像では、左側の線路を使っていたことがうかがえます。旅客列車は対向してきた貨物列車と衝突し、線路脇に弾き飛ばされています。

 首都アテネでは、デモに発展しています。事故を起こした鉄道の運営会社「ヘレニック・トレイン」のビルです。暴徒化する人々…。警察は催涙弾などで鎮圧を試みています。

 犠牲者の多くは学生でした。路上に座り込む若者たち。死者は少なくとも43人。今後も増える見込みだといいます。

 学生代表:「たくさんの命が失われました。そのことにショックを受け、皆、怒りを胸に鉄道会社の前に集まっています」

 アテネを出て、ギリシャ北部テッサロニキに向かっていた旅客列車。列車が到着するはずだったテッサロニキの駅前でもデモです。手に手に、手製の看板や横断幕を掲げています。「彼らの利益より我々の命が大事だ」。

 事故現場を訪れたのは、ギリシャのミツォタキス首相です。首相は、次のようなコメントを発表。

 ギリシャ、ミツォタキス首相:「すべての事実が人為的ミスによるものであることを示している」

 人為的ミス。列車は衝突の瞬間、炎に包まれ、その熱は1300℃にまで達したとされています。政府関係者によりますと、2つの列車は事故前、何キロにもわたって同じ線路を互いに向き合う形で走っていました。旅客列車は最高で時速213キロ。貨物列車は衝突時、時速160キロのスピードが出ていたといいます。

 警察は、2つの列車が同じ線路を走っていた理由を調査するため、信号担当の地元駅長を逮捕したと発表しています。現場を視察した運輸相…。

 ギリシャ、カラマンリス運輸相:「我々はこの悲劇的な事故の原因を厳格な透明性を持って調査します。しかし、何を言っても時期尚早であって、失われた人々を汚すことになります。原因を究明するために、できることは残さずするつもりです」

 運輸相は、21世紀にふさわしくない鉄道システムを放置してきた責任を取るとして辞任を表明。現場では懸命の救助活動が続いています。

 逮捕された駅長は調べに対して、自分が列車を間違った線路に乗せたことを認めています。また、事故が起きるまで、そのミスに気付かなかったといいます。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
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