切り札“動員令”が裏目に ロシアで反プーチン加速(2022年9月24日)

切り札“動員令”が裏目に ロシアで反プーチン加速(2022年9月24日)

切り札“動員令”が裏目に ロシアで反プーチン加速(2022年9月24日)

(ドネツク州での投票の様子)
「もちろん賛成です、他の選択肢は考えられません。全世界に伝えます」
「それが最初の投票です、万歳!」

ウクライナで親ロシア派が実効支配する自称「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」、そしてロシア軍が占領している「ヘルソン州」と「ザポリージャ州」でロシアへの編入を問う住民投票が始まりました。

(親ロシア派の住民)
「神の助けですべてがうまくいくでしょう、人々も戻って来て、私たちは私たちの町を作ります」
「ウクライナの下にいるより良くなると思います」

住民投票の様子とされる映像が伝えられる一方で、ザポリージャ州では銃を持った兵士らが戸別訪問し投票を強要したといいます。
他の地域でも…

(ドネツク州知事顧問)
「投票者のリストを用意して、投票用紙を配るなどの動きは全くありません、親ロシア派はそこまで準備できていません」
「小さい集落に住んでいる市民の家を親ロシア派の代表が訪問して聞くのです。そうした選択の権利がない状況で行われるのは住民投票とは言えません」
「日本のみなさん、世界のみなさんには、今回の投票は普通の投票ではないとわかっていただきたい」
「投票結果はすでにロシア政府が決めています」

ヘルソン州の住民も…

(ヘルソン州の住民)
「住民投票を行う予定で、自宅に投票の案内がくるとネットで聞きましたが、今のところ何も来ていませんし、来ないことを願っています」
Q投票に行く予定ですか?
「まさか」
Qなぜ?
「ウソの投票だからです」
「(ロシアの)占領地に住んでいるウクライナ人を徴兵するためだと思います」

今週プーチン大統領はウクライナでの戦況の劣勢を挽回する苦肉の策として部分動員令を出しました。

(ロシア プーチン大統領)
「部分的動員に関する大統領令に署名しました。本日(9月21日)から動員措置を開始します」

かつて軍に所属していた市民=予備役を徴集し戦地に投入する「部分的な動員令」。
新たに30万人を動員するといいます。

しかしロシア国内では…

(ロシア・サンクトペテルブルク 21日)
「戦争反対! 戦争反対!」

(ロシア・モスクワ 21日)
「なんのために逮捕するんだ!やめてください!これが警察がやることか!」
「最も大切なのは子どもたちの命です、子どもの命は渡さない」

(ロシア・ノボシビルスク 21日)
「ウクライナで殺される、プーチンやお前たちのために死ぬつもりはない!」

各地で動員令に反発するデモが行われました。

デモは24日までに42の都市で行われ1300人以上が拘束されたといいます。

さらに徴兵を逃れるため国外に脱出する動きが広がり航空便は軒並み満席となりチケットも高騰しています。
陸路で移動する人も多く、国境では連日渋滞が起きています。

(ロシアから出国した人)
「ロシアでは部分的な動員令が出て30万人が動員されます。明日誰が命令を受けるかは誰にもわかりません」

「パニックです。知人はみんな、何をすべきかわからずロシアを去ることができません。ほとんどがパスポートを持っていませんから」

「もちろん私は心配しているし、友人たちも心配している。正気な人はこの21世紀に誰も戦争に行きたがらないと思う」

「意志に反して戦うことを余儀なくされている人々を気の毒に思います。人々が通りで招集されたという話を聞きました。怖いです」

動員令以降、ロシア国内で広がる反戦の機運。
筑波大学の中村名誉教授は…

(筑波大学 中村逸郎 名誉教授)
「(軍事作戦の)戦果というものを国内的にも国際社会に対しても何かを見せないといけない」
「これまで軍事占拠したところをどんどんウクライナ軍が取り戻しているということでプーチン政権としては非常に焦っている」
「プーチン大統領は国内を引き締めるために部分的動員令を出したがその結果皮肉にもプーチン離れが加速化してしまった、これがプーチン大統領の大きな誤算です」

サタデーステーション 9月24日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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