「北からの挑発行為には断固対応する」バイデン大統領“緊迫”の訪韓(2022年5月20日)
アメリカのバイデン大統領が、20日午後5時半ごろ、韓国に到着しました。
大統領就任以来、初めてとなる韓国訪問。その目的が、到着後、真っ先に向かった場所から見えてきます。バイデン大統領は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とともに世界最大級の半導体工場・サムスン電子の半導体工場を視察しました。視察には尹大統領だけでなく、サムスンの李在鎔(イ・ジェヨン)副会長も同行。自身が抱えている“不正合併”の裁判を欠席してまで駆け付けました。
アメリカの大統領が韓国の半導体工場を訪れるのは、初めてのこと。視察終了後、両首脳は演説を行いました。
アメリカ・バイデン大統領:「この工場なら両国の競争力を強化できるが、それには強靭で信頼できる確かなサプライチェーンの維持が必要だ。国の経済と安全を価値観を共有しない国に依存してはならない」
韓国・尹大統領:「工場訪問は、経済安保だけでなく、半導体を通じた両国の包括的グローバル戦略同盟を再認識する良い機会となる」
これらの発言は、半導体部門で急成長を続ける中国を念頭に置いています。半導体の安定供給網は、中国との覇権争いにとって不可欠だからです。対中国包囲網の強化が最重要テーマとなるアジア歴訪。ただ、忘れてはいけないのが、北朝鮮の動きです。韓国メディアは19日、米韓当局関係者の話として、北朝鮮がICBM=大陸間弾道ミサイルの発射に必要な液体燃料を注入する兆候を確認したと報じました。
北朝鮮のICBMはすべて液体燃料です。一度注入したら、数日以内に撃たないと、燃料タンクは腐食してしまいます。つまり、バイデン大統領の訪問中に撃つ気満々だということです。
20日は、沖縄から飛び立ったアメリカ軍のミサイル観測機『コブラボール』が、日本海を旋回していました。警戒されているのは、ミサイルだけではなく、5年ぶりとなる核実験の懸念もあります。
2018年、爆破された豊渓里(プンゲリ)の核実験施設。修復工事が進み、すでに7回目の核実験の準備が整っているとみられています。金正恩総書記の命令が下されれば、いつでもボタンを押せる状態です。
アメリカも、こうした動きを座してみているわけではありません。韓国訪問中、ミサイル対応を行う指令室への視察を、急きょ、組み込みました。
アメリカ・サリバン大統領補佐官:「挑発行為があれば、同盟国防衛への我々の決意は高まり、周辺地域でのアメリカ軍の態勢が調整されることになる。いかなる脅威や侵略にも断固対応する」
日本訪問も含めた5日間のバイデン大統領のアジア歴訪。この間、東アジアは、予断を許さない状況が続きます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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