「最初は警戒していた」元関係者が語る“安倍氏と旧統一教会” 距離を縮めた背景とは(2022年9月25日)

「最初は警戒していた」元関係者が語る“安倍氏と旧統一教会” 距離を縮めた背景とは(2022年9月25日)

「最初は警戒していた」元関係者が語る“安倍氏と旧統一教会” 距離を縮めた背景とは(2022年9月25日)

2日後に迫る安倍元総理の「国葬」。安倍氏と旧統一教会は、一体どのような関係だったのか。
事務所の内情を知る人物が、番組のカメラに初めて語りました。

▽安倍元総理と“教団”の接点 知られざる内情
父・晋太郎氏の時代から30年にわたって支援してきた安倍元総理の後援会の元関係者が、匿名を条件に番組の取材に応じました。
(安倍氏の元後援会関係者)
Q.安倍元総理と旧統一教会はどういう関係だったのですか?
「事務所にも旧統一教会系の機関紙があったり、(教団の)幹部の男性の方が定期的に事務所を訪れたり、(安倍事務所主催の)イベントに参加したりですね。『あの人たちはどういう方なんですか?』と秘書の方に聞いたら世界平和女性連合の方だと秘書の方は言われてましたけど」

教会の幹部や友好団体の関係者が晋太郎氏の代から事務所に出入りしていて、晋三氏が地盤を引き継いでからもそれは変わらなかったといいます。
(安倍氏の元後援会関係者)
「今は場所が移転していますけど、以前は安倍晋三事務所から200mくらいのところに旧統一教会の支部、教会がビルの中に入っているのは聞いたことがあります」
20年ほど前に教団の下関教会が入っていたとされるビルは、たしかに安倍氏の事務所の目と鼻の先にありました。
(安倍氏の元後援会関係者)
「(教団は)御用聞きみたいな形で『何か協力できることはありませんか』みたいな形で、事務所には来られている感じでしたけど。安倍先生本人が教団の方と会ったりとか、教団のイベントに参加することはなかったと思います。やはり最初のころというのは警戒をしてたと思います」
安倍氏が初当選した1993年は、ちょうど教団による霊感商法や合同結婚式などの問題が世間を騒がせていた時期。
安倍氏は教団と距離を置いており、選挙の支援などもなかったといいます。しかし…
(安倍氏の元後援会関係者)
「第2次安倍政権の参議院選挙(2013年)、それくらいから(選挙支援に)来られていたと思います」
2013年の参議院選挙から、教団の関係者が山口県の選挙区支部にもなっている安倍氏の事務所を訪れ、選挙の手伝いをしていたといいます。
(安倍氏の元後援会関係者)
「安倍先生の衆議院選挙はもちろんなんですけど、参議院選になると2、3人が交代で来られて自分たちの団体(旧統一教会)の名簿で推薦する議員をお願いするということで(安倍氏の)事務所が電話作戦の会場を開放するような…」
Q.教団の関係者はどんな方だった?
「(教会の)幹部の方は50代くらいの男性の方、世界女性平和連合といわれている方たちは40代くらいの女性の黒いスーツというかブレザー、同じバッジをつけられていたのであの方たちは保険の外交員の方かなって思っていたんですけど、すごく規律の良い方たちというか、他の主婦や婦人部の方とは違う、(選挙支援に)“慣れている”というか…」

▽安倍元総理と“教団  異変は“下野”で?
(安倍晋三元総理大臣)
「参議院議員は北村(経夫)さん、衆院議員は安倍晋三 間違えないようにしていただきたい」
さらに去年の衆院選、安倍氏の街頭演説に行った自民党関係者は番組の取材にこう証言しています。
(自民党関係者)「統一教会の人たちも応援に来ていましたよ。下関教会の教会長はじめ10人ぐらいの人がいた」
教団関係者の事務所への出入りや選挙支援はあったのか?
安倍晋三事務所に尋ねましたが、回答はありませんでした。
世界平和統一家庭連合は「組織的に選挙事務所での電話作戦をしたという事実はありません」と回答しています。

一方、元後援会関係者は2009年からの3年間、安倍氏が味わった野党時代の苦渋が教団との距離を縮めた可能性があるとみています。
(安倍氏の元後援会関係者)
「安倍晋三先生は非常に選挙というものに厳しい方だったので、特に第1次安倍政権、一回目の総理になられた時に体調不良で辞められて、自民党自体が野党に下野しましたから、非常にご本人が…私たちも落胆した部分はありましたけど、一番きつかったのはご本人だと思います。やはり、総理に返り咲くには選挙には絶対的に勝つこと、そのために力を誇示していく意味で『統一教会の8万票』というものに手を出してしまったと…」

これは安倍氏が野党時代、2010年8月に撮影された写真。一緒に写っているのは教団の友好団体UPFジャパン、世界平和連合などのトップを務める梶栗正義氏です。
(ジャーナリスト 鈴木エイト氏)
「安倍晋三さんの事務所に梶栗正義さんが初めて訪問した時の写真といわれています。この2010年のファーストコンタクトを経て、この時期からだんだん少しずつ関係が深まったのではないか」
梶栗氏は「安倍氏とは2010年に初めて出会い」自民党が政権復帰を果たした「2012年頃から応援をさせていただいた」としています。

▽“教団票”割り振り?安倍氏はなぜメッセージを
安倍氏と同じ山口県が地元で2013年の参議院選挙で当選した北村経夫氏。
この選挙の際に出されたという教団の“内部通達”には、「首相からじきじきこの方を後援してほしいとの依頼があり」と書かれていました。
一方、2016年の参院選で当選した宮島喜文氏の時には…
伊達忠一元参院議長が教団の組織票の割り振りを安倍氏に依頼したと明かしています。
(伊達忠一元参院議長)
「安倍さんに『統一教会に頼んでちょっと(票が)足りないんだと、うちが』と。そしたら(安倍氏が)『わかりました、ちょっと頼んでアレ(支援)しましょう』ということで」
ところが2期目を目指した今年の参院選では…
(伊達忠一元参院議長)
「今回(今年の参院選)は安倍さんは『悪いけど勘弁してくれ』と。『井上をアレ(支援)するんだ』という話になって、『いやいやそんなこと言わないで。現職なんだから』と」

今年の参院選で教団の友好団体(世界平和連合)が支援したのは、かつて安倍氏の総理秘書官を務めた井上義行氏。
(教団関係者)「井上先生はもうすでに食口(信者)になりました。私は大好きになりました」
Q.統一教会に入信された?
(自民党 井上義行参院議員)「入信はしていません」

教団の友好団体(世界平和連合)は番組の取材に2013年と2019年の参院選では北村氏を、2016年には宮島氏、今年は井上氏を支援したと認めています。
安倍元総理が教団の組織票の割り振りを行っていた可能性が高まっています。
友好団体トップの梶栗氏は、去年9月に安倍氏がイベントにビデオメッセージを寄せた背景について「この8年弱の政権下にあって、6度の国政選挙において私たちが示した誠意というものもちゃんと本人が記憶していた」と述べています。

▽母親が高額献金…「国葬」前に元2世信者は
あさって開催される国葬をめぐって割れる世論。この状況を複雑な思いで見ている人がいます。
(元2世信者デビルさん)
「神様が決めた人じゃない人を好きになると地獄に落ちちゃう」
3Dキャラクターの姿を借り、元2世信者らに向けた配信を行うデビルさん。自身も信者の母親を持つ元2世です。
(元2世信者デビルさん)
「家にお金がない。家のために働いていたけど全部献金されていた」
デビルさんの母親は20年以上にわたり、毎月30万円から50万円ほどを教会に献金してきたといいます。
(元2世信者デビルさん)
「1億円に届くかわからないですが相当いっています。アパートは1棟売って…(母親は)『献金をしていない』と嘘をつく。私は教会に献金したという確信があります」
デビルさんは大学進学を諦めざるを得ませんでした。
(デビルさん)「なんでこんな風にさ、苦しいわけ私は。そのお金をね、もっと学費に回してくれれば私だって大学行きたいし」
(母)「そうだよね」
(母)「いや間違ったなと思う」
(デビルさん)「じゃあなんで間違ったなと思うことを今でもやり続けてるの?」
(母)「私は生きる道がそこしかないかなと思って。だって頼るところがないもん」
(デビルさん)「じゃあ私たちが生きられなくなってもいいの?私たちが生きられなくなって不幸になってもいいわけ?お母さんの犠牲のもとじゃない全部」
(母)「うん、そうだよ」
(デビルさん)「うんそうだよじゃないわ」
デビルさんの母親が献金に加えて教会から求められたのは…選挙への協力でした。
2019年の参院選は、北村経夫氏。
(デビルさん)「『今度、教会で応援する人なのよ』って。」
そして、今年の参院選前には、井上義行氏の選挙応援マニュアルが配られました。
さらに、デビルさんはかつて母親と一緒に行った教会の行事で、安倍氏を見たとことがあるといいます。
(デビルさん)「教会のVTRに出てきて母親は『ほら見て安倍さんよ』って。まだ総理じゃなくて権威の象徴として使われるアイコンみたいな感じだった」
あさっての国葬をデビルさんは複雑な思いで見ています。
(デビルさん)「家族が統一教会の信者ですし、関わっていた者として自分が殺してしまったような罪悪感もある。国葬に賛成か反対かどちらかを考える余裕がない。賛成も反対もできないです。ただ悲しいです。」

9月25日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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