最上川氾濫でまた浸水被害 “急カーブ”ハザードマップにも(2022年8月5日)

最上川氾濫でまた浸水被害 “急カーブ”ハザードマップにも(2022年8月5日)

最上川氾濫でまた浸水被害 “急カーブ”ハザードマップにも(2022年8月5日)

 今回の記録的大雨で山形県の最上川では、4カ所で氾濫が発生し、大きな被害が出ています。川が蛇行する位置にある大江町の百目木地区では堤防の設置が決まっている最中の被災に落胆が広がっています。

 山形県大江町の百目木地区。最上川の氾濫で住宅14軒が浸水しました。水位は一時、2メートルほどに達したといいます。

 そんななか、気になったのがこの光景。最上川の水位はすでに氾濫の基準より下です。

 しかし、この住宅は敷地間際まで水が迫っています。

 上空から見ると百目木地区に堤防がありません。その理由の1つは「見た目」だといいます。

 大江町観光ボランティアガイド・石川博資会長:「堤防を作るとね、あそこの景観が変わってくることは間違いない。国選定の重要文化的景観ですから、そこからの眺めが変わってくる可能性がある」

 石川さんによれば、大江町は以前は「船着き場」でした。

 京都や大阪などへコメなどを運ぶ拠点として栄え、現在も、その面影を残しています。

 最上川の歴史などに詳しい専門家も。

 東北大学工学研究科・風間聡教授:「あえて堤防を作らないようなつくりになっています。蛇行しているものですから、真っすぐ川を直線的に見ることができる。景観的にも好まれる場所でもある」

 ただし、この川にはもう一つの顔が…。

 全長229キロを誇る最上川。流れ込む支流は大小合わせて400以上。県内に降る雨のなどの実に75%が流れ込むといいます。

 「五月雨を 集めて早し 最上川」。

 芭蕉のこの句も、元々は集めて「涼し」でした。最上川からの風を詠んだといいます。

 しかし、実際に川下りを体験した芭蕉がその激しさに恐怖を感じ、集めて「早し」に変えたといいます。

 それほど急流なのです。

 さらに…。

 東北大学工学研究科・風間聡教授:「へピンカーブのようになっていますので、水が滞ることによって渋滞、車もそうですがカーブでスピードが落ちるので滞ることによって水位が上昇といったことになります。それで氾濫が起こりやすい地形になっています」

 川が大きく右にカーブしていて流れが滞るというのです。

 自治体が公開しているハザードマップと比べても赤で示された浸水の恐れが高いエリアとほぼ一致します。

 それでも、堤防を作らなかった理由は景観の問題だけではないといいます。

 大江町役場の職員:「一部の人は川の近くに住み続けたいというのが理由としてあります。そうでない人は、高台に住むなどの対策を取っています」

 「堤防が必要だ」という人と、「それぞれで対応すればいい」という人で意見が分かれたというのです。

 観光ボランティアガイド・石川博資会長:「船着き場以降の地元に住んでいる人たちが川から魚を取ったり、川遊びをしたりという、川とのつながりがものすごくあったんですね。そこが断ち切られるというのは、非常に地域住民としては、嫌だったんだと思います」

 とはいえ、最上川では過去100年の間に「大雨などの水害」が10回以上起きています。

 大江町でも2018年、2020年に氾濫が起きるなか、町は住民から意見を聞き「堤防建設の計画」を進めている最中だったといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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