鳥取砂丘に“月の実験場”今年度中に完成予定『アルテミス計画』に日本でも熱い視線(2022年8月29日)

鳥取砂丘に“月の実験場”今年度中に完成予定『アルテミス計画』に日本でも熱い視線(2022年8月29日)

鳥取砂丘に“月の実験場”今年度中に完成予定『アルテミス計画』に日本でも熱い視線(2022年8月29日)

アポロ計画以来50年ぶりに月面着陸を目指す『アルテミス計画』に、日本でも熱い視線が送られています。

鳥取砂丘では去年11月から、専用のメガネをかけて体験する“月面体験”ツアーが始まりました。9800円で約2時間、水資源を探したり、砂を採取するミッションを体験できます。

千葉から参加した人:「基地とか、都市をつくるまでの流れがよく分かって良かった」

鳥取市内から参加した人:「砂が月面っぽくて、現実的な感じ」

主催している『アミュラポ』田中克明代表:「世界中で月面開発が加速するなかで(月を)より身近に感じていただきたい」

5月にはブリヂストンが、鳥取砂丘で、月面探査車用のタイヤの走行実験をしました。注目が集まる鳥取砂丘。鳥取県も放っておきません。

産業未来創造課・井田広之課長補佐:「鳥取砂丘“月面化プロジェクト”。実証試験ができるようなフィールドを整備して、色んな方々に使っていただくと」

砂丘を月に見立てた「実証フィールド」は今年度中に完成予定。すでに幅広い業種から問い合わせがきているといいます。

産業未来創造課・井田広之課長補佐:「すごく手応えを感じている。月や火星に行った場合の『食』『生活するためのインフラ』が必要。それをどうするのかというところまで、具体的に考え出している企業が増えてきている」

大手住宅メーカーのミサワホームもそのひとつです。

ミサワホーム技術部・秋元茂部長:「JAXAと一緒に、月に持っていく建物の実証実験を今、南極でやっている」

50年以上前から、南極で調査隊の基地を手がけてきたミサワホーム。夜には、気温がマイナス100度以下となる月でも、この技術を生かせるとして、月面での“住居開発”に乗り出しています。

宇宙飛行士が分厚い服を着た状態でも、簡単に組立てができるよう、できるだけ構造をシンプルにしました。今年の秋からは、南極のなかでも“最も過酷”と言われるエリアで、月面を想定した実験も始めます。

ミサワホーム技術部・秋元茂部長:「月で生活すると言っても、キッチンの作りはどうするのか、どうやって寝るのか、6分の1重力なら斜めに寝るの?とか、そういう所からやっていかないといけない。(Q.月に家を販売する時代が?)可能性はあるかもしれない」

長期間、月で生活する上で大きな課題となるのが“重力”です。

SIC有人宇宙学研究センター・大野琢也特任准教授:「(重力が)6分の1の月面で大丈夫なのか。骨が健全に育たなかったり、骨で血液は作られるので、体液自体に問題がありそうだと分かってきた」

京都大学の『宇宙居住研究会』が考えているのが、人工的に“重力を発生させる”施設です。“遠心力”を重力の代わりとして活用し、施設の中に、地球とよく似た環境を再現。人々は、内側の壁に立って、生活をするというものです。

SIC有人宇宙学研究センター・大野琢也特任准教授:「(Q.目は回っちゃう?)目が回ることはない。全体が回っているから。ただ、経験したことがないので、やってみないと分からない」

大野さんの本職は、鹿島建設の建築士です。京都大学と鹿島建設は先月、この構想を発表。2050年には月面で、簡易的な『重力発生施設』の実現を目指しています。

この構想のリーダーである山敷教授はこう話します。

SIC有人宇宙学研究センター・山敷庸亮センター長:「月を眺めるのではなく、実際に月の開発というのは、もう動き始めている。月に住むとか、火星に住むとか、非常に遠そうに見えるが、もう月っていうのは目の前。いずれ、かなり一般的な話になる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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