給食業者「突然音信不通」破産手続きへ 寮3食打ち切り 社長「ビジネスモデル崩壊」【もっと知りたい!】(2023年9月7日)

給食業者「突然音信不通」破産手続きへ 寮3食打ち切り 社長「ビジネスモデル崩壊」【もっと知りたい!】(2023年9月7日)

給食業者「突然音信不通」破産手続きへ 寮3食打ち切り 社長「ビジネスモデル崩壊」【もっと知りたい!】(2023年9月7日)

 全国で学校給食などを提供する会社が破産手続きすることになり、食事の提供が突然止まるなど混乱が広がっています。社長は「物価高でビジネスモデルが崩壊した」と話しています。

■「突然、音信不通になった」従業員の証言

 静岡県 川勝平太知事(5日):「青天のへきれき。びっくりした。これだけ大きな組織が雲隠れしたと。とても驚いている」

 大阪府 吉村洋文知事(6日):「連絡もなく、いきなり給食の提供が中止になるということは、事業者に対して非常に残念に思う」

 本社が広島市にある1994年創業のホーユー。国内の22カ所に営業所を持ち、全国で少なくとも21道府県で学校や学生寮の食堂などで食事の提供をしています。

 現役の従業員は「突然、音信不通になった」と証言します。

 神奈川県厚木合同庁舎のホーユー従業員:「(Q.本員と連絡取れない?)そうです。メールしても、返事はだいぶ前から来ていない」

■広島の高校生から不安の声も

 茨城県の小学生から中学生まで24人の生徒が通う全寮制の施設では、ホーユーが一日朝、昼、晩の給食を提供しています。

 施設側は急きょ、昼食と夕食分の弁当を別の業者に発注して対応しました。朝の給食は7日まで提供されますが、8日からはなくなってしまいます。

 茨城学園 関根正弘園長:「24時間365日、お子さんを預かる入所施設。しっかりした食事を提供したいから、突然の話で残念に思っている」

 広島にある高校の生徒からは、「お弁当になった時は、これからどうなるんだって気持ちだった。きついです。自分で量が調節できないんで」と不安の声が聞かれました。

■給与「早急に支給」記載も…不透明な状態

 なぜ、音信不通になったのでしょうか。ホーユーの関東エリアマネージャーが取材に応じました。

 「ホーユー」の関東エリアマネージャー:「もう話にならないです。『こんなのもらって、どうすればいいの?』という文書です」

 会社側が従業員に宛てたA4の文書に、大きな文字で書かれた本文は8行のみでした。

 従業員への文書:「本日支給予定の給料が、国税からの消費税の納付を8月31日に強制されたため支給が不可能になりました」「本当に申し訳ございません」 

 文書の日付は、7月分の給料支給日だった8月31日。「早急に支給する」と記載がありましたが、7月分と8月分の給与が支払われるかは不透明な状態です。

 関東エリアマネージャー:「僕が知っている現場は、給料もらえなくても、学校の給食だったら生徒がかわいそうだから行く。施設に入居している人がかわいそうだから提供する。ほぼボランティアでやっています」

 本社と連絡がとれないなか、無給で働く覚悟の従業員たちもいるといいます。

■「負債額は16億円を超える」帝国データバンク

 6日、ホーユーの山浦芳樹社長は「価格だけ据え置いたまま、物価上昇が続いた。ビジネスモデルが崩壊している」と取材に答えました。

 ホーユーは現在、破産手続きに向けて準備していて、近く広島地裁に破産を申し立てる予定だといいます。

 資金繰りについて、関東エリアマネージャーは次のように述べました。

 関東エリアマネージャー:「大手と勝負できるのは『金額』しかないから、売り上げがたたないぐらい安い値段で(仕事を)請け負っています。発注もすごく制限され、頼めなくなる。鶏肉何キロでとか、この食材は高いから、例えばチーズは頼めませんとか。ごま油頼めませんとか。本社からはじかれるんですよ。献立表にのっとって頼んでるのに、この食材はNG食材だから、頼めません(と言われる)。献立っていうのは、栄養士が作ってるんで、それにのっとって、発注してるのに頼めないんですよ。責任はすごく重いと思う。その対応として、ちゃんと責任取った方がいいと思う」

 帝国データバンクによると、「負債額は16億円を超えるまでに膨らんでいる」とみられます。

 帝国データバンク情報統括部 藤井俊部長:「学校の給食というのは入札で決まった金額で落札した金額で、そのやりくりをするというのが前提になる。ここ1~2年の物の値上がりを考えると、赤字経営が続いているというのは間違いなかったと思います」

(「グッド!モーニング」2023年9月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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