“10億円詐欺”逮捕の男 逃亡先でも盛んに勧誘 村人に声かけ“ナマズに投資して”(2022年6月9日)

“10億円詐欺”逮捕の男 逃亡先でも盛んに勧誘 村人に声かけ“ナマズに投資して”(2022年6月9日)

“10億円詐欺”逮捕の男 逃亡先でも盛んに勧誘 村人に声かけ“ナマズに投資して”(2022年6月9日)

 インドネシアで逮捕された谷口容光弘疑者が、だまし取った金を現地でエビの投資に充てていたとみられることが分かりました。潜伏していたスマトラ島でも村人にナマズの投資を持ち掛けるなど、谷口容疑者の逃亡生活が明らかになってきました。

 街灯も見当たらない、小さな村。

 谷口光弘容疑者が潜伏していた村です。

 インドネシア・スマトラ島にあるカリレジョ。ジャカルタからフェリーに乗り、車も合わせて7時間ほどの道のりです。

 平屋も多く、道路もほとんど舗装されていない村。観光地のようにも見えません。この静かな村に滞在していた谷口容疑者。

 7日、不法滞在の疑いで逮捕されました。

 村長も忙しそうにする容疑者をよく覚えていました。

 谷口容疑者がいた村の村長:「彼は村に住んでいたわけではない。せいぜい一泊して翌朝には出発した。2回この村に来たことがある」

 赤いレンガのようなもので建てられた家。谷口容疑者が滞在していたとみられる家です。その潜伏生活が徐々に明らかになってきました。現地メディアは、この家の持ち主である教員に話を聞いていました。

 家の持ち主:「家には泊めていたものの光弘容疑者についてはよく知らない。確か5月ごろに知り合った。私が魚を送った時、友人を通じてです。稚魚に投資したいと言っていました。それから5月20日から25日の間だったが、その日本人が運転手と私を訪ねてきた」

 新たに分かったこともあります。元妻や長男・次男とともにおよそ10億円をだまし取ったとみられる光弘容疑者。

 六本木でセミナーを行っていた容疑者。関係者によると、不正な申請を代理で行い、報酬は一件あたり15万円から40万円。総額でおよそ6000万円を得ていたことが分かりました。気になるのは金の行方です。

 谷口容疑者がいた村の村長:「私たちの間では、彼はビジネスをしに来たと思っていた」

 その資金を逃亡先のインドネシアでエビの養殖や養豚事業に充てたとみられます。

 潜伏中にもかかわらず、盛んに人々に“投資話”を持ち掛けていました。

 入国管理局:「地域住民に対し、投資話を持ち掛けていたとのこと。特に漁業・水産分野の投資話」

 なかでも“力を注いでいた魚”があります。

 現地の住民:「私と私の友達にナマズを養殖したら委託料を払う話を持ち掛けてきました。育ったナマズを日本に送るということです」「(Q.ビジネスはうまくいっていたか?)今まだ魚を育てている段階なのでお金はまだもらっていない」

 “ナマズ”への投資。一見、怪しさしか感じられない話ですが、実はニーズも増えてきています。

 東京・新宿区にあるインドネシア料理店です。

 インドネシア人、エディさん:「皆さん好き。よく食べる」「(Q.ナマズはインドネシアから来ることも?)あります」

 丸々1匹のナマズを揚げた豪快な一品。日本ではさほど人気のないナマズ。インドネシアは違います。

 この近くで運営するスーパーでも、白身魚として東南アジアのナマズの需要は高いそうです。

 インドネシア料理店の客:「初めて見た」「おいしそう」「初めて見てその大きさにびっくり。今度食べてみたい」

 日本でもナマズの輸入はここ10年で8倍以上に増えています。

 大手スーパーでもウナギの代用として売り出されました。

 近年の世界的な魚食ブームも拍車を掛けています。今はベトナム産が多くを占めていますが、容疑者はインドネシア産もニーズが高まると見込んだのでしょうか。実際、滞在していた村でも養殖は始まっていました。

 現地の住民:「養殖は始まったばかりです。この辺は田舎で経済も遅れているので、ナマズのビジネスは村のためになると考えている」

 現地で水産業を営む人:「インドネシアではナマズ事業はとても有望です。庶民にとって価格は安定しているし、手頃ですから。今のところ輸出はしていません。国内需要にも追いつけていませんから」

 逮捕当時の状況も、徐々に分かってきました。

 インドネシアの地元メディア:「おととい入国管理局から確保したいから地元の警察官も付き添ってくれと依頼があった」

 7日、不法滞在の疑いで逮捕された谷口光弘容疑者。逮捕当時の状況を現地メディアに聞きました。

 Detik.com、アフマド・トリク氏:「おととい入国管理局から警察に確保したいから交番の警察官も付き添ってくれと依頼があった。家に泊まっているのは分かっていて(7日の)夜10時半ごろ逮捕されました。その時、抵抗する様子はなかったそうです」

 現地でも注目を集めているそうです。

 Detik.com、アフマド・トリク氏:「インドネシアでもこういう詐欺は問題になっている。日本からインドネシアに逃げてきたということで注目度は高い。きのう(記事の)アクセス数は多かった」

 10日から取材チームを組み、ランプンに向かうそうです。

 警視庁は今後、谷口容疑者を日本に移送し、詐欺容疑で逮捕する方針です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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