“全数把握”見直し「全国一律」へ方針転換…振り回される自治体(2022年8月27日)

“全数把握”見直し「全国一律」へ方針転換…振り回される自治体(2022年8月27日)

“全数把握”見直し「全国一律」へ方針転換…振り回される自治体(2022年8月27日)

8月27日、東京都の新規感染者は、1万7126人。全国では18万138人でした。こうした゛全数把握゛について、岸田総理は27日…

岸田総理大臣
「全数届け出の見直しについてはもとより『全国一律』で導入する事を基本として考えております」
しかし、3日前には、一律に全数把握の見直しを求めず、「高齢者や重症化リスクの高い患者」に限定することも可能として、各自治体に判断を委ねる方針を示していました。政府の二転三転する説明が自治体の混乱を招いています。

島根県 丸山知事
「島根県としては全数把握は、可能な限り継続をしていくべきだと考えております」
一貫して“全数把握”の継続を訴える島根県は、数だけでなく、より細やかな患者の把握に努めるとしています。

島根県 感染症対策室 田原 研司 室長
「全数把握というよりも、全員把握という言い方をさせていただきました。傾向を見ることも大事ですけども、お一人お一人の命・健康を、島根県では尊重させていただいて、県民に寄り添った対策をとることがベストだと考えています。」
一方、現場の意見は… 発熱外来を行うクリニックでは診療後、発生届の入力に追われていました。

江口内科医院 江口春樹 院長
「10人程度陽性者が出る場合は1時間近く入力に時間がかかることもあります。“全数把握”というのはメリットもあると思いますので、続けるのであれば、できるだけ効率化をして、簡単に報告ができるような形で続けていくのが1番いいんじゃないかなという風に思っています。」

一方で、当初見直しに賛成の立場を示していたのが神奈川県。

神奈川県 黒岩知事
「負担軽減に繋がると思いますので。」
しかし26日、発生届けを出さない患者に対してのケアが、明確に示されていないとして、方針を一転。

神奈川県 黒岩知事
「矛盾あるものを受けることはできない。」
“全数把握”の見直しを当面行わないことを決めました。ひっきりなしにかかる発熱外来の電話。現在、発生届けの処理時間は、およそ30人で2時間半程度。二転三転する方針に現場の医師は…。

多摩ファミリークリニック 大橋博樹 院長
「国が一定の基準を定めていかないと各都道府県にですね、全数把握の仕組みも含めて全部委ねますというのは、私はいかがなものかなとは思います。」
政府は、療養期間の短縮についても検討していますが、医師は、これについても疑問を投げかけます。
多摩ファミリークリニック 大橋博樹 院長
「療養期間の短縮は医学的なエビデンスではどうやら無さそうなんですね。うち(クリニック)はですね、10日間のままにする予定です。」

現在、育児休暇中のこちらの女性は、今月18日に10日間の療養期間を終えました。しかし―
20代女性
「咳がずっと続いている状態です。」
療養期間を終え、一週間が過ぎた今も、咳の症状が収まらないといいます。
20代女性
「人と接するときにやっぱり、感染させてしまうんじゃないかとか、あとはいつ治まるのかという不安がありますね。」
療養期間の短縮には、不安が残るといいます。
20代女性
「症状が治まっていて/抗原検査だったり、PCR等をして陰性の結果が出てというのであれば、いいのかなと思います。」

イギリスでは今年3月、感染者の“全数把握”を廃止し、療養期間も個人の判断に委ねられています。既に国民もコロナへの関心が薄いのが実情ですが、廃止した影響はないのでしょうか。

トニーブレア・グローバルチェンジ研究所 アダム・ブラッドショーさん
「オミクロン株が世界的に大流行したときイギリスは検査を廃止していたので(他国ほど)新規感染者は急増しませんでした。だから感染拡大のリスクを入院者数や死者数から判断するしかなくなりました」
規制を廃止後、半年間で入院者数や死者数は、増加と減少の波を繰り返しています。そして今後は、変異の早期発見ができないことや対応の遅れにつながる可能性を懸念しているといいます。

サタデーステーション 8月27日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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