能登で地震160回 “地殻変動”原因は「水」か・・・50年前に長野で類似“井戸から噴水”(2022年6月21日)

能登で地震160回 “地殻変動”原因は「水」か・・・50年前に長野で類似“井戸から噴水”(2022年6月21日)

能登で地震160回 “地殻変動”原因は「水」か・・・50年前に長野で類似“井戸から噴水”(2022年6月21日)

 19日は震度6弱、そして20日は震度5強と、石川県で地震が相次いでいます。群発地震は、いつまで続くのか。そのヒントが、50年前に撮影された写真にありました。

■前日の被災宅・・・取材中に再び

 まだ、前日の片付けも済んでいない被災家屋を取材をしていた、その時、19日の震度6弱に続き、20日は震度5強。またしても、強い揺れが襲いました。

 住民:「びっくりしましたね」
 
 「恐ろしい」と、家から飛び出してきた女性は、しばらく声を発することができない状態でした。落ち着いたところで、家の中を案内してもらうと、傾いた電灯がありました。仏壇の扉を開けてみると・・・。

 住民:「ここも、なんだ」

 2日連続で強い地震に見舞われた、石川県能登地方。神社の鳥居は、根元から崩れ落ち、石灯籠(どうろう)も倒壊しました。

 19日に土煙を上げながら、一部が壊れ落ちた「能登のシンボル」見附島。そして、20日の地震でも、土砂崩れのようなものが起きていました。

 住宅にも、被害が及びました。裏山が崩れた現場では・・・。

 住人:「ここにフェンスもあったんですが、全部潰れてしまっています。岩そのものが建物のそばまで来ています。もう、いい加減にしてほしいです。ここのところ、ずっと地震続きですから。終わりにしてほしいですね」

 気象庁・鎌谷紀子地震津波監視課長:「この地域では1年以上、地震活動が続いていて、当面、継続すると考えられるので、引き続き注意して下さい」

■能登で地震160回・・・「水」原因か

 能登地方では、おととし12月から震度1以上を観測した地震が、160回以上起きています。19日の震度6弱の震源から、5キロほどの距離で、20日の震度5強が、その4時間20分後もすぐ近くで、震度4の地震が起きました。

 その原因と指摘されているのが、「地殻変動」です。

 国土地理院の観測によると、珠洲市では、これまでに地面が4センチメートルほど隆起しています。近くに火山がない能登半島の地下で、何が起きているのでしょうか。

 京都大学防災研究所・西村卓也准教授:「火山が無い所であれば、やはり『水』と考えるのが普通」

 西村准教授によると、日本列島の地下深くには、海水を含んだ大平洋プレートが沈み込んでいて、そのプレートから水が分離。その水の一部が上昇し、地下10数キロ付近にたまって、今回の震源付近の地面を隆起させたと推測しています。

 水が周囲の岩盤に力を加えたり、断層にしみ込んだりして、地震を起きやすくさせているのです。

■50年前に類似“井戸から噴水”

 実は過去にも、地下深くの水が群発地震を引き起こした例があります。

 1965年から5年に渡り、長野県の松代町、現在の長野市で発生した群発地震。この間、揺れを感じる地震は6万回を超え、震度5を観測した地震は9回に上っています。

 地震の元凶と信じられたナマズを退治する河童の民芸品も作られました。この松代群発地震は、どのように収束したのでしょうか。

 西村准教授:「能登は、まだ水が深さ十数キロでとどまっている状況ですが。松代地震の場合は、もっと浅いところまで水が上がってきて。結局(水が)地表まで達して、あの写真のように水が噴き出した」

 その時の写真では、地下深くの水が地表まで達し、井戸からは、激しく水が吹き上がりました。結局、松代群発地震は、この水の噴出によって、ようやく収束したのです。

 能登半島の地震も、このようにして終わる可能性がある一方で、別のシナリオも考えられるといいます。

 西村准教授:「地下には、水を通しにくい層や岩石があるので。それにぶち当たると、それ以上、浅い所にはいけない。そこに水がとどまって、(地震が)自然消滅する。水が移動しなければ、地震を起こすような悪さはしないので、そのまま(水は)地下にとどまって、終わる可能性もあります」

 政府の地震調査委員会は20日、会見を開き、「今後、1週間程度は、最大で震度6弱の地震に注意する必要がある」との見方を示しました。そのうえで・・・。

 東京大学名誉教授・平田直委員長:「地震の起き方を見ていると、決してこの数カ月で地震が終わるような兆候が表れていないので。年単位かどうかは全く分からないが、少なくとも数カ月は続く」

(「グッド!モーニング」2022年6月21日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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