「大統領一族は億万長者で、国民は物乞いだ!」 スリランカ独立以来“最悪”の経済危機 怒りの矛先は大統領へ デモで死者も|TBS NEWS DIG

「大統領一族は億万長者で、国民は物乞いだ!」 スリランカ独立以来“最悪”の経済危機 怒りの矛先は大統領へ デモで死者も|TBS NEWS DIG

「大統領一族は億万長者で、国民は物乞いだ!」 スリランカ独立以来“最悪”の経済危機 怒りの矛先は大統領へ デモで死者も|TBS NEWS DIG

紅茶の産地として知られるインド洋の島国、スリランカが最悪の経済危機に直面しています。「大統領一族に国を奪われた」市民の怒りの現場をJNNが取材しました。

記者
「ラジャパクサ大統領の退任を求める学生たちのデモ行進です。今こうした抗議活動がスリランカ全土で毎日のように行われています」

インド洋の島国スリランカ。連日、抗議デモが続く理由は。

デモに参加した学生
「この先、数か月で状況はさらに悪くなると言われています。状況を変えるためには国際社会やIMF(国際通貨基金)に助けを求める必要があります」

1948年の独立以来、最悪と言われる経済危機に今、直面しているのです。

産業高度化の遅れや経済基盤の未整備が指摘されるスリランカ。

こうした中で、巨大経済圏構想「一帯一路」を推し進める中国をはじめとする海外からの巨額融資でインフラ整備などの開発事業が進められてきました。ただ、融資を返済できず土地や施設を事実上明け渡すいわゆる「債務の罠」の典型とされるケースが起きていることも知られ、国の経済は徐々に行き詰まっていきます。

さらに、新型コロナによる観光低迷が追い打ちとなり、ほぼ100パーセント輸入に頼る燃料が購入できなくなりました。火力発電に利用する燃料も不足し、計画停電が続いています。街では。

記者
「ガソリン待ちの車の列は、この先2キロほど続いています。列は2時間ほど全く動いていません」

三輪タクシーのドライバー
「朝4時からガソリンを求めて街をさまよっている。我々は三輪タクシーの運転手だから、ガソリンがないと収入はゼロだ。一日中ガソリンスタンドで待っているんだ」

燃料切れでバイクを動かせずタンク部分だけを取り外して列に並ぶ人も。生活苦だけでなく燃料不足から人々は収入まで奪われているのです。

三輪タクシーのドライバー
「どうやって収入を得ればいい?3人の子供がいて母親の面倒も見ている。どうすればいい?」

生活苦にあえぐ市民が怒りの矛先を向けるのがゴタバヤ・ラジャパクサ大統領とその一族。開発事業の裏で、閣僚や国営企業の幹部ポストを親族で固め、利権を独占してきたとされます。

「大統領は大統領府を去れ!」

5月9日には抗議デモの参加者と政府支持派が衝突し、少なくとも9人が死亡、多くのけが人が出ました。

男性
「一族が国を奪った。彼らは億万長者で、国民は物乞いだ。あなたの国に、ガスや灯油の支援をするよう伝えて欲しい」

5月20日、日本政府がスリランカに対し300万ドルの緊急支援を発表するなど、国際社会から援助の動きも始まりつつありますが、国民の政府不信は根強く、混乱の収束は見通せません。

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