壁を埋め尽くす“悪質落書き”・・・大迷惑!“廃墟ホテル”に相次ぐ不法侵入【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年1月6日)

壁を埋め尽くす“悪質落書き”・・・大迷惑!“廃墟ホテル”に相次ぐ不法侵入【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年1月6日)

壁を埋め尽くす“悪質落書き”・・・大迷惑!“廃墟ホテル”に相次ぐ不法侵入【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年1月6日)

栃木県日光市・鬼怒川温泉にある廃墟と化したホテル内部の映像です。長年、倒壊の危険性が指摘されるなか、市が初めて調査に入りました。ホテル内部には、人が侵入した痕跡がいくつも残されていました。

■“廃墟ホテル”内部へ・・・至る所落書き

 川沿いにそびえ立つコンクリートの塊。外壁は至る所で剥がれ、天井も崩落。そこから生えた草木が壁を突き破っています。

 10年以上放置されたままとなっている栃木県日光市・鬼怒川温泉にたたずむ“廃墟ホテル”。その内部へ、先月24日、初めて日光市が立ち入り調査を行いました。

 食堂とみられる場所にはテーブルや椅子が並び、机の上にはコップや茶わん、そして日本酒を入れる徳利などが確認できます。

 天井からは、エアコンでしょうか。ぶらさがったままの状態で、いつ落下してもおかしくありません。

 日光市総合政策課・小林岳英課長:「これは廊下です。やはり廊下の天井が落ちて、客室の方もこうやって中が崩れて散乱している状況です」

 防護服に防塵マスク、そしてゴーグルと完全防備の職員が懐中電灯の明かりを頼りに、廃墟ホテルの中へ入っていきます。

 建物の内部では、人体に有害なアスベストなども確認され、危険な状況だったといいます。

 机が横倒しとなっていて、天井からは布のようなものがぶら下がっています。そして、床には剥がれ落ちた壁や天井のがれきでしょうか。

 まさに足の踏み場がない床をかき分けて、さらに内部へと進んでいきます。

 酒樽、配膳用のカート、黄色いカゴなど、当時ホテルで使われていた物が、無造作に散らばっています。さらに進んでいくと、壁には、平仮名で「だめ」と落書きがされています。

 宴会場とみられる所では、壁一面に顔や大きな目が描かれ、さらに山積みにされた椅子にも落書きがありました。通路にも、壁の両側に大きな落書きがされています。

 ホワイトボードには「刺身の内容冬Bに変更」と、営業していた当時のメモ書きが残るなか、ホテルが閉鎖された後の2016年、2017年などの日付が書かれています。

 さらには、「令和3年、11月13日、足立、ケンカ上等」と、つい2カ月前に書かれたとみられるものもありました。こうした落書きは、建物の至る所で確認できました。

■不法侵入絶えず・・・“心霊スポット”に

 現在、およそ25の宿泊施設が立ち並ぶ温泉街には、5日も多くの観光客が訪れていました。

 今回、問題となっているのは、鬼怒川公園駅から300メートルほど離れた所にある3つの廃墟ホテルです。

 30年以上前の鬼怒川温泉は、バブルにわき、どこの宿泊施設も連日、満員だったといいます。しかし、バブル崩壊後に客足は遠のきます。

 関係者によると、このホテルは経営者が夜逃げし、残った従業員たちだけで自主的に営業を続けていましたが、1999年に閉鎖されました。

 他の2つの廃墟ホテルも、それぞれ10年以上前に閉鎖され、現在もそのままの状態で放置されています。

 日光市総合政策課・小林岳英課長:「所有者が分かっていても、所有者の所在が分からない。倒産してから時間が経っているのもありますけど、権利関係が複雑になっているということ」

 3年前にドローンで撮影した映像では、風呂場は洗面器がいくつか残されたまま、更衣室だったドアは開けっ放しの状態となっていました。

 放置された状態が続いたことで、今では有名な“心霊スポット”として不法に侵入し、撮影した映像をSNSに投稿するケースが後を絶たないといいます。

■3日前にも・・・不法侵入者「肝試し感覚」

 廃墟ホテルの外にも、人が侵入した痕跡がいくつも見られます。

 2年前にドローンで撮影した映像には、屋上のアンテナにも、アルファベットの落書きがされています。

 近隣住民:「人が立ち入っている」

 3日、近隣住民からの通報を受け、警察が駆け付けると、19歳から20歳の若者4人が建物の中に不法に侵入していたといいます。

 その後の調べで、若者たちは「肝試しの感覚で立ち入った」と話していたといい、今回は厳重注意にとどまりました。

 10年以上前から続く、廃墟ホテル問題。解決の糸口は、いまだに見えていません。

 日光市総合政策課・小林岳英課長:「イメージダウンにしかならない話ですので、何とかしたいのは何とかしたいですけど、何ともできないのも、何ともできない」

■撤去費用“1つ10億円”で「財政厳しい」

 撤去にかかる費用は所有者の責任なのですが、日光市が所有者に書類を送付しても宛先不明で戻ってきたり、倒産時の破産管財人が解任されていたりと、所有者と連絡が取れなくなっています。

 廃虚ホテルの撤去に必要な費用は、市の担当課長によると「川沿いの崖の上などで費用がかさむ。1つのホテルの解体で費用は10億円以上、3つで30億円から50億円になる」としています。

 日光市はコロナ禍で税収が減っています。

 昨年度の市税は、前の年よりおよそ10億円減っておよそ124億円でした。

 大型施設の廃虚は、この3つの廃虚ホテルを合わせ、市内に16あるということです。

 市も撤去をしたいと考えていますが、財政が厳しいということです。

 担当課長は「空き家対策特別措置法で行政代執行をしても、撤去費用は市も持つことになるので難しい。すぐには撤去できないので、今できることとして、侵入者の防止に努めている」と話し、国や栃木県に要望は出しているということです。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年1月6日放送分より)

[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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