「自民議員と多く」旧統一教会 内閣改造も…相次ぐ教団との関係 野党「隠蔽内閣」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年8月11日)
10日に発足した第2次岸田改造内閣。閣僚の7人に旧統一教会の関連団体などと関わりがあったことが明らかになりました。また、10日は旧統一教会の田中会長が会見しました。「政治に友好団体が強く姿勢を持って関わってきたことは事実だ」と政治との関わりについて話しました。
■旧統一教会「霊感商法行ったことない」
10日に発足した第2次岸田改造内閣。
岸田文雄総理大臣が会見で抱負とともに述べたのが「旧統一教会との関係」についてでした。
岸田文雄総理大臣:「社会的に問題が指摘されている団体との関係については、国民に疑念を持たれるようなことがないよう十分に注意しなければなりません」
10日、旧統一教会も会見を開きました。
世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「全国の教会に殺すぞと叫ぶ脅しや脅迫電話。街宣車での大音量による罵声、そして集会妨害。一般信徒の自宅にまで夜に、朝に押し掛けてのメディアからの過剰取材。さらには、信徒の子どもたちが学校やサークルで受けるいじめによる登校拒否。あるいは信仰を理由に会社を辞めるよう追い詰められたり、家庭内では離婚状を突き付けられた家庭もございます」
安倍元総理大臣の襲撃事件以降、旧統一教会の施設や信者に対し、脅迫や嫌がらせなどが相次いでいるといいます。
田中富広会長:「一部メディアでは30年以上前にレッテルを貼った霊感商法なるものが、今も変わらず行われていると発信し続けています。しかしながら、いわゆる霊感商法なるものを過去においても現在も、当法人が行ったことはありません」
■政治との関わり「自民議員と多く」
様々な主張を繰り返す田中会長でしたが、会見中、こんな場面がありました。
司会:「30分となりましたので…」「そろそろスピーチのほうを終わりにして頂いて…」
田中富広会長:「全部させて下さい」
冒頭の田中会長のスピーチが30分以上経っても終わらず、司会から「話をまとめて」と注意される場面もありました。
その後、質疑応答に移ると、会見に出席した外国人記者から「ストレート」な質問が相次ぎました。
田中富広会長:「(Q.岸田総理から距離を置くようにと指示が出ているが?)この度の政権の判断が、どのような深い意図があって判断されているかまでは、私たちが言及する立場にはないが。当法人との関わり方が強く判断の基準に定められたというならば、それは至極残念なことであり。さらには多くの今日のメディア報道を通じながら、その報道に揺れる世論に対しての気遣いもまた介入していたと否定することはできないと思いますので、その点においては誠に遺憾に思っている」「(Q.関連団体、友好団体などに政治的な影響など与えてきたということがあるか?)影響を与えてきたかということは、これは客観的にむしろ多くの皆様方に判断して頂いたほうが良いかと思っておりますが、政治に友好団体が強く姿勢を持って関わってきたことは事実です。選挙に関しては平和連合という友好団体がございますので、平和連合のほうがむしろ国政と関わっている度合いが大きいので、そこから願われる内容に、信徒たちも応えていくように努めていると思います」
教団として特定の政党を支援することはないとしつつも、「自民党」の名前を出し、「私たちの基本姿勢は共産主義と対峙(たいじ)して進めております。したがって、その視点から言うと、自民党の議員の方々がより多く接点を持つことがあるかと思いますが、自民党のみならずコミュニズム(共産主義)に対して明確に姿勢を示す議員とは関係性があったと思います」と話しました。
■関係認めた閣僚「7人」が内閣去る
旧統一教会の会見と日を同じくして…。
岸田文雄総理大臣:「今回の組閣にあたり、私から閣僚に対しては政治家としての責任において、それぞれ当該団体との関係を点検し、その結果を踏まえて厳正に見直すことを厳命し、それを了承した、了解したもののみを任命致しました」
新たに発足した第2次岸田改造内閣。なかでも、注目を集めたのが「旧統一教会との関係」です。
岸信夫前防衛大臣:「お付き合いもありましたし、選挙の際もお手伝いを頂いたりしております」
野田聖子前地方創生担当大臣:「祝電と当時、秘書が代理で出席したという事実はございます」
旧統一教会との関係を認めた7人全員が内閣を去った。
ただし、関連団体の会合であいさつをしたことがあると認めていた萩生田光一前経産大臣は、党役員・政調会長に就任しました。
■教団と接点…山際大臣“総理に説明せず”
一方で、山際大志郎経済再生担当大臣は留任となりました。
山際大志郎経済再生担当大臣:「きちっと点検させて頂いたうえで、適切に対応して参りたいと思います」「(Q.まだ点検の結果は明らかにされない?)今のところは」
8日の時点では関係を明らかにしていませんでしたが、留任報道後の10日正午になって、次のように述べました。
山際大志郎経済再生担当大臣:「過去に旧統一教会に関連するとされる団体のイベントに出席したことがあることが分かりましたが、いずれも通常の政治活動の一環だったと認識しております。また、2013年に関連団体への会費支出について確認がされたと」
関連団体のイベントへの出席と会費1万円の支出を認めました。なぜ、留任決定後というタイミングでの発表になったのでしょうか…。
山際大志郎経済再生担当大臣:「タイミングのことはですね。なぜと言われると…なぜというか。総理から点検したものを明らかにして、そのうえで、厳正に見直しをするようにと指示がありましたので」
さらに、岸田総理に関係を説明をしたのか問われると…。
山際大志郎経済再生担当大臣:「それは総理に聞いて頂かないと分かりませんが。私自身が、総理に直接何かをご説明するということはしていません」「(Q.総理の判断に対して影響を与えているということは?)先ほど申し上げましたが、任命権者は総理なので。総理に聞いて頂くのがいいのでは」
■“会費の支払い”が相次いで判明
初入閣となった寺田稔総務大臣も、次のように述べました。
寺田稔総務大臣:「結局、行けなかったというのが4年前ございました。会費だけは確かにお払いをしたというふうに思いますが」「(Q.旧統一教会の関連する団体だというのは?)全く認識はしてませんでした。その知人というのは広島県人会の方で、前から知ってる方だったんです。統一教会の会合だと一切言われませんでした」
2018年10月、関連団体に2万円の会費を支払っていたことを認め、領収書を公開しました。
寺田稔総務大臣:「(国際)勝共連合が関連団体という位置付けなんですね?その時点では全く知りませんでした」
さらに、同じく初入閣となった西村明宏環境大臣は、次のように説明しました。
西村明宏環境大臣:「ただ、いくつかのところから、関係してたんじゃないかというご指摘を頂いた会合がございますが、保守系の識者がやっているフォーラムと認識して出たものがございますが、統一教会が主催していると認識としたような会合には出席したことがありません」
旧統一教会主催という認識はない、と説明。しかし、そのフォーラムには当時の旧統一教会の会長が講師に招かれ、宮城県の代表世話人が西村大臣でした。
そして、3度目の厚生労働大臣となる加藤勝信大臣も…。
加藤勝信厚労大臣:「秘書が代理で、その懇親会費を持参しましたが、秘書は参加をしてません。それと、あともう1回、地元の会合ということであります」
過去2回、関連団体に合計3万円の懇親会費を支払っていたと明らかにしました。
また、加藤大臣の地元・岡山で開かれた教団が主催する1万人規模のイベントに、秘書が顔を出していたことも明らかになりました。
■岸田総理「厳正対処」 野党「隠蔽内閣」
次々と明らかになった、教団や関連団体との関係。岸田総理は、次のように述べました。
岸田文雄総理大臣:「2点の指示を致しました。第1に、憲法上の信教の自由は尊重しなければなりませんが、宗教団体も社会の一員として関係法令を順守しなければならないのは当然のことであり、仮に法令から逸脱する行為があれば厳正に対処すること。第2に、法務大臣はじめ関係大臣においては、悪質商法などの不法行為の相談、被害者の救済に連携して万全を尽くすこと」
今回の内閣改造について、野党からは厳しい声が上がっています。
立憲民主党・泉健太代表:「『統一教会隠蔽(いんぺい)内閣』。点検や厳正な見直しをすると言ったにもかかわらず、全くできていないのではないでしょうか」
共産党・小池晃書記局長:「もはや自民党は統一教会と関係を持たない議員では組閣ができないというところまで、やはり深刻な統一教会とのズブズブな関係。『統一教会隠し失敗内閣』」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年8月11日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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