「ボス」に仕立てられた女性・・・“ママ友”による洗脳の実態とは 福岡5歳児餓死事件(2022年6月6日)

「ボス」に仕立てられた女性・・・“ママ友”による洗脳の実態とは 福岡5歳児餓死事件(2022年6月6日)

「ボス」に仕立てられた女性・・・“ママ友”による洗脳の実態とは 福岡5歳児餓死事件(2022年6月6日)

 おととし、福岡県篠栗町で5歳の息子を「餓死」させたとされる母親・碇利恵被告(40)の初公判が開かれました。この事件では、いわゆる“ママ友”の赤堀恵美子被告(49)が碇被告の一家を洗脳するなどして、生活を支配したとみられています。その際に、赤堀被告が用いたのが、“ボス”という恐怖の存在です。今回、ANNではこのボスとされた女性を取材。赤堀被告がいかに碇被告を洗脳していったのかが見えてきました。

 我が子に食事を与えず餓死させる・・・。なぜ、そんなことができたのでしょう。浮上しているのが「ボス」の存在です。

 三男・翔士郎ちゃんに十分な食事を与えず餓死させたとされる碇利恵被告。碇被告から金銭をだまし取る目的で、生活費や食事量までコントロールしていたとされるのが、ママ友の赤堀恵美子被告です。

 赤堀被告は碇被告を従わせるため度々、ボスの存在をほのめかしていました。

 「ボスは暴力団と関係がある」「ボスがカメラを12台付けて監視している」「『朝は兄弟全員に同じものを食べさせろ』とボスが言っている」。

 赤堀被告に、ボスに仕立てられた女性が取材に応じました。

 ボスとされたAさん:「私が『ボス』って言われて信じる・・・(碇被告は)何を信じたんだろうと思って・・・」

 おととし9月、警察の聴取でボスに仕立てられていたことを知ったAさんはその後、拘置所にいる碇被告と手紙のやり取りを始めます。

 そして先月、碇被告に会いに行きました。

 ボスとされたAさん:「言葉だけでそんなに人はだまされるのかって本当に思うし、だから碇さんがどうやってそこまで信じたのか、碇さんの口から聞きたい」

 面会を終えたAさんは・・・。

 ボスとされたAさん:「とにかく私の存在がリアルだったと。本人(碇被告)の目の前で私に電話するふりはものすごく多かったと」

 赤堀被告は、碇被告の生活保護費や児童扶養手当の大半を受け取り、食事の量も細かく指示。「長男は茶わん1杯、次男はそれより少なく、三男はその半分」。

 ボスとされたAさん:「食事制限も私からそう言われたと、何等分とかそこまで事細かに言われたと。なぜそこまでしたのか、泣いているあの人には聞けなかった」

 マインドコントロールは、なぜ成立したのか。赤堀被告は2019年5月、「夫が浮気している」と碇被告をだまし離婚させます。自分の嘘を信じ込ませるために、碇被告を孤立させる目的だったとみられます。

 そのうえで、赤堀被告は碇被告から裁判費用や浮気調査の名目でおよそ200万円をだまし取った疑いも。

 碇被告は赤堀被告に渡した金額をメモに残していて、総額は1200万円に上るとみられます。

 ボスとされたAさん:「いくらそれが洗脳であっても受けた言葉を真に受けて・・・してしまって、いくらでも反抗できたのに、亡くなってしまって気付いては遅いんだけれど」

 ボスに仕立てられたAさん。面会に行った拘置所で、碇被告から三男翔士郎ちゃんが息を引き取る間際の様子を聞きました。

 ボスとされたAさん:「沈黙があいて号泣なされて、笑顔を作られてたんだと思うけれどそれが一気に崩れて・・・『お母さんごめんね』と言って(翔士郎ちゃんは)倒れられたそうです」

 6日の初公判。検察側は碇被告が「赤堀に生活全般を支配されていたものの、対立して状況が悪化するのを恐れて主体的に行動しなかった」と指摘しました。

 ボスに仕立てられたAさんはこう言います。

 ボスとされたAさん:「赤堀という存在がいなかったらあり得なかったことだし、自分だけを責めないで正々堂々と戦ってほしい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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