揺れる韓国 BTSのJINさん兵役で考える徴兵制度の“リアル”世界では再導入も(2022年10月21日)

揺れる韓国 BTSのJINさん兵役で考える徴兵制度の“リアル”世界では再導入も(2022年10月21日)

揺れる韓国 BTSのJINさん兵役で考える徴兵制度の“リアル”世界では再導入も(2022年10月21日)

韓国の人気グループBTSのJINさんが、兵役に就くと発表されました。

韓国では“経済効果”を取るのか、“義務”を守るのか、国論が二分しました。

先月18日に発表された、国会国防委の世論調査では、芸能分野で活躍する人の徴兵免除について「賛成」が60.9%、「反対」が34.3%となりました。

韓国市民:「(BTSは)韓国を世界を広めたので、他の方法はなかったかな。無念です」

韓国市民:「(免除なら)男性は不合理だと感じると思う。行かないでほしいけど、兵役は強制なので、行くべきだと思う」

BTSのように多くの人に自分の歌を届けようとしている青年は、こう話します。

路上ミュージシャン:「スポーツでも五輪でメダルをとれば特例(免除)があるし、韓国を広めた人たちだから、特例を適用してもいいと思う」

兵務庁は“大人になるための関門”とも言われています。

入隊検査に合格した大学生(19):「“男は軍隊に行ってこそ1人前”と言われるので」

しかし、その意気込みとは裏腹に、入隊の対象と書かれた合格通知書はくしゃくしゃになっていました。

入隊検査に合格した大学生:「行かなくていいなら行かない方がいい。国の指示だから仕方ない」

入隊検査に合格した浪人生(19):「胸に病気があるから、できるだけひどく見せようとしたのに(入隊対象になったのは)すごく悲しい。(Q.どうして)YouTubeとかで見ていると大変そう。笑いながら見ていたのに、自分が訓練で転がる人になると想像すると悲しくなった」

韓国で徴兵制度が本格的に実施され始めたのは1950年、朝鮮戦争が始まった年です。

入隊すると、最初の5週間は外部と完全に遮断され、戦いの基礎がたたき込まれます。

男性に課せられてきた徴兵は、朝鮮戦争が休戦となってからも続けられてきました。

BTSの兵役免除をめぐっては、実際に戦争を知る世代にも少しだけ変化をもたらしました。

軍服を着た男性:「(Q.なぜ軍服を)好きなんだ。今は金持ちだが、当時は貧しくて、志願して(ベトナム戦争に)行った。(Q.BTSの入隊については)私は半々の思いだ。外貨をたくさん稼いだ彼らの功績を認めるべきだとも思う」

兵役の時に最前線にいたという男性:「軍隊に行ってこそ1人前だ。涙に濡れたパンを食べなければ、その苦い味は分からない。(Q.軍隊で涙で濡れたパンを食べた)ええ、大きな“ゴム靴”のようなパンを」

BTSで揺れ動いた徴兵制度。今、他にも議論が巻き起こっています。

ソウル近郊にある基地の近くで軍用品を扱う商店。店主のイ・ケスク社長(46)は、軍にいる若者と接するなかで、女性として思うところもあるといいます。

軍装店、イ・ケスク社長:「(私も)軍隊に入りたかった。大韓民国の国民ですから」

実はここ数年、韓国では「徴兵制度を女性にも適用すべきだ」という議論が巻き起こっていました。

BTSの問題は、その議論を再燃されることにもなりました。

北朝鮮との間で休戦が結ばれて以降、70年近く戦争には発展していない現状について、除隊して以来、宅配の仕事をしながら労働問題の改善を訴えるウィ・デハンさん(29)はこう話します。

フードデリバリー配達員、ウィ・デハンさん:「(戦争が起きていないのは)国防力だと思う。徴兵制を通じて、軍人の数を維持することは重要だ」

しかし、北朝鮮による挑発は今も続いています。

フードデリバリー配達員、ウィ・デハンさん:「しっかり準備するべきだと思う。ウクライナもロシアも、韓国から遠く離れている国だけど、私たちも常に備えておくべきだと思う」

そして、世界情勢が急変する今、韓国と同じように徴兵制度について考え直す国が出始めています。

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世界では現在、70の国と地域で徴兵制度があります。

ロシアに近いバルト三国のリトアニアでは、ロシアが2014年にクリミア半島を一方的に併合した危機感から、2015年に徴兵制度を再導入しました。志願兵の方が多くて殺到しているということです。

リトアニアの隣ラトビアでも、来年7月に徴兵制度を再導入すると発表しています。

台湾は、2018年に徴兵制度を事実上廃止し、かわりに4カ月間の軍事訓練を義務付けましたが、中国との関係悪化などから、訓練期間の延長を検討しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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