【鉄道開業150年】アートで振り返る“歩み”…「駅長」「運転士」体験の特別プランも(2022年10月14日)

【鉄道開業150年】アートで振り返る“歩み”…「駅長」「運転士」体験の特別プランも(2022年10月14日)

【鉄道開業150年】アートで振り返る“歩み”…「駅長」「運転士」体験の特別プランも(2022年10月14日)

 10月14日は、日本で鉄道が開業してから、ちょうど150年だ。日本の経済成長を牽引(けんいん)してきた鉄道を、その時代のアート作品とともに振り返る。

■「鉄道開業150年」企画展開催

 明治5年10月14日、東京・新橋と横浜の間を結ぶ日本最初の鉄道が開業した。

 高層ビルに囲まれた建物は、明治5年当時の新橋駅を再現したものだ。

 現在、旧新橋停車場では鉄道開業150年を記念して、企画展が開催されている。

 来場者:「100年以上前っていう、そういった昔に、こんなものがあったんだっていう偉大さみたいなものを感じました」「我々の子どもたち、さらに孫たちに、こういう社会を残していけるかどうか。本当に我々の責任だなと思いました」

■“戦後の急速な復興”鉄道が貢献

 また、旧新橋停車場から始まった日本における鉄道の歴史を、アートを通して振り返る展覧会も行われている。

 東京駅にある、東京ステーションギャラリー。鉄道と美術の150年が描かれている。

 館内を案内してくれたのは、東京ステーションギャラリー館長の冨田章さん。まず見せてくれたのが…。

 冨田館長:「これはまさに、鉄道が開業した時の絵なんですよ。ここから150年の歩みがスタートしたということですね」

 新橋と横浜間を53分で結び、一日に9往復していたという。

 冨田館長:「錦絵っていうのは、美術品として見てますけれども、当時は一種のメディアでもあったんですよね。新しい出来事を速報するニュースでもあったわけですよ」

 今から150年前、錦絵を見て鉄道開業を知った国民も、大勢いたという。

 そして、時代は進み、戦時下の絵画が…。

 冨田館長:「これは東京駅なんですよ。東京大空襲で焼夷(しょうい)弾が落ちて。ここはホームですから、人がまだ歩いていますから。焼けちゃった状態でも、駅はちゃんと機能させていたわけですよ」

 鉄道は戦後の急速な復興に、大きく貢献した。

 昭和40年に撮影された、中央線・新宿駅での車内の様子。

 冨田館長:「これはもう、電車の中のラッシュの様子を真上から撮っている」

 日本の高度経済成長期を支えたのも、鉄道だった。

 冨田館長:「鉄道というのは、日本の近代の歴史そのものというか、それを全部目撃してきた。そういうものでもあるんですよね」

■“アートで振り返る鉄道”3選

 鉄道とその時代を描いてきたアート作品は他にもある。

 幕末に起こった戊辰戦争で、江戸城の無血開城を実現した幕府側の代表者・勝海舟が描いた鉄道の絵。宮中からの依頼で、鉄道に関する説明をするため参内した際に、その場で渡された紙に描いたものだ。

 荷車を押しながら街道を行く人々の姿と、街道沿いに敷かれた線路が描かれているが、京都方面から琵琶湖沿いの大津方面に向かう坂道だという。

 この坂は、前傾姿勢で上る人々の姿からも分かる通り、日本の鉄道の中でも有数の急勾配だったそうだ。

 残念ながら、1997年、今から25年前にこの区間が廃止されてしまったため、1922年に描かれた絵でしか、当時をしのぶことはできない。

 さらに、戦後、行き場がなく、焼け残った上野駅の構内で生活することを余儀なくされた人々の姿が描かれている。

 苦難のなか、鉄道インフラとともに、したたかに生きる彼らの姿は、およそ10年にわたって描かれたという。

■スペシャル企画!“1泊50万円”記念プラン

 6日、天皇皇后両陛下がご出席され、鉄道開業150周年を記念する式典が行われた。

 その会場となった、東京駅に隣接するホテルでは、鉄道ファンにはたまらない、スペシャルな企画を行っている。

 およそ4メートルの高さの天井。東京駅・駅舎のドーム部分が内側から眺められる部屋に宿泊できるという、一日1組限定、1泊なんと50万円の「鉄道開業150年記念」特別プランだ。

 そこで待っていたのが…。

 東京ステーションホテル 経営企画マネージャー・浜野航太郎さん:「お待たせ致しました。こちらが駅長制服になります」

 JR東日本の駅長制服を身にまとい、深夜に駅構内や、新幹線のホームなどでプロカメラマンによる記念撮影が体験できる。

 浜野さん:「150年の感謝の気持ちとともに、JR東日本の社員が、お客様の記憶に残るようなプランをご提案したいということで、私共の東京ステーションホテルとコラボレーションしたことが、きっかけとなります」

■池袋でも!“運転士気分”楽しむプラン

 東京・池袋のホテルでも、鉄道開業150年を記念した一日1室限定の宿泊プランがある。

 ホテルメトロポリタン 営業企画・高田昌子さん:「こちらがお休みになるお部屋で、左奥までお進み下さい」

 普段のホテルの一室になってます。しかし、奥の部屋に進むと、そこにあったのは、JR東日本の運転士が実際に使用しているシミュレーター。その名も「JR東日本トレインシミュレータールーム」プラン。

 このトレインシミュレーターは、「京浜東北線」と「八高線」の2つの路線を再現したもので、区間も自由に選べるという。

 高田さん:「お二方でご利用された方は、仮眠室(部屋のベッド)で休まれてから交代して、お互い運転を楽しまれた、という方もいらっしゃいます」

■2つの特別プランの利用者の声

 2つのホテルの特別プランを、実際に利用した人々の声をまとめた。

 まず、「東京ステーションホテル」の特別プランを利用した人は、「コロナ禍で遠くへの旅行ができないなか、思い出作りのために選んだ」「制服を着て真夜中の誰もいない空間での撮影はうれしかった」「スタッフの『喜んでもらおう』という気持ちを強く感じた」という。

 そして、池袋のホテルメトロポリタンのプランを利用した方は、「2人交代で運転を楽しむことができた」「グリーンシートで景色を眺めながら、おいしいお酒が飲めた」という。

 この2つの特別プランは、来年3月31日まで行っているという。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年10月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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