公約の「所得倍増」“変質”?投資促進にシフト“新しい資本主義”実行計画が決定(2022年6月7日)
7日に閣議決定された『新しい資本主義』の実行計画。岸田総理が特に力を込めたのが、個人に投資を促す“資産所得倍増プラン”です。
日銀がまとめた家計の金融資産の構成割合によりますと、半分以上が現金や預金となっていて、それをなるべく、株式などへの投資に誘導しようというのです。
“新しい資本主義”担当・山際大臣:「ご自身の力で稼ぎ出した資産を少しでも増やしていただく。教育や老後、さまざまな生活に好循環として回ってくる姿が、ウェルビーイング(幸福)を実現していくうえで、大変、重要」
政府は、今後、個人投資家向けの税制優遇策『NISA』の拡充などを進めることにします。しかし、そもそも岸田総理が、去年の総裁選で公約として掲げていたのは、資産所得の倍増ではありません。“所得”そのものの倍増を打ち出し、そのために『格差是正』と『分配』に力を入れると強調していました。
今年1月には、こう述べていました。
岸田総理:「次世代を担う子育て・若者世代の世帯所得に焦点を絞って、倍増を可能とするような制度改革にも取り組んでいく」
ところが、先月、ロンドンの金融街・シティで、市場関係者を前に、突然、こうぶち上げます。
岸田総理:「Invest in Kishida(岸田に投資を)。私は貯蓄から投資へのシフトを大胆、抜本的に進め、投資による資産所得倍増を実現いたします」
つまり、個人が投資をしてお金を増やすことを強調した形です。
岸田総理:「眠り続けてきた1000兆円単位の預貯金を叩き起こし、市場を活性化するための仕事をしてもらう」
その後、国会で、野党からは「貯蓄ゼロの世帯も多く、投資したくてもお金がない」といった指摘が出ました。これに対し、岸田総理は、こう述べました。
岸田総理:「投資するお金がないのではないかと。2000兆円の金融資産のうち、1000兆円が預貯金であるから、中間層の方々にこのお金をしっかり活用してもらう環境を作るべきでは」
この考えは、そのまま今回の実行計画に反映され、『分配』や『格差是正』は、影をひそめる形となりました。
街の声です。
20代会社員:「資産運用となると運とか絡んでくるから、むちゃだよなって気持ち。(Q.投資に回すお金はどれくらい)ないかなって思う」
30代自営業:「(Q.NISAの拡充を訴えているが)それ自体はいいんじゃないかという気はする。選択肢が増えるのはいいことだと思う。結局、勉強していかないとついていけない人が出てくると思う」
20代会社員:「(Q.株に回すお金はある)まったくない。(Q.株とか投資で増やしてくださいと言われるのは)リスクはあると思うので、子どももいるし、リスクを背負ってまでやることじゃないと思う。普通に給料増やしてくれれば問題ないと思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く