“異色”還暦女優の「奇跡物語」…「カメ止め!」リメイク公開へ(2022年7月14日)

“異色”還暦女優の「奇跡物語」…「カメ止め!」リメイク公開へ(2022年7月14日)

“異色”還暦女優の「奇跡物語」…「カメ止め!」リメイク公開へ(2022年7月14日)

 4年前、社会現象にもなった映画「カメラを止めるな!」のフランス版が今月15日に公開されます。その名も「キャメラを止めるな!」。この作品に唯一、日本人として出演している女性に注目します。50歳で女優デビューという異色の経歴を持つ彼女を深堀りしました。

 個性派女優には秘密がありました。

 女優・竹原芳子さん(62):「昔から言われていた。でこっぱち。おでこを出すのが嫌で隠して下さいと」

 少し突き出ているという「おでこ」。このコンプレックスを隠すためにたどり着いた髪型がトレードマークの「おかっぱ」です。

 女優の竹原芳子さん。

 ゾンビ映画なのに感動する、そんな口コミから記録的ヒット。社会現象を巻き起こした映画「カメラを止めるな!」で、関西人プロデューサー役を演じ、大ブレイク。「アツアツポイント」というフレーズを覚えている人もいるのではないでしょうか。

 “アツアツ”なインパクトは海外も注目。15日に公開のフランス版「キャメラを止めるな!」に日本版から、ただ1人出演しました。

 女優・竹原芳子さん:「『フランス行ったことがない、行きたい』と思って。(台本は)標準語になっていたが、これも関西弁で」

 作品はカンヌで大絶賛。還暦を迎え、62歳で最高峰のレッドカーペットを踏みました。

 女優・竹原芳子さん:「(Q.シンデレラストーリーが突然、舞い込んできた?)本当に運が良かった。奇跡が奇跡を呼んで」

 恐れることなく何事にも突き進む彼女の原点とは一体、何なのでしょうか。

 女優・竹原芳子さん:「遠いところ、ありがとうございます」

 地元・大阪での日常をカメラを止めずに独占密着しました。

 女優・竹原芳子さん:「(Q.歩くの速いですね?)よく言われます」

 やってきたのは20年通うなじみの美容室です。月に一度、トレードマークのおかっぱを整えています。

 いつも通りに髪をセット。ただ、この日は入念なメイクも。その訳は、この後に向かった先にありました。

 実は母校の短期大学で、学生の前での講演を依頼されたのです。

 女優・竹原芳子さん:「ちょっと泣きそう。ウルッときている。この感動を胸に帰らせて頂きます」

 手に取ったのは卒業アルバムです。

 女優・竹原芳子さん:「42年前。すごくまじめな顔をしている。私はほんとはまじめなんやと。今もまじめです!」

 実は、竹原さんは異色の経歴を持っています。

 短大卒業後に証券会社で営業、裁判所の事務官など、芸能界とは無縁の生活でした。当時、悩みを抱えていたそうです。

 女優・竹原芳子さん:「(仕事で)話が相手に伝わらない。これはいけないと話し方教室に行ったら『落語は話の基本』と授業を一日受けた。落語面白いなと」

 偶然出会った落語にはまり、なんとアマチュアの落語家に。表現する楽しさに目覚めた竹原さんは50歳で一念発起します。

 女優・竹原芳子さん:「織田信長だったら死んでいる。悔いのないように生きたいと思った」

 安定した生活を捨て、芸能の道へ。その決意は携帯番号を変え、これまでの知り合いと連絡が一切取れないようにしたほど。

 女優・竹原芳子さん:「(Q.それぐらいしないとその道を極められない?)自分なりの覚悟だった。ちょっと後ろめたい気持ちはあった。あんまり人の意見に左右されることなく、自分で考えて自分の気持ちに正直になれた」

 なぜ、そこまでして第二の人生を選んだのでしょうか。

 女優・竹原芳子さん:「会社の就職が決まった時、NSC(芸人養成所)の第1期生募集があった。看板の前で30分悩んだが仕事を選んだ。やり残したことをやろう」

 一度は諦めた芸能界への夢。その挑戦が実を結んだのが「カメ止め!」だったのです。

 こうしたシンデレラストーリーを母校で話すことになった竹原さん。なんだか様子が変です。

 女優・竹原芳子さん:「(Q.結構人いましたね?)いましたね」

 緊張したまま学生の前へ…。

 女優・竹原芳子さん:「きょうはこのような…講演会…に…。え…開催…。あ!どうしましょう…」

 でも、さすがはカンヌ女優。学生の悩み相談では竹原節が炸裂します。

 女優・竹原芳子さん:「相談するのはやめた方がいい!私もそう。色んなことを人に相談すると『やめとけ』と言われる」

 学生:「もう1つ質問いいですか」

 女優・竹原芳子さん:「ちょっと続きがあって!」

 会場は笑いの渦に。

 女優・竹原芳子さん:「どこ行っても新鮮。毎日、奇跡だと思えば楽しい」「(Q.生きる道に迷い生きづらいと思う人も…)」「そこは『えい!』と踏み出す。あかんかったら納得できる。やってみて私は良かった。踏み出すのも一つの方法」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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