終戦2週間前「富山大空襲」で市街地の99.5%が破壊 大空襲の記憶を論文に|TBS NEWS DIG

終戦2週間前「富山大空襲」で市街地の99.5%が破壊 大空襲の記憶を論文に|TBS NEWS DIG

終戦2週間前「富山大空襲」で市街地の99.5%が破壊 大空襲の記憶を論文に|TBS NEWS DIG

NO WARプロジェクト「つなぐ、つながる」です。終戦2週間前の「富山大空襲」で富山の市街地は99.5%が破壊され、甚大な被害を被りました。この大空襲を後世に伝えようとする、東京の大学生がいます。その決意を取材しました。

中央大学3年・渡邉美咲さん、20歳です。

この日、富山大空襲について研究している中山伊佐男さん(92)を訪ねました。中山さんは15歳のとき、疎開先の富山で空襲に遭い、母と当時1歳の妹を1度に亡くしました。

1945年8月2日。未明の富山の街を『Bー29』の大群が焼き尽くしました。犠牲者およそ3000人。市街地の99.5%を破壊する特別な空襲でした。

富山大空襲について研究 中山伊佐男さん
「(米軍の作戦は)軍事工場を狙うものから逸脱して、『一般の市民を殺しちゃえ』に変わった。住民をターゲットにセレクトした爆撃、だから『住民選別爆撃』って用語を僕が使っている」

中央大学3年 渡邉美咲さん
「ただ『かわいそう』『むごい』とかそういった感情論だけではなくて、中山さんが集められた資料とか、そういったものを使いながら史実を伝え継いでいきたい」

縁もゆかりもない富山で起きた空襲について学びはじめたきっかけは、中山さんが執筆した本でした。渡邉さんは今、中山さんの研究の成果を論文としてまとめています。

中央大学3年 渡邉美咲さん
「史実に基づいた語り継ぎっていうのが、高齢化が進んで空襲体験を語れる方がいなくなっている現在において、すごく重要なキーワードなのかな」

この夏、渡邉さんは初めて富山を訪れ、わずかに残る空襲の爪痕を辿るように歩きました。

中央大学3年 渡邉美咲さん
「衝撃ですよ。こんなに焼夷弾って威力がすごいんですね。現地でものを見ると立体的な情報というか、“本当に空襲があったんだ”って三次元的な感じで受け止めるように」

50万発以上の焼夷弾が降り注いだあの日から77年。3年ぶりに鎮魂の花火が打ち上げられました。

中央大学3年 渡邉美咲さん
「中山さんが『焼夷弾はきれいだ』って、ピカピカと光っていたって。きっと本当にそうだったんだろうなって思いますし、この花火もすごいきれいなんですけど、地獄絵図が77年前は広がっていたんだなって思うと、中山さんの記憶っていうのを引き継ぐ必要性は絶対にあるなって思う」

戦争を経験した世代から子や孫たちの世代に記憶を語り継ぐバトンは、もう手渡されています。

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