【大量繁殖】コロナ禍で除去できず…特定外来生物「オオハンゴンソウ」

【大量繁殖】コロナ禍で除去できず…特定外来生物「オオハンゴンソウ」

【大量繁殖】コロナ禍で除去できず…特定外来生物「オオハンゴンソウ」

栃木県など3県にまたがる日光国立公園では、コロナ禍で毎年行われてきた外来種の植物の除去ができなくなり、大量に繁殖して地域の生態を脅かしています。また、福井県敦賀市の中池見湿地では、ある生き物が貴重な生態系を脅かしています。

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雄大な自然や多様な生態系。栃木県など3県にまたがる日光国立公園で今、“緑のじゅうたん”が地面に広がっています。

自然公園財団日光支部 桑名満所長
「この先から一面に広がっているのが、全部『オオハンゴンソウ』。あまりの規模に圧倒されちゃうんですけど」

一見、何も問題はなさそうですが、実は特定外来生物に指定されている「オオハンゴンソウ」という植物です。夏になると2メートルほどの高さになり、黄色い花が咲き乱れます。

こうした美しい姿とは裏腹に、驚異的な繁殖力で在来の植物の生息域を狭めてしまうのです。

桑名満所長
「在来の(植物を)脅かす。そういう影響が実際に出てしまっている」

特に迷惑な特徴が、根っこです。全て抜き取らないと、土の中に残った根から再生するといいます。

この状況を打開するため、日光市などは1976年から毎年ボランティアを募り、除去活動を行ってきましたが、コロナ禍で2020年と2021年は活動できなかったため、再びオオハンゴンソウが増えてきたといいます。

桑名満所長
「ボランティア活動ができない期間が、2年間続いていましたので」

ただ、今年は3年ぶりに活動を再開します。7月30日に除去作戦を実施する予定で、日光市などはボランティアを募集しています。

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福井県敦賀市でも、貴重な生態系を脅かす生き物が存在します。その生き物が確認された中池見湿地は、絶滅危惧種を含め約4000種の動植物が暮らす国際的に重要な湿地です。

中池見湿地で去年10月、メダカの研究のため設置されたカメラの前に現れたのは、大きなネズミのような生き物です。足やしっぽを使い、器用に泳いでいます。

さらに今年3月、湿地を管理する団体が見つけたのは、特定外来生物・ヌートリアのものとみられるフンです。

中池見湿地を管理するNPO「中池見ねっと」 藤野勇馬さん
「ここではじめ、ヌートリアのフンを確認しました」

ヌートリアは南米が原産のネズミの仲間で、環境省によると、水辺の植物を好んで食べるため、生態系への影響が大きいといいます。

湿地の危機に、敦賀市はワナとカメラを設置しました。すると、ヌートリアらしき生き物がワナには見向きもせずに、歩く様子が捉えられていました。

20日、そのワナを見に行ってみました。

NPO「中池見ねっと」 藤野勇馬さん
「今のところ、まだ入っていないようですね」

取材中、ヌートリアが姿を現すことはありませんでしたが、ヌートリアが食べた可能性のある跡を発見しました。

NPO「中池見ねっと」 藤野勇馬さん
「草がかみちぎられたような跡がありますね」

藤野さんは、「中池見で暮らしている生き物のえさや、棲み場所を奪うことになってしまうと思うと、早い段階で根絶してしまいたいと思っています」と話しました。
(2022年6月20日放送「news every.」より)

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