「全然不公平でしょう」コロナ協力金「夜8時」基準は「月数回営業でOK」?人口7000人弱の観光地・長瀞…当事者たちは取材に…【調査報道23時】|TBS NEWS DIG

「全然不公平でしょう」コロナ協力金「夜8時」基準は「月数回営業でOK」?人口7000人弱の観光地・長瀞…当事者たちは取材に…【調査報道23時】|TBS NEWS DIG

「全然不公平でしょう」コロナ協力金「夜8時」基準は「月数回営業でOK」?人口7000人弱の観光地・長瀞…当事者たちは取材に…【調査報道23時】|TBS NEWS DIG

コロナ対策に協力した飲食店に支払われる協力金。支給対象の基準は「通常、夜8時以降まで営業している店」となっています。一見シンプルな基準ですが、不公平な結果を生んでいるといいます。協力金に揺れる埼玉県の町を取材しました。

スリリングな川下りや、おいしい郷土料理を目当てに年間300万人が訪れる観光スポット、埼玉県長瀞町。
コロナ対策で、時短営業などに協力した飲食店に支払われた協力金の受け取りをめぐって、人口7000人足らずの小さな町が揺れている。

埼玉県は協力金の対象を「通常時、夜8時以降まで営業している店」としていた。
問題となっているのはこの基準だ。一見、わかりやすい基準だが町の人は…

町民
「非常に甘かったし、曖昧であるし分かりづらかった」
「あんまり面白くない話ですね。全然不公平でしょう」

通常時、夜8時以降の営業という基準が“不公平”だという。いったいどういうことなのか。

長谷川美波記者
「長瀞町は昼間は多くの人でにぎわっているのですが、夜になるとほとんど人がいなくなります。このため夜も営業を続ける飲食店は少ないということなんです」

観光客が居なくなる夕方にはほとんどの飲食店が閉店する。

町民
「閉まっちゃってますよ、ほとんど。大体5時6時にもなれば閉まってますよ」
「シャッター通りだから夜やってるわけないから」

普段から夜の営業をしていなければ、協力金の対象にならない、そう判断した飲食店の人は…

協力金を申請しなかった飲食店
「『ここの通りはみんな当てはまらないね』ってみんなで話してた。いざいただいたとなるとホームページに載るじゃない?」

協力金を受給した飲食店は埼玉県のホームページで公開された。

協力金を申請しなかった飲食店
「そうするとみんな見るじゃない?あらあらあらって。あらあらあら。この店も、え?ここも?ここも?ってなった」

町内で、同じような営業をしていたのに協力金を受け取った店と、申請しなかった店とにわかれてしまったのだ。

協力金を受け取った店の一つがこのそば店。
町議会議員で町の観光協会会長でもある村田光正氏が経営する店だ。商工会のホームページなどで営業時間は午後5時までと書かれていた。町の人によると…

町民
「夜営業しているのを見たのは、年7、8回じゃないですかね」

それでも、村田町議のそば店は県から支給対象になると判断され、およそ2か月半分の協力金400万円あまりを受け取っている。

2018年のタウン誌を確認すると、コロナ禍以前から営業時間は午後5時までと記されている。なぜ申請したのか、村田町議本人に話を聞いた。

村田光正長瀞町議
「観光客向けのパンフレットには(午後)5時ということになってますけど、一旦閉めた後に、予約のお客さんをやっております。月に2回、3回っていうような回数だったと思います。そんなに多くはないです」

普段の営業時間は決まっていないが、祭りの時やゴルフ帰りの客向けに月に2~3回、夜も予約客向けの営業をしていたという。

村田町議が申請の際に県に提出した書類には、月に2~3回の予約の記録が書かれていた。

村田光正長瀞町議
「審査したのは私じゃなくて、県が審査して通ったものを、なんで私が。県がああやって認めてくれてる以上はもう」

村田町議は「町で騒ぎになったので、県に返金を申し出たが返金しなくていいと言われた」とも説明した。

県に取材すると「月に数回でも夜の営業をしていれば支給対象になる」と判断したという。なぜそう判断したのか。大野知事に直接聞いた。

埼玉県 大野元裕知事
「協力金の対象になるかどうかについては、国が月のうち何日という基準がなくて数日営業でも構わないと確認して、国の基準に則って支給させていただいています。(Q.「通常時、午後8時以降営業」という基準が曖昧になっているように見えるがどうか?)そこは我々としてもしっかりと国に対して基準を明確にするよう求めなければいけないと思います」

一方、国の担当者は、「協力金は、都道府県の判断で行うものであり、国としては都道府県の協力金の支給を財政的に支援することとしている。具体的にどのような場合に時短要請に応じたと言えるかは国の判断ではなく、都道府県の判断だ」と答えた。

こうした判断に町民の間の不公平感は消えない。

協力金を申請しなかった飲食店
「うちも祭りだとか、打ち上げやってると夜の12時まで開けるなんて何回もあるんですよ。そんなのはどなたもだよね。みんな喉から手が出るほどお金って必要なんですよね。それをみんな条件に当てはまってないからって我慢して、みんな耐えてる訳ですよね」

▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://ift.tt/twsvzIA

▼チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1

▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://ift.tt/H1AkSfq

▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://ift.tt/hHd1unK

TBS NEWSカテゴリの最新記事