目の錯覚が招く重大事故…“コリジョンコース現象”とは?(2023年1月7日)

目の錯覚が招く重大事故…“コリジョンコース現象”とは?(2023年1月7日)

目の錯覚が招く重大事故…“コリジョンコース現象”とは?(2023年1月7日)

ドライブレコーダーが捉えた映像。左側から軽自動車が来ているのが見えます。しかしその直後、2台の車は衝突。また、別の見通しの良い道路を走行する映像でも…。右側から白い車が来ているのがわかります。しかし、同じように衝突してしまいます。

実は、こうした事故は“目の錯覚”による「コリジョンコース現象」が関係しているといいます。

今月2日、福島県郡山市の交差点で、普通車に衝突された軽乗用車が炎上し、4人が死亡した事故。現場は、周辺に田畑が広がる場所で、北側から直進してきた普通車が、西方向から走行してきた軽乗用車に衝突。その後の警察の調べで「コリジョンコース現象」が事故の原因だった可能性が出てきました。実際に事故のあった現場を走ってみると…

「まもなく事故が起こった交差点です。軽乗用車が走行していた道路側、さえぎるものが全くありません。車もはっきりと確認できます」(取材ディレクター藤澤 愛)

ではなぜ、事故は起きたのでしょうか―? 

道路交通システムに詳しい 北海道大学 萩原 亨教授
「コリジョンコース現象は見通しがよい交差点で、ドライバーから見て直角に来ている車が止まって見える現象になります」

“コリジョンコース現象”とは、直角に交わる見通しの良い交差点で、同じ速度、同じ角度で接近する2台の車があった場合、ドライバーは“目の錯覚”で相手の車が止まっているように感じることがあるといいます。そのため、交差点直前まで接近する車に気づかず衝突してしまうのです。

そこで、ドライバーに目線の動きをリアルタイムで確認できる「特殊なメガネ」を装着してもらい、実験を行いました。その結果、 視線を示す赤い点は中央に集中し、周囲に視線が動いていない事が分かります。

道路交通システムに詳しい 北海道大学 萩原 亨教授
「広いところを見ているようで、やはり1番の目線の役割は、車を狭い車線の中に入れてまっすぐ走らせると。1秒たりとも目線は離せませんので、ほぼ「中心視野」は真っ直ぐ直線方向を向くということになります」

この「中心視野」が詳細に認識できるのは、左右およそ35度の範囲までです。その外側を見るための「周辺視野」がありますが、「動くもの」や「色」、「形」までは、認識しづらいといいます。つまり「コリジョンコース現象」は、真正面を見続ける事で起きてしまうのです。首都圏でも事例は多く、死亡事故も少なくありません。

道路交通システムに詳しい 北海道大学 萩原 亨教授
「対処法は、直線道路を走っている時に前だけに視野がどうしても固定されますが、そこを振り払って、左右を強制的に、ちょっと左を見よう、右を見ようというのが大事な対策になると思います」

サタデーステーション 1月7日公開
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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