急増する老朽化マンション対策 建て替え「多数決要件」引き下げなど議論へ|TBS NEWS DIG
日本の経済成長とともに建設が進んだマンション。今後、老朽化が問題となるものが急増するとみられます。大規模修繕や建て替えには多数の住民の合意が課題で、法務省はこれをスムーズにするための法律の見直しを専門家会議に諮ることを発表しました。
横浜市にある築50年近いマンション。外壁の痛み。貯水槽の支柱のさびなど、外観からも年数の経過がみられます。
数年前、一度大規模修繕をしましたが、配管の老朽化など課題は残っています。
管理組合の理事長をしている田辺賢一さん。ゆくゆくは修繕ではなく、建て替えることも検討していますが…
管理組合理事長 田辺賢一さん
「居住者の方たちが前向きに受け取ってくれればいいけれども、中にはやはり『面倒くさい』『嫌だよ』と」
いまの法律では、共有部分を修繕する際には所有者の4分の3、さらに建て替えとなると5分の4以上の同意が必要です。
大勢所有者がいるマンションでは意思決定に時間がかるうえ、建物が痛んだり、対策が遅れることに心配の声が上がっています。
同じ横浜市にある築40年以上のマンション。こんな問題が…
管理組合理事長 工藤房子さん
「102号室だけ、どうしても連絡が取れなくて困っている」
住民で、マンションの管理組合の理事長をしている工藤房子さん。
ある1部屋の所有者と長年連絡がつかず、困っています。管理費は滞納したまま。委任状もないので、理事会の議題に賛成か反対かもわかりません。
管理組合理事長 工藤房子さん
「英語ではないですから、中国か韓国か別の国の方かわからない。区役所の方に住所を調べに行きましたけど、弁護士さんにお頼みするしかない、そちらで追及するほかないと言われた」
所在のわからない所有者の問題。いまの法律では、こうした人は建て替えや修繕などで理事会の多数決をとる際、反対しているものと見なされます。
例えば、部屋の面積が同じ所有者が20人いるマンションの場合、反対が3人いたとして、2人所在がわからない人がいると、5人が反対したことになり、5分の4の条件を満たせません。
国は修繕や建て替えの決定を円滑にできるよう法律の緩和を検討していて、葉梨法務大臣は、この改正を専門家の会議である法制審議会に諮問することを明らかにしました。
多数決で必要な賛成割合の引き下げや、所在がわからない所有者を反対と扱わず、多数決の計算から除外することが検討案にあがっています。
管理組合理事長 田辺賢一さん
「マンションの活性化ができるように必要だと思うので、どんどん法改正していただいて」
「終の住処」や「投資の対象」と所有する目的が様々なマンションで、円滑な意思決定をするにはどうすればいいのか、議論が続いています。
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