『BA.5強化宣言』一方で“ケンタウロス株”「強力な策ではない」専門家解説(2022年7月29日)

『BA.5強化宣言』一方で“ケンタウロス株”「強力な策ではない」専門家解説(2022年7月29日)

『BA.5強化宣言』一方で“ケンタウロス株”「強力な策ではない」専門家解説(2022年7月29日)

政府は29日、オミクロン株の変異株『BA.5』による感染拡大への対策として『BA.5対策強化宣言』を新たに設けると発表しました。

緊急事態宣言のような行動制限や罰則はなく、あくまでも『都道府県知事が住民に呼び掛ける』形です。病床使用率が50%を超えているか、第6波のピークを超え、かつ『入院患者が概ね中等症以上』など医療の負荷が大きい場合に、都道府県が“宣言”を出して呼び掛けます。

◆国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授に聞きます。

(Q.政府が都道府県に委ねる形となっていますが、効果をどう見ますか)
基本的に住民・事業者への呼び掛けが中心なので、強力な策とは思えません。抗原検査キットを配るという話もありますが、これだけで感染者数が減っていくとは思えません。

(Q.“宣言”の条件は『病床使用率50%超かつ中等症以上が多い』ですが、実際の医療現場ではどうですか)
基本的に中等症は、肺炎があるのが前提ですが、オミクロン株の場合、肺炎はあまり起こしません。患者の状態は悪くても、中等症に含まれないという場合があります。多くの入院患者は高齢者です。だから医療に加えて介護というのがありますので、スタッフの負担もかなりかかっています。さらに、医療従事者が感染したり、濃厚接触者が増えていますので、人手が足りません。そういったなかで、病床使用率50%というのは、実質的には病床が80~90%埋まっているような感覚です。

気になるのが、新たな変異株です。オミクロンの変異株『BA.2.75』、通称『ケンタウロス』。6月にインドから報告。日本を含め21の国・地域で発見されています。国内では兵庫・大阪・愛知・東京などで確認されています。感染力は最も高いときで、BA.5の3.24倍だといいます。

(Q.BA.5が拡大するなか、新たな変異株。この状況どう見ればいいでしょうか)
BA.2.75は、恐らく感染力も強いし、ワクチンの効果も下がって来ると思います。現在、主流のBA.5が、今後ピークを超えて減少傾向に転じても、BA.2.75に置き換わって、また上昇に転じてしまう可能性が十分にあると思います。第7波が少し落ち着くかなと思ったところで、第8波がすぐ来る恐れがあります。だから、注意すべき変異株だと思います。ただ、気になるのは重症化しやすいかです。インドで感染拡大していますが、入院患者が増えたとか、重症者が増えたというデータはないので、重症化リスクが急に上昇することはないと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事