相次ぐ急性肝炎 生体肝移植受けた英国3歳女児は|TBS NEWS DIG
欧米で報告が相次ぎ、日本では25日、初めて確認された原因不明の子どもの急性肝炎。最初に報告があったイギリスでは、この病で生死の境をさまよった3歳の女の子が父親からの生体肝移植を受け、一命を取り留るケースがありました。
人工呼吸器をつけ昏睡状態にあった3歳のローラローズちゃん。原因不明の急性肝炎にかかりました。
最初に症状が出たのは3月中旬。おう吐とともに皮膚と目の色が黄色くなる黄疸が出たため入院し、急性肝炎であることがわかりました。
そして、医師からは“生体肝移植が必要”だと診断されました。
父・アランさん
「胸が張り裂けそうでした、本当に娘を失うかもしれなかったんです」
母・ジェーンさん
「集中治療室で具合が悪化していくのを、ただ見ているだけでした」
ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターによりますと、従来の肝炎ウイルスが検出されない子どもの重症急性肝炎は、少なくともこれまでに12か国で、およそ190例が報告されています。最初に報告されたイギリスでは、10歳以下の子どもを中心に111人が確認されていて、日本でも疑い例が、1例報告されました。
WHO=世界保健機関によりますと、この“原因不明の急性肝炎”で、これまでに1人が死亡、17人が肝臓移植を必要としました。
患者のうち74人からアデノウイルスが検出されていて、ローラローズちゃんもアデノウイルスに感染していました。
父・アランさん
「心のどこかでお葬式を挙げる覚悟をしていました。本当に辛かった」
しかし、検査の結果、父親のアランさんの肝臓がローラローズちゃんの肝臓に適合することが判明。入院18日目に肝臓の半分を移植する手術が行われ、7時間に及ぶ大手術の末、無事成功しました。
父・アランさん
「本当に元気になりました、午前3時に「アナ雪」の歌を大声で歌ってます」
医師は「手術が遅れていたら命を失っていたかもしれない」としていて、母親のジェーンさんは「おかしいと思ったら、迷わず助けを求めるべき」「そうしてなければ全く別の結果だったかもしれない」と話しています。
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