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中国共産党大会で演説の習近平国家主席 「強さ」押し出す演説から「中国のこれから」を読み解く|TBS NEWS DIG
中国共産党大会で演説した習近平国家主席。台湾問題について、武力行使も辞さない姿勢を強調しました。演説は、「強さ」を押し出すものでしたが、習主席が描く「中国のこれから」とは何なのか、読み解きました。
習近平国家主席
「中国共産党と中国の人民は、中華民族が立ち上がり、豊かになることから次は強くなるという偉大な飛躍を自信をもって推し進めています」
習近平国家主席はきのう、1時間45分にわたって、10年間の成果と今後の方針を打ち出しました。専門家はどのようにみたのでしょうか。
学習院大学 江藤名保子教授
「党のリーダーとしての立場から党員に強いメッセージを出したと思います。不安を覚えず、今までやってきたことは正しいので、これからも一致団結してこの正しい道を自信を持って進もうというメッセージ」
学習院大学の江藤教授は、演説のメッセージをこう読み解きます。
学習院大学 江藤名保子教授
「中国式の発展モデルというのは正しいのだという発想。政治体制においても中国式の民主主義は、西側のものよりも優れているんだということを打ち出しているので、ここにおいても我々(中国)の正しさがはっきりと明示された」
さらに今後、社会主義イデオロギーが内政において強く打ち出されるのではと指摘します。
学習院大学 江藤名保子教授
「社会主義イデオロギーに回帰することが、中国の政治状況をどう変えていくのかということが大きなポイント。人々の教育、思想にも働きかけると言っているので、言論統制がより強まる恐れも含めて注視していく」
一方、東京大学の松田教授は、改革開放のキーワードとなってきた「平和的発展」という言葉が少なくなったと指摘します。
東京大学 松田康博教授
「中国自身が終始一貫して、平和的発展を歩むという言葉も消えました。さまざまな表現が習近平的な認識に置き換えられている」
また、最も注目を集めたのは台湾をめぐる表現です。
習近平国家主席
「決して武力行使の放棄を約束せず、あらゆる必要な措置をとるという選択肢を残す」
東京大学 松田康博教授
「中国の平和統一政策には、独立を阻止するための武力行使は、あり得ると元々組み込まれていた。それを党大会という非常に重要な場で明言するとなると軍事的圧力を強めるという方向性を見出すことはできる」
今回の習氏の演説を台湾の人たちはどう受け止めたのでしょうか。
台北市民
「彼(習近平氏)ならいつか武力行使をする気がします」
「強引なやり方ではごめんです。第二のウクライナとなってしまう」
松田教授は今後の習近平政権について、こんな懸念を示します。
東京大学 松田康博教授
「中国はすでに大国なのであって強いのだからこれまで我慢していたところは我慢しなくてよい。相手が悪いという形で相手に対して、さらに対応していくという悪循環に入ってきた。今後もこういった状況というのは続くのだろうなと思う」
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