信者家族「一刻も早く解散命令を」旧統一教会への調査を指示 初の『質問権』行使へ(2022年10月17日)

信者家族「一刻も早く解散命令を」旧統一教会への調査を指示 初の『質問権』行使へ(2022年10月17日)

信者家族「一刻も早く解散命令を」旧統一教会への調査を指示 初の『質問権』行使へ(2022年10月17日)

岸田総理は旧統一教会に対して、宗教法人法に基づく調査を行うよう指示しました。

『質問権』という初めての規定を使い、裁判所に解散命令を請求することを視野に入れています。

岸田総理:「宗教法人法第78条の2に基づき、報告徴収・質問権の行使に向けた手続きを進める必要があると考えており、文部科学大臣に速やかに着手させます」

『質問権』とは、宗教法人に法令違反などの疑いがある場合、活動実態の報告などを求めたり、質問を行えるものです。

法令違反などがあれば、法人格をはく奪する『解散命令』につながります。

質問権は、オウム真理教の一連の事件を受けて1996年に作られた制度です。

ただ、これまでに行使されたことはありません。

永岡文科大臣:「宗教法人審議会を構成する有識者による、専門家会議を設置し、意見も伺いながら、報告徴収・質問権を行使する場合の、基本的な考え方や基準を速やかに示す。25日にも検討を開始する」

これまで慎重な姿勢を見せてきた岸田総理が、なぜ動き出したのか。背景には、河野大臣が所管する消費者庁の検討会が17日に出した提言があります。

消費者庁検討会の報告書:「旧統一教会については、社会的に看過できない深刻な問題が指摘されている。解散命令請求も視野に入れ、報告徴収および質問の権限を行使する必要がある」

15日と16日に行った報道ステーションの世論調査では、旧統一教会の宗教法人格について「取り消すべき」が56%、「取り消す必要はない」が23%となりました。

解散命令の請求につながる質問権。宗教法人側が立ち入り調査などに応じるかは任意で、強制力はありません。

野党が追及したのは、調査をいつ始めていつ終えるのかでした。

立憲民主党・山井和則衆院議員:「調査はいつ終わらせるつもりか。結局、調査を終わらせないと、解散請求ができない」

岸田総理:「調査がいつまでに終わるかについては、今、断定的に申し上げることはできない。大事なことは、調査の結果が出なければ、救済に向けて何もできないわけではない」

立憲民主党・山井和則衆院議員:「30年間、私も含めた国会議員や行政は、国民を守る側より、統一教会を守る側に立ってきたのは残念ながら事実。だから今こそ、岸田総理に決断していただきたい」

岸田総理:「これは決して、引き延ばすということを申し上げてるんじゃなく、今の法手続きに基づいて、できるだけ迅速に対応したい」

立憲民主党・山井和則衆院議員:「もう被害者の方々は、自分たちと同じような苦労する人は増やしたくない。岸田総理、調査がいつ終わるのか、終えるのか、いつ分かるんですか。私たちはいつまで待てばいいのか」

岸田総理:「少なくとも年内に(質問権の)権限の行使、これはスタートさせたい。それがいつまでかかるのか。今、具体的に申し上げることは難しい」

永岡文科大臣は、調査の途中でも解散命令を請求する可能性に言及しました。

永岡文科大臣:「情報収集・質問の手続きの途中であっても、解散命令を請求するに足る事実関係を把握した場合には、速やかに裁判所に対し、解散命令を請求することを検討してまいります」

関連団体が調査の対象となるかについても質問がありました。

立憲民主党・逢坂誠二代表代行:「本体の宗教法人だけではなく、関連団体の数が多くて、関連団体が本体の実態を見えにくくしている。関連団体についても調査しなければ、実態が分からないと思います」

永岡文科大臣:「宗教法人法の法人格を持った団体だけが、宗教法人法によって対応できるということになっている。関連団体については、対応できないということになる」

一方、被害者の救済について、岸田総理は、高額の献金や寄付を制限する消費者契約法などの改正について「作業を急がせる」と述べました。

元妻が旧統一教会信者の橋田達夫さん(64)は、傍聴席で涙を拭いながら、審議を見守りました。

橋田達夫さん:「悔しさですね。こういう宗教があったから、犠牲者が出た。こういう宗教がなかったら、楽しい人生があるんじゃないかなと。子どものことを思いましたね」

30年ほど前に元妻が入信。所有していた田んぼを売却するなど、高額献金を繰り返し、橋田さんの被害は1億円に上ります。

家庭は崩壊状態に陥り、妻とは9年前に離婚。精神を病んだ長男(36)は、2年前に自ら命を絶ちました。

橋田達夫さん:「庭で焼死をしました。自ら命をとりました。教団自体が殺人鬼と思っています。すみません、これ以上言うと涙も出ますので。絶対に若い人の命を救わないといけないと思って始めました。顔も出しました、恥ずかしいですけど」

橋田さんは一刻も早く調査が終わり、解散命令が出ることを望んでいます。

橋田達夫さん:「(Q.岸田総理の発言に納得は)いや、もう全くなかったです。期限、全然区切らなかったでしょ。(Q.政府は今、何をすべきだと)それは解散命令です。反社会団体と確実に認定すれば、かなり制裁があるので」

解散命令を求める声は、元2世信者らからも上がっています。17日朝に始まったオンライン署名は、2万5000を超えています。

教会側は…。

旧統一教会広報担当者:「指示が出たことは慎重に受け止める。正式な調査依頼があれば、真摯に受け止め、誠実に対応したい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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