子どもの夢を乗せて空泳ぐ『播磨鯉』残るは2軒のみとなった伝統の工房 兵庫・加東市(2022年5月5日)

子どもの夢を乗せて空泳ぐ『播磨鯉』残るは2軒のみとなった伝統の工房 兵庫・加東市(2022年5月5日)

子どもの夢を乗せて空泳ぐ『播磨鯉』残るは2軒のみとなった伝統の工房 兵庫・加東市(2022年5月5日)

5月5日はこどもの日です。鯉のぼりの名産地である兵庫県加東市では、今年も子どもたちの夢や目標が書かれた『播磨鯉』が空を泳ぎました。

 風を切って泳ぐ鯉のぼり、その数約400匹。兵庫県加東市は、明治時代後期から『播磨鯉』とよばれる鯉のぼりの名産地です。マンホールなど、市のいたるところに“鯉のぼり推し”の証拠があります。

 取材中に偶然出会った小学1年生の都倉秀吉くん(6)。おじさんから譲り受けた伝統的な播磨鯉を揚げているというので見せてもらうことにしました。

 (都倉秀吉くん)
 「もうちょっと風強くなったらきれいになるねんけどな鯉のぼり」

 かつては日本全国でみられた風物詩ですが、一大産地である加東市でも、大きい鯉のぼりが飾られる家は限られてきているといいます。

 (秀吉くんの母親)
 「(昔は鯉のぼりが)揚がってた、揚がってた。もう今はどこも揚がらへん。子どもがいないから」

 明治時代から120年以上続く鯉のぼり工房の柴崎彰考さん(71)。4月、ピークを迎えていた鯉のぼり作りですが、かつての忙しさとは比べ物にならないといいます。

 (柴崎彰考さん)
 「深夜12時ごろまで仕事していた。朝8時からボイラー入れてな。今そんなに売れないからね。ごっつやせていたけど、今は仕事ないから肥えて肥えて母ちゃんに怒られる。その腹どないかしいって」

 かつてこの地域には7軒の工房がありましたが、いまは柴崎さんを含めて2軒のみとなるなど、地域に息づくブランドの存続が危ぶまれているのです。伝統を絶やさぬよう、加東市では15年前から、小学校の新1年生全員に播磨鯉をプレゼントし、自分や家族の夢や目標を書いてもらう取り組みを行っています。

 (播磨鯉に思いを書いた児童)
 「僕は漢字を頑張りたいです」
 「ケーキ屋さんになって、ケーキをいっぱい作りたいです」
 「テストで100点取れますように」

 (担任の先生)
 「外に出て(鯉のぼりを)見ることは少なくなったんですけれど、1年生の思いや願いを書くこういうイベントがあって、地域の良さも子どもたちに伝わっているかなと思います」

 市内の全小学1年生の思いが託された鯉のぼりは1か所に集められ、市の新たな“映えスポット”として空を彩ります。

 (訪れた人)
 「私は教師をしているものですから。自分たちで夢とか目標を書けて、この時期に鯉のぼりとして揚がるのはすごく良いなと思って見させてもらいました」
 「父になったばかりなので、鯉のぼりとか季節のものをちゃんと伝えていかないとあかんなと思います」

 五月晴れの空を泳ぐ鯉のぼり。5月31日まで飾られるということです。

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