【パキスタン大洪水】街中に鉄砲水 気候変動相「氷河解け…何も対策ない」(2022年8月31日)

【パキスタン大洪水】街中に鉄砲水 気候変動相「氷河解け…何も対策ない」(2022年8月31日)

【パキスタン大洪水】街中に鉄砲水 気候変動相「氷河解け…何も対策ない」(2022年8月31日)

 大規模な洪水で国土の3分の1が水没したパキスタンに対して、国連はおよそ220億円の緊急支出を加盟国に呼び掛けました。ただ、現場の多くは今も水に浸かったままで、支援は難航しています。

 翼に積まれた爆弾のようなパーツ。中には「塩」が入っています。

 暑さで渇水が続くアラブ首長国連邦。国立気象センターは塩をまき、「雲」を刺激するといいます。これによって…。

 担当者:「降水量は最大30%増やせます」

 分厚い雲のなか、塩を放出すると…街中では雨が降り出しました。

 塩は低価格で環境への影響も少ないといい、渇水への備えにはなりそう。その一方で「多すぎる水」はどうやって止めればいいのか。

 29日、パキスタン北部のバフラインで起きた「鉄砲水」。激しく、建物に激しく打ち付けています。なぜ、こんなことに。

 北部のチャールサダ。水がひざくらいまで残るなか、住民からはこんな証言が…。

 住民:「雨は降っていましたが、激しくありませんでした。突然、外壁が崩れ水が流れ込んできました」

 これと関連があるのか。レーマン気候変動相は洪水の原因をこう分析。

 気候変動相、シェリー・レーマン氏:「ご存じかと思いますが、氷河が解けています。(一国でできる)対策は何もありません。通常、高温になった夏に氷河湖決壊洪水が起きますが、今年は通常よりも3倍も起きています」

 他にも気象変動相によれば、8週間にわたる容赦ないモンスーンの豪雨の後、インダス川があふれ出したといいます。

 その結果、パキスタンの3分の1が水没。3300万人が被災しました。

 被災した住民:「神様、助けて下さい、食料を下さい。水が引いたら家を再建して下さい。私には小さな子どもがいます」

 ペットも飼い主を失いました。北部カイバル・パクトゥンクワ州の施設には大量の犬が。

 犬保護施設の責任者:「これまでに200頭の犬を保護しました」

 28日、ラーワルピンディの空港には、トルコなどから支援物資が到着しました。ただ…。

 気候変動相、シェリー・レーマン氏:「南部のバルチスタン州では乾いた土地がありません。物資を投下する方法がないのです」

 気候変動相は、今回の災害が地球温暖化の結果と明言しています。

 CO2排出量の割合がアメリカと中国、EU(ヨーロッパ連合)で世界の半分以上を占めるなか、こう訴えています。

 気候変動相、シェリー・レーマン氏:「パキスタンのCO2排出割合は1%以下。世界の気候を“生き地獄”にする、温室効果ガスの排出にはほとんど加担していません」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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