公立高校トイレに「温水洗浄機能」「音消し装置」も!学校選び対策で重要なトイレ改革(2022年5月12日)

公立高校トイレに「温水洗浄機能」「音消し装置」も!学校選び対策で重要なトイレ改革(2022年5月12日)

公立高校トイレに「温水洗浄機能」「音消し装置」も!学校選び対策で重要なトイレ改革(2022年5月12日)

「学校のトイレ」は和式か洋式か…どちらのイメージでしょうか。「学校トイレの洋式化を推進する議員ネットワーク」によりますと、2017年時点で都道府県立高校の校内のすべての便器のうち、洋式が設置されている割合(洋式率)は35.8%だということです。そんな中、京都府内の高校で変わりつつある“トイレ事情”を取材しました。

 京都市右京区にある「京都府立北嵯峨高校」。約50年が経った校舎のトイレを覗いてみると、個室の中にあるのは和式トイレ。年季の入ったタイルの床で、いかにも“学校のトイレ”といった雰囲気です。

 (記者リポート)
 「高校のトイレと聞いてイメージするのはこの和式トイレ。座ってみると少し体勢が苦しいです」

 しかし、隣の校舎に移動してみると、先ほどとは打って変わってきれいなトイレがありました。この京都府立の高校のトイレの洋式化事業は実は2018年度から始まっていて、今年度でほぼ全ての高校で洋式トイレが設置されることになっています。

 背景にあったのは生徒たちからの“切実な声”でした。

 (京都府立北嵯峨高校 竹田貢事務長)
 「やっぱり『汚い』『臭い』『不衛生』というようなイメージがあって。中学3年生の高校選びで、やっぱり施設がきれいな学校を選択することがありますので」

 京都府の教育委員会が去年、府立高校の生徒にアンケートを取ったところ、自分の高校に改善して欲しいことの1位は「教室・トイレ等の施設・設備」でした。府立高校で築30年を超える校舎の割合は約7割と老朽化も進んでいて、改善が急務となっていたのです。

 新しくなったトイレには、温水洗浄機能だけでなく、女子トイレには全ての個室、男子トイレでは一部の個室に“音消しのための装置”が付いています。床もフローリングになり掃除しやすく、照明は人が来れば自動で点灯します。まさに至れり尽くせりです。

 (生徒)
 「毎時間行っています。毎時間友達に『行こう』って言われたり、そういうのも増えましたね」
 「受験を考えている時に、『トイレきれいになります』という張り紙みたいなものがあって、それでいいなって感じになりました」

 ただ、工事費は1校あたり約4000万円かかることもあり、洋式化されるのはこの高校では4棟ある校舎のうち1棟だけです。それだけに古いトイレがある校舎の生徒からはこんな声もありました。

 (古いトイレがある校舎の生徒)
 「自分たちは元々あっちの洋式トイレがある校舎だったんですけど、こっちになっちゃって嫌です」

 京都府立の高校全体の洋式トイレの割合は、2018年度には25%でしたが、今年度中に49%になる見通しです。事業自体は今年度末で一旦終了となりますが…。

 (京都府教育庁管理部 原田龍司参事)
 「なかなか予算化をしていく中で厳しい状況もございますし。(今後は)トイレに特化したものではなくて、学校施設全体の長寿命化改修の中で、今回できていなかったトイレにも着手する可能性はあります」

 学校生活の充実にはきれいなトイレが欠かせないようです。

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