【SDGs】“不漁サンマ”養殖の可能性は? 技術的に可能も意外なカベが(2022年9月24日)

【SDGs】“不漁サンマ”養殖の可能性は? 技術的に可能も意外なカベが(2022年9月24日)

【SDGs】“不漁サンマ”養殖の可能性は? 技術的に可能も意外なカベが(2022年9月24日)

 秋の味覚、サンマの記録的な不漁が続いています。気候変動に伴う海水温の上昇が一因と指摘されるなか、サンマは養殖できないのか、その可能性を探りました。

 秋の味覚「サンマ」。今年もその季節がやって来ました。ところが、量は去年の10分の1以下にとどまっています。

 ピークだった2008年と比べると漁獲量はおよそ12分の1、価格はおよそ10倍に跳ね上がっています。

 そんな不漁続きのサンマを養殖で増やすことはできないのでしょうか。
 
 アクアマリンふくしま、サンマ担当・山内信弥さん:「こちらがサンマの展示水槽になります。現在300匹を展示しています」

 日本で唯一、サンマの展示を行っている水族館「アクアマリンふくしま」。このサンマは一体どこから来たのでしょうか。

 アクアマリンふくしま、サンマ担当・山内信弥さん:「産卵自体は展示水槽で行っています」

 実は展示にとどまらず、サンマの人口繁殖に成功しています。

 アクアマリンふくしま、サンマ担当・山内信弥さん:「産卵床を展示水槽の真ん中につるす。するとここに産卵する。卵の大きさは1.7から1.9ミリ」

 孵化(ふか)した稚魚は、成長に合わせ水槽を変えながら飼育。およそ4カ月で展示水槽へと移動します。

 そんなサンマの飼育ですが、かなり難しいといいます。

 アクアマリンふくしま、サンマ担当・山内信弥さん:「サンマは高水温に弱いので、夏場になると18℃以下にするように水温が高くならないようにしています。1℃違うだけでもサンマ自体の活性が変わってきます」

 実は、現在のサンマの不漁もこの水温が原因の一つと考えられています。

 水産庁によると、黒潮の流れる場が変化し、海水温が上昇。結果、サンマの生育海域が沖合へ移動しているといいます。

 「アクアマリンふくしま」の技術を養殖に生かすことはできないのでしょうか。

 アクアマリンふくしま、サンマ担当・山内信弥さん:「商業べースで考えると、非常にサンマは養殖には適していないと思います。広い面積を必要とした水槽がないとサンマ自体が育たないので、非常にコスト面では厳しい」

 展示水槽はおよそ1000万円、餌(えさ)代は100匹を育てるだけでも年間40万円。また、電気代なども加えると、相当な飼育コストがかかります。

 さらに…。

 アクアマリンふくしま、サンマ担当・山内信弥さん:「サンマ自体の魚価が安いので、利益にならないんじゃないかなとは思う」

 養殖のコストを考えると、とても今の価格では売れないといいます。何か打開策はないのでしょうか。専門家からは、こんなアイディアが飛び出しました。

 東海大学海洋学部・山田吉彦教授:「海底から海面に湧き上がるような海流を作る。部分的ではありますが、海水温を下げることが可能。(海上での)養殖には有効になる」

 サンマの不漁が投げ掛ける気候変動。この問題が解決されなければ、サンマは本当に手の届かない魚になってしまうかもしれません。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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