“コーンフレーション”トウモロコシ価格高騰・・・「ハンバーグ店」「牧場」にも影響(2022年4月26日)
今、世界で新たに懸念されているのが、「コーンフレーション」です。トウモロコシの価格高騰だけにとどまらないという、その影響を取材しました。
■トウモロコシ 10年ぶりの高値
25日、明治安田生命が発表した「家計」に関するアンケート調査。「最も高騰を感じるのは?」という問いに、一番多かった答えが“食費”です。
中でも、急激に値上がりしている食品が・・・。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト・永濱利廣氏:「世界的に食料品の値段が上がっている。ウクライナが主要供給元である、トウモロコシが上がっている。この値上がりについては、“コーンフレーション”」
シカゴ商品取引所では、トウモロコシの価格が今年1月と比べて、およそ50%も上昇。10年ぶりの高値となり、インフレーションならぬ「コーンフレーション」が起きているというのです。
■“大量使用”ハンバーグ店は不安
浅草の老舗洋食店「モンブラン」。一日400食が出るハンバーグの付け合わせを始め、メニューのほとんどにコーンが使われています。
ハンバーグの店「モンブラン」・松家健一代表:「アメリカ産のコーン。(1缶)2キロ。浅草店で(一日)6缶くらい。(米国産は)成熟したコーンなので、皮は硬いけど甘みがある。日本のもおいしいですけど、色が変わりやすいのと、柔らかくて潰れちゃったりするので」
世界的なコーンの高騰の原因となっているのが、ウクライナの供給減への懸念です。
ウクライナは、世界の輸出の13%を占めています。中国は、そのウクライナからの輸入が減った分をアメリカ産で穴埋めするとしていて、そうなると、今後コーンの価格はさらに上がる可能性があります。
松家健一代表:「(値上げは)近々にあるんじゃないかと思う。数が出るので、1円上がっても、結構利益に響く」
店の人気メニューの一つ、コーンスープ。これは北海道産を使っています。
松家健一代表:「国内産のほうが影響しやすい。量の問題で、輸入産が上がると、確実に上がる率も高い。下町ですので、できるだけ値上げはしたくない。今も頑張っています」
■エサ・・・酪農家も悲鳴「打つ手なし」
千葉県旭市にある牧場「サンファーム牛屋」です。
東日本産直ビーフ研究会・岩渕一晃会長:「子牛のエサ。コーンが主体」
この牧場では、牛のエサにコーンを主原料としたものを使用。コーンは栄養価が高く、エネルギー量も豊富なため、良質な牛を育てるには欠かせないといいます。
岩渕一晃会長:「(Q.一日どれくらい使う?)11キロから12キロを食べさせる。ある程度、量を食べさせないと、牛も大きくならないし、良いお肉にもならない」
現在、およそ600頭の牛を飼育しているため、単純計算で毎日7トンものコーンが餌(えさ)として消費されています。そんななかで起きたのが、「コーンフレーション」です。
エサのすべてを輸入に頼っているこの牧場は、大きな打撃を受けています。
岩渕一晃会長:「(エサ代は)1.5倍から2倍くらい上がった。1000万円くらいマイナス」
実際、周辺地域では、コスト面から事業撤退を余儀なくされた企業もあります。この流れが全国的に広がれば、牛の供給量は減り、牛肉の高騰を招きかねません。
岩渕一晃会長:「打つ手がなくなってきているのが現状。生産費は上がってるんだけど、販売価格は一緒。これは、生産者の永遠のテーマ。やめるという選択肢はないので。どう牛と向き合っていけばいいかということは、日々考えています」
(「グッド!モーニング」2022年4月26日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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